ザ・レッジ／12時の死刑台 ★★★．５

高層ビルから飛び降りようとしている青年と、彼を説得しようとする刑事のやりとりを通して、驚がくの真相が浮かび上がっていくサスペンス・スリラー。監督は、『ストレンジャーズ・キス』のマシュー・チャップマン。出演にはイギリス出身で『コールド マウンテン』などのチャーリー・ハナム、『アルマゲドン』のリヴ・タイラー、『ウォッチメン』のパトリック・ウィルソン、『ハッスル＆フロウ』のテレンス・ハワードら実力派がそろう。不条理な冒頭から衝撃の結末まで、緊迫感あふれる展開に目が離せない。
あらすじ：高層ビルから身を投げ出そうとする青年ギャビン（チャーリー・ハナム）。通報を受けて駆けつけたのは、刑事ホリス（テレンス・ハワード）。彼は必死に説得にあたるが、そんなホリスにギャビンは驚くべき事実を告白する。（作品資料より）
＜感想＞何気に有名なキャスティングなのに、劇場未公開作品かなと思ったら、２０１１年２月１８日に公開しているんですね。

この後に、サム・ワーシントン主演で「崖っぷちの男」（２０１２年７月９日公開）なんて映画がありました。内容は、ＮＹの高層ビルから飛び降りようとする男が、説得を試みる女刑事を相手に緊迫のやりとりを繰り広げる中、次第に男の隠された狙いが明らかとなっていくさまを、予測不能の展開でスリリングに描き出す。共演はエリザベス・バンクス、ジェイミー・ベル、エド・ハリス。監督はドキュメンタリー畑出身で、本作が長編劇映画デビューのアスガー・レス。

この作品は、二人の男のやりとりから始まるわけなんですが、自殺願望の男かと思ったら「１２時きっかりに飛ぶんだ、そうしないと人が死ぬ」と言う。ホリスがそこへ来た時には、正午にはまだ時間があったのだが、もう少し早く話を手短に聞いて、向かい側のビルにいる女性を助け、犯人を捕まえることも出来たはずなのに。

この物語の展開は刑事に、飛び降り自殺する男が過去を振り返って話すことから始まるのです。その原因となったのが、人妻との不倫行為なんですね。つまり主人公はホテルマンのチャーリー・ハナム。結構イケメンです。同居人にゲイのこれまたイケメン青年が一緒に住んでおり、このこともリヴの夫の逆鱗に触れてしまうのです。つまり浮気相手の夫が敬虔なクリスチャンだったからなのですね。

相手は人妻のリヴ・タイラーで、チャーリーとのベッドシーンでトップレスヌードを披露してくれます。そこまで落ちた女優なのかと思いながらも、かなり年なのでそんなに期待するほど立派な体ではありませんから。それでもプライドってないのかな。この女優さん「アルマゲドン」とかで清純派だと思ってたのに。

この二人が結ばれるまでのいきさつも描かれます。ホテルマンの青年も結婚歴があり、娘を事故で亡くして夫婦関係がこじれてしまったこと。リヴの方は、昔は酒、薬や売春などやけっぱちの人生を送り、教会で酒に溺れているところを、今の夫に救われたという話。

その二人の関係がリブの夫のパトリック・ウィルソンに知れて、夫は大憤慨。かなり敬虔なクリスチャンなので、妻が不貞をはたらくなど信じられなかったのでしょう。それも同じアパートで、同じ階の部屋。すぐに手の届くところで、夫に浮気現場を見られ、殴り込むのかと思いきや、夫は男にビルの屋上から飛び降りて死んで詫びろというのだ。でないと、妻を銃殺するという。
刑事のホリスには、この事件の前に夫婦関係の一大事が持ち上がっており、自分は無精子で子供が授からないのに、二人の子供が生まれたのだ。その子供たちは、自分の子供じゃないと、妻に責め寄るも、夫の無精子を知っていて、どうしても子供が欲しくて人口受精したというのだ。他人の男の精子で産んだ子供たち。ホリスの心は乱れる。
そんな状態で、自殺の交渉人をするのだから、時間切れで１２時になりギャビンは、愛する女の命を守るために飛び降りるのです。好きな女のためなら命を捨ててまで、あの世で一緒になろうということなのか。
見ていて、どうにかならなかったのだろうか？・・・緊迫感あふれる展開っていうほどスリリングでもない。
物語の中に宗教のことがかなり出てきますが、あまりこの作品を盛り上げる力はありません。ギャビンがとった飛び降り自殺行為は、宗教ではやってはいけない行為なのですが、浮気だったのだが、本気で愛した女の命を助けるため、自分の命を犠牲にするという、究極の愛の選択なのでしょうね。
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