「しあわせの法則」のリサ・チョロデンコ監督が自身の体験を交えた同性カップルの家族で起こった騒動をハートフルでコミカルに描いたホーム・ドラマ。
充実した脚本と演出、実力派の俳優たちによる的確なキャラクター表現、それらが見事にブレンドされた本作は、まさに大人の鑑賞にピッタリの作品だ。
あらすじ:ニックとジュールスという“ふたりのママ”の元、娘のジョニは大学進学が決まり、これが家族で過ごす最後の夏になるかもしれなかった。弟レイザーは、18歳になり出生の秘密を知る事ができるようになったジョニに、「父親の事を知りたくないかい」と持ちかける。2人が初めて会う“遺伝子上の父親”ポールは、気楽な独身生活を送っていた。子どもたちがポールに会っている事を知ったニックとジュールスは動揺し、ポールを家に招いて食事会を開く。(作品資料より)
<感想>最近ミア・ワシコウスカちゃんが大好きで、彼女の作品を片っ端から見ている。だいぶ前の作品ですが、彼女の自然な演技が良かった。この映画は、レズビアンカップルを親に持つ姉と弟が、実は精子バンクの提供を受けて生まれた子供たちなのだ。二人は自分たちと生物学的に繋がりのある父親ポールに会いに行きたいと思うようになります。
ところが、会ってすぐに、ポールと姉弟は意気投合してしまいます。それに、ポールはレズの両親とも知り合いになり、姉弟家族と一緒に過ごす時間が多くなるのです。
ポールはもともと自分勝手に生き、ガールフレンドとも適当な関係を築いてきたのですが、そんな彼の前に自分とそっくりの面影を持つ子供が目の前に現れ、家族の貴さを実感するわけ。
それに姉弟たちも、レズの両親にはない、父親の温かさを感じ始め、ポールと次第に仲良くなって行くのです。
でも、そのことを知り動揺する一家の大黒柱としての、稼ぎ頭の母親であるニックがイライラし始めます。それに、ニックのパートナーであるジュールスが、こともあろうにポールと肉体関係を持つんですから、家族の絆の崩壊ですよ、これは。これはレズビアンの夫婦を描いた一風変わったコメディである。
元々レズのカップルに、精子バンクからの提供で子供を授かり(もち二人とも女性だから)家族を築いて来たのに、それが精子提供者である父親が出現して、今まで難なく暮らしてきた家族の生活を脅かすのは、これは問題です。
やっぱりレズカップル夫婦に、子供という家族設定には無理があったのか?・・・って、いやいやそうではありません。ここで毅然とした態度で、この家族の父親として君臨しているニックが、ポールにガツンと一言宣言するのです。
しかし、レズビアンカップルとかゲイカップルとかが夫婦のように一緒に暮らしていても、孤児院からの養子縁組という手もあるわけなのだが、自分の遺伝子を持っている子供が欲しいとなれば、こういうレズの場合は精子バンクからの提供で女であれば産むことができるわけで、生まれてきた子供のこともよく考えないと、それに大きくなったら話て聞かせることも必要なのではないかしらね。
アネット・ベニングがかっこいいです。「家族が欲しければ自分で作りなさい」ってね。これは重みがありますよ。医学上の繋がりがあっても、心の繋がりを得るにはそれなりに長い年月が必要なのですから。
ポールが、急に家族の中に入り込み、家族の持つ温もりを知って、自分もその仲間に加わろうなんてずうずうしいです。家族って、いつも仲良く生活しているとは限らないし、その家族の溝を埋めるのも両親の役目なんです。
二人の大変な苦労が、今の生活の幸せを作っているってことを姉弟は忘れないでね。私も3人姉弟の真ん中で育ちましたが、よく姉弟喧嘩や、両親の夫婦喧嘩など、いろいろ歳月にはありましたが、今にしてみれば懐かしい日々が思い起こされます。姉のジョニ役のミア・ワシコウスカちゃん、「アリス・イン・ワンダーランド」でも奇麗でしたが、地方では来年上映される「マップ・トゥ・ザ・スターズ」のアガサ役の彼女の演技に注目です。
二人の険悪なトラブルをその都度子供たちに話して聞かせ、共に巻き込んでしまう下りは、いくらコメディとはいえ自分勝手もいいところだろう。これでは子供たちが可哀想だ。
この作品がアカデミー賞にノミネートされるほど評価が高いのも、A.ベニングの達者な演技からして当然かもしれないが、観客にレズの夫婦という存在を受け入れられる包容力がないとダメである。その点、日本では評価が分かれるに違いない。
