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カニバル ★★★

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スペインの映画賞の最高峰であるゴヤ賞で、作品賞や監督賞など8部門にノミネートされた衝撃のロマンス。美しい女性たちを殺しては、その肉を食してきた殺人鬼の男が、ある女性に心を奪われたのを機に、その運命が大きく変わりだす。メガホンを取るのは、短編やドキュメンタリーでも活躍してきたマヌエル・マルティン・クエンカ。『アイム・ソー・エキサイテッド!』などのアントニオ・デ・ラ・トレが、仕立て屋と殺人鬼という二つの顔を持つ主人公を熱演。純愛と背徳が拮抗(きっこう)する物語に加え、美しい映像も見どころ。
あらすじ:スペイン、グラナダのアパートで一人で生活している仕立て屋のカルロス(アントニオ・デ・ラ・トレ)。紳士然とした彼だったが、その正体は美女を拉致しては人里離れた山荘でバラバラにし、その肉を食すという連続殺人鬼だった。そんなある日、彼は行方不明となった双子の妹を捜し出すために東欧からスペインに来たというニーナ(オリンピア・メリンテ)と知り合う。彼女の美しさに殺人と食人の衝動に突き動かされる一方で、カルロスは愛というこれまでに知らなかった感情にも支配されてしまう。

<感想>人肉を喰らう人間というと、かなり悍ましくグロくてエグイと思うでしょうが、この作品に関してはそういうタイトルから発するイメージはありません。主人公のカルロスがイケメンで、スペインのコメディ映画「アイム・ソー・エキサイテッド!」でゲイのパイロット役を演じていた俳優さん。
この作品でのイメージは、穏やかな品のある紳士という感じで、そんな大それた殺人を犯してその肉を喰らうなんて容貌には全然見えませんから。それに、日常生活でも、独身で近所付き合いなどせず、毎日淡々とした紳士服の仕立て屋を営んでいます。オーダーメイドなので、お客さんは金持ちの紳士とか、教会のマントなどの依頼もうけます。

彼は一人で紳士服の仕立て屋を営んでいますが、お針子さんというか中年のおばさんが近くに住んでいて、そこへ採寸し型紙から布を裁断して仮縫いの状態まで自分でして、後は縫製の仕事はそのおばさんがやっているようでしたね。
感心に教会が店の前にあり、礼拝をしている信者のようでもあります。その店の向かえのアパートに自分の部屋がある。山小屋で切り刻んできた肉を、冷蔵庫の中へと。唯一気になったのが、壁に人間の裸の絵が貼ってあり、人間の全身の部位を詳しく描いてある絵が。
そうそう、食事のシーンなんですが、冷蔵庫には1回分の肉がラップに包んであり、それを塩コショウしてオリーブオイルを塗り、フライパンでソテーするだけのシンプルな料理です。とても綺麗なピンク色の切り身の肉で、鳥の胸肉のような柔らかい感じがしました。その肉を夕食にワインと頂くわけですが、どうってことなく静かに食べています。
冒頭で、ガソリンスタンドで女がウロウロしている。どうやら娼婦のようで客を探しているのか、車にガソリン入れに来た男の車に乗っていく。トラックがその車を追い抜いて行く。その後に、目の前に車がスピードを出してライトを照らして、運転手が目が眩んだのか車は道の横へと落ちて横転してしまう。

その車がバックしてきて横転している車に近寄り、中から女性だけをずるずると引きずり降ろして、まだ生きているのに道路に血がべったりと付いている。自分の車の後部座席に乗せて消える。こいつが殺人鬼の人肉喰いの犯人なのか、と思っていたら、車は雪山をどんどんと走って行き、山小屋に着く。車から女を降ろして、山小屋の中へと運び、服を脱がして全裸にして、両腕を天井から吊るし、デカい包丁を手に持ちドスンという音と共に、真っ赤な血がテーブルの下のバケツの中へと滴り落ちる。外は猛吹雪だ。男は、車を洗浄して、街へと戻る。
殺すところは、残忍な殺し方ではなく、夜中に車で狙った獲物(特に若い女性)を山小屋まで車で持って行き、そこで調理切断するのですが、そのシーンは見せないので残酷な感じはしません。

ただ、調理台の上に乗せた女性の裸体を愛でるというか、身体を手で撫でて愛おしそうにするシーンが出てきます。後、バラバラに解体した人体をどのように処理したのかは映していません。
山の雪肌や、夕焼け、朝焼けなど綺麗というよりは、物悲しく映っているように見えました。この男の精神状態が、一人の若い綺麗な女性によって変化していく様子が、山小屋まで連れて行き何もしないで寝顔を見ている様子に憐れさえ感じましたね。
妹のアレクサンドラは、毎日のように客を部屋に入れトラブルがあると、男の部屋に隠れるという。その時、ずうずうしいというか彼女が冷蔵庫の中を開けて、綺麗にラップに包んである肉を見てしまう。それに、「気付いてたわ、私のこと好きでしょう」と誘惑してくるのだ。
それから、その妹がどのようになったのか描かれていなくて、急にアレクサンドラの姉だという女が訪ねてくる。妹がいなくなって探しているという。警察に電話するカルロス。警察では、若い女が疾走しても男と逃げたのだろうと取り合ってくれないのだ。これは双子だから、姉妹の2役をオリンピア・メリンテが演じてもおかしくない。

この姉も、妹が家からお金3000ユーロを盗んでこの町へ来たというのだ。そのお金を両親に返さなければならない。カルロスが立て替えて3000ユーロ出してあげると、姉がそのお礼をしたいと妹と同じ個室マッサージで、何だか怪しげな雰囲気になってくる。強引な女にも困ったものだ。女性が苦手なカルロスなのに、その部屋を出てカルロスは海辺に行く。
そこで、カップルの男女に狙いを付けて、二人が浜辺で遊んでいるところへ行き、男の方を車でバックで轢き殺し、女は海の中に入りその一部始終を見ていた。恐怖のあまり海からあがってこれずに沖へと流されてしまう。警察では、姉のニーナに妹と同じ年齢の女の溺死体が上がったと連絡があり、カルロスと見に行くも