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ストックホルムでワルツを ★★★

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「Walkin' My Baby Back Home」などの名曲で知られるスウェーデン出身の世界的ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの伝記ドラマ。5歳の娘を育てるシングルマザーでありながら、夢を信じてモダンジャズ界の歌姫となるまでを追う。メガホンを取るのは、『白昼夢に抱かれる女』のペール・フリー。実際に歌手として活躍するエッダ・マグナソンがモニカにふんし、女優デビュー作とは思えぬ圧倒的存在感を放つ。レイ・チャールズなど全編に流れるジャズナンバーに加え、1950年代から1960年代のスウェーデンを再現した美術や衣装も魅力。
あらすじ:スウェーデンの片田舎で、両親と5歳の娘と生活しているモニカ・ゼタールンド(エッダ・マグナソン)。シングルマザーとして育児や家事に励み、電話交換の仕事をこなしながらも、歌手としての成功を夢見てジャズクラブのステージに立っていた。そんな中、彼女の歌を耳にした評論家を通じて、ジャズの聖地ニューヨークで歌を披露するチャンスを得る。だがステージで結果を残すことができず、失意のまま帰国する。それでも夢を諦められないモニカは、英語ではなくスウェーデン語でジャズを歌おうと考え……。

<感想>スウェーデンが生んだ世界的ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンド。彼女が歌手として頂点を極めるまでの数年を描く実話で、モニカに扮するのは歌手のエッダ・マグナソンで、これが女優デビュー作だそうです。とっても美人でスタイルもよく、本当にモニカが歌っているような錯覚に囚われてしまいます。

離婚後、実家で娘と暮らすモニカは、好きなジャズシンガーとしての夢を諦めきれない。そのことに反対する父親が、母親失格とモニカを叱るのだが、母親はモニカの味方でもある。
時おり、地方巡業の旅にも出かけるモニカ。両親に娘を預かってもらい、自分の好きな道をいくのだが、ニューヨークへの道が開けて、ウキウキと出かけるも、黒人バンドでステージに立つと、客席からどよめきが。英語の歌詞で歌うモニカに、バンド仲間から歌詞を理解して歌っているのか、心に響かないし、魂がこもってないと言われる。

そして、考えたのが歌詞を「スウェーデン語に訳してジャズを歌おう」と。ベーシストのストゥーレとの出会い、彼の紹介で詩人のベッペ・ヴォルゲシュに会う機会を作ってくれ、ベッペの書いた詩でジャズを歌うモニカ。歌手としての人気はうなぎ上りに、さらには、有名な映画監督の心も射止めて、セレブの仲間入りを果たす。

本当に好きな男は、ベーシストのストゥーレなのに、生活の向上と自分の歌手としての人気から、自分に見合った映画監督との同棲生活。大きな屋敷も自分のお金で購入し、娘も引き取って暮らすようになる。
しかし、この生活は娘にも、彼氏の映画監督にもあまり幸せな暮らしではなかった。映画監督の彼は脚本家もしており、静かな暮らしを好むのに、毎晩のように友達をよんではパーティを開いてどんちゃん騒ぎではね。
そんなわけで、映画監督とも別れがきて、「出ていけ」と追いだし、次の彼氏はプレイボーイのような見た眼だけの男で、その男が家の自分たちの寝室に女を連れ込んで寝ているのを目撃したモニカは、激怒してこれまた追い出してしまう。

んなこんなで、モニカは寂しさで酒と薬、それに歌手なのにタバコをプカプカと吸うのだ。歌っている時に倒れてしまうモニカ。妊娠をしていて流産をしてしまう。どうせ結婚するつもりもない男の子供、余計に酒と薬が手放せなくなる。体も神経もボロボロのモニカに、歌手としての復活はあるのか?・・。
スウェーデンのストックホルムの街並み、どうしても寒々しい北欧というイメージがする。この国でも根深い男尊女卑の一面があるという。確かサスペンス映画の「ミレニアム」シリーズのヒロインは、そんな背景から誕生したようだ。
主人公であるシングルマザーのモニカは、父親の抑圧と闘い、新しいパートナーを見つけて、新しい豪邸を購入し、彼と娘の三人で住むのが印象的に映っていた。映画監督である男と、その豪邸購入の手続きを進めようとする不動産屋に向かって、モニカは「お金を払うのは私よ」と厳しく釘を刺すのだ。

映画の中で、父親の物と思われる古いトランペットが映し出される。どうやら父親も若い頃は音楽の道で食べていこうと考えていたらしい。それが挫折して諦めた父親。だからなのか娘にはそんな夢みたいな歌手で成功するとはとうていあり得ないと。父親が反対する理由が判る。
モニカの生き方そのものは、あまり共感できませんが、いくら男を利用しても、母親失格と言われても、一途に自分の人生を生きる姿勢に惹きつけられます。でも、かなり無理をしているように見えて、結局は彼女を後ろから支えているのは、ベーシストのストゥーレであるのが明白である。
そして、ユーロビジョン・ソング・コンテストにスウェーデン代表として出場したのに、最下位の0点という結果に…。皆がラジオで聞き耳を立てては、モニカを応援していたのに、残念な結果に。
一番の見所は、モニカがテープを送ったワルツの歌が、念願のビル・エヴァンスとの共演を果たして、NYで彼の弾くピアノ演奏に合わせて歌うモニカの美しさにうっとりします。そして、ラストでの、最愛のストゥーレとの結婚式では、教会で賑やかに祝ってもらうモニカの幸せそうな顔が印象的でした。
2015年劇場鑑賞作品・・・20映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


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