2014年DVD鑑賞作品・・・63 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
充実した脚本と演出、実力派の俳優たちによる的確なキャラクター表現、それらが見事にブレンドされた本作は、まさに大人の鑑賞にピッタリの作品だ。
あらすじ:ニックとジュールスという“ふたりのママ”の元、娘のジョニは大学進学が決まり、これが家族で過ごす最後の夏になるかもしれなかった。弟レイザーは、18歳になり出生の秘密を知る事ができるようになったジョニに、「父親の事を知りたくないかい」と持ちかける。2人が初めて会う“遺伝子上の父親”ポールは、気楽な独身生活を送っていた。子どもたちがポールに会っている事を知ったニックとジュールスは動揺し、ポールを家に招いて食事会を開く。(作品資料より)
<感想>最近ミア・ワシコウスカちゃんが大好きで、彼女の作品を片っ端から見ている。だいぶ前の作品ですが、彼女の自然な演技が良かった。この映画は、レズビアンカップルを親に持つ姉と弟が、実は精子バンクの提供を受けて生まれた子供たちなのだ。二人は自分たちと生物学的に繋がりのある父親ポールに会いに行きたいと思うようになります。
ところが、会ってすぐに、ポールと姉弟は意気投合してしまいます。それに、ポールはレズの両親とも知り合いになり、姉弟家族と一緒に過ごす時間が多くなるのです。
ポールはもともと自分勝手に生き、ガールフレンドとも適当な関係を築いてきたのですが、そんな彼の前に自分とそっくりの面影を持つ子供が目の前に現れ、家族の貴さを実感するわけ。
それに姉弟たちも、レズの両親にはない、父親の温かさを感じ始め、ポールと次第に仲良くなって行くのです。
でも、そのことを知り動揺する一家の大黒柱としての、稼ぎ頭の母親であるニックがイライラし始めます。それに、ニックのパートナーであるジュールスが、こともあろうにポールと肉体関係を持つんですから、家族の絆の崩壊ですよ、これは。これはレズビアンの夫婦を描いた一風変わったコメディである。
元々レズのカップルに、精子バンクからの提供で子供を授かり(もち二人とも女性だから)家族を築いて来たのに、それが精子提供者である父親が出現して、今まで難なく暮らしてきた家族の生活を脅かすのは、これは問題です。
やっぱりレズカップル夫婦に、子供という家族設定には無理があったのか?・・・って、いやいやそうではありません。ここで毅然とした態度で、この家族の父親として君臨しているニックが、ポールにガツンと一言宣言するのです。
しかし、レズビアンカップルとかゲイカップルとかが夫婦のように一緒に暮らしていても、孤児院からの養子縁組という手もあるわけなのだが、自分の遺伝子を持っている子供が欲しいとなれば、こういうレズの場合は精子バンクからの提供で女であれば産むことができるわけで、生まれてきた子供のこともよく考えないと、それに大きくなったら話て聞かせることも必要なのではないかしらね。
アネット・ベニングがかっこいいです。「家族が欲しければ自分で作りなさい」ってね。これは重みがありますよ。医学上の繋がりがあっても、心の繋がりを得るにはそれなりに長い年月が必要なのですから。
ポールが、急に家族の中に入り込み、家族の持つ温もりを知って、自分もその仲間に加わろうなんてずうずうしいです。家族って、いつも仲良く生活しているとは限らないし、その家族の溝を埋めるのも両親の役目なんです。
二人の大変な苦労が、今の生活の幸せを作っているってことを姉弟は忘れないでね。私も3人姉弟の真ん中で育ちましたが、よく姉弟喧嘩や、両親の夫婦喧嘩など、いろいろ歳月にはありましたが、今にしてみれば懐かしい日々が思い起こされます。姉のジョニ役のミア・ワシコウスカちゃん、「アリス・イン・ワンダーランド」でも奇麗でしたが、地方では来年上映される「マップ・トゥ・ザ・スターズ」のアガサ役の彼女の演技に注目です。
二人の険悪なトラブルをその都度子供たちに話して聞かせ、共に巻き込んでしまう下りは、いくらコメディとはいえ自分勝手もいいところだろう。これでは子供たちが可哀想だ。
この作品がアカデミー賞にノミネートされるほど評価が高いのも、A.ベニングの達者な演技からして当然かもしれないが、観客にレズの夫婦という存在を受け入れられる包容力がないとダメである。その点、日本では評価が分かれるに違いない。
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