世界有数の福祉国家として知られるノルウェーに存在する監獄島、バストイ島で20世紀初頭に起きたとされる暴動を映画化した実録サスペンス。絶海の孤島に送られた非行少年たちを更生させる施設を舞台に、そこに収容された少年たちの過酷な生活と彼らが起こした壮絶な反乱劇を描く。ノルウェーの俊英マリウス・ホルスト監督が、抑圧された少年たちの心情をリアルに活写。島を支配する院長を、「ドラゴン・タトゥーの女」で活躍した北欧きっての名優ステラン・スカルスガルドが怪演する。
あらすじ:1915年、罪を犯した元船乗りの少年エーリング(ベンヤミン・ヘールスター)が、ノルウェー本土からバストイ島に送り込まれてくる。外界から隔絶されたその島には、11歳から18歳までの非行少年を更生させる施設があり、少年たちは過酷な重労働を課せられていた。かなり高圧的な院長(ステラン・スカルスガルド)や寮長(クリストッフェル・ヨーネル)への反発と脱走を繰り返すエーリングの姿は、抑圧された少年たちの心を突き動かしていく。
<感想>1900年から1970年まで、ノルウェ-の孤島に実在した少年収容施設が舞台のサバイバル・ドラマ。1915年、外界から隔離されたバストイ島の施設(少年院)そこでは矯正とは名ばかりの理不尽な現実がおこなわれていた。陰湿な寮長による虐待(性的暴行)に耐えかねて、仲間の一人が自殺を図る事件が起こり、事態は思わぬ方向へ進んで行く。
寒々しい孤島を陰鬱な色調(モノクロ映画のようだ)で表現し、子供たちの閉ざされた心象を訴えた演出がいい。一見、人格者に思える院長の、圧倒的な支配力と、直接的には描かれないが寮長による性的虐待が、少年たちを追いつめていく過程が見ていて良く理解できる。
主人公が語る鯨の話で、銛を3つ打ち込まれながらも、船と乗組員を翻弄する大きな鯨。この話は、規律で少年たちを従わせようとする院長や、看守たちに不屈の意志の力で立ち向かっていく少年たち。脱走に失敗してもあきらめないその姿。捕まって帰ると、独房じゃなくて鉄の檻の中へ入れられる。
自殺をした少年に対して、政府からの視察が来るが、院長は自殺ではなく脱走したと隠蔽する。それでも、少年たちが寮長の性的虐待を院長に直訴すると、一応、寮長を島から出すが、直ぐに戻って来る寮長。これでは同じ事で、また性的虐待を受ける少年が出てくることは間違いない。
ラストの少年たちの怒りが爆発して、施設を焼き払い院長を追いだし、寮長をボカスカとこん棒で殴る。だが、それも全部政府の知ることとなり、大きな船で兵士たちが拳銃を発砲し、鎮圧にかかる。
彼らが理不尽な秩序を壊して行く、クライマックスでは、最高のカタルシスが味わえるのだが、見ていて悲惨です。鯨の話は、自分の命が終えるまえに、船長や乗り組み員を飲みこんで死んだというお話。だが、少年たちの起こした反乱は、みな罰せられ悲劇で終わる。
救いのない重苦しい内容ですが、非行少年でも悪に対しての友情や団結という若い人たちの憤りを感じる作品になっている。観て損はないと思います。
2014年DVD鑑賞作品・・・61 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:1915年、罪を犯した元船乗りの少年エーリング(ベンヤミン・ヘールスター)が、ノルウェー本土からバストイ島に送り込まれてくる。外界から隔絶されたその島には、11歳から18歳までの非行少年を更生させる施設があり、少年たちは過酷な重労働を課せられていた。かなり高圧的な院長(ステラン・スカルスガルド)や寮長(クリストッフェル・ヨーネル)への反発と脱走を繰り返すエーリングの姿は、抑圧された少年たちの心を突き動かしていく。
<感想>1900年から1970年まで、ノルウェ-の孤島に実在した少年収容施設が舞台のサバイバル・ドラマ。1915年、外界から隔離されたバストイ島の施設(少年院)そこでは矯正とは名ばかりの理不尽な現実がおこなわれていた。陰湿な寮長による虐待(性的暴行)に耐えかねて、仲間の一人が自殺を図る事件が起こり、事態は思わぬ方向へ進んで行く。
寒々しい孤島を陰鬱な色調(モノクロ映画のようだ)で表現し、子供たちの閉ざされた心象を訴えた演出がいい。一見、人格者に思える院長の、圧倒的な支配力と、直接的には描かれないが寮長による性的虐待が、少年たちを追いつめていく過程が見ていて良く理解できる。
主人公が語る鯨の話で、銛を3つ打ち込まれながらも、船と乗組員を翻弄する大きな鯨。この話は、規律で少年たちを従わせようとする院長や、看守たちに不屈の意志の力で立ち向かっていく少年たち。脱走に失敗してもあきらめないその姿。捕まって帰ると、独房じゃなくて鉄の檻の中へ入れられる。
自殺をした少年に対して、政府からの視察が来るが、院長は自殺ではなく脱走したと隠蔽する。それでも、少年たちが寮長の性的虐待を院長に直訴すると、一応、寮長を島から出すが、直ぐに戻って来る寮長。これでは同じ事で、また性的虐待を受ける少年が出てくることは間違いない。
ラストの少年たちの怒りが爆発して、施設を焼き払い院長を追いだし、寮長をボカスカとこん棒で殴る。だが、それも全部政府の知ることとなり、大きな船で兵士たちが拳銃を発砲し、鎮圧にかかる。
彼らが理不尽な秩序を壊して行く、クライマックスでは、最高のカタルシスが味わえるのだが、見ていて悲惨です。鯨の話は、自分の命が終えるまえに、船長や乗り組み員を飲みこんで死んだというお話。だが、少年たちの起こした反乱は、みな罰せられ悲劇で終わる。
救いのない重苦しい内容ですが、非行少年でも悪に対しての友情や団結という若い人たちの憤りを感じる作品になっている。観て損はないと思います。
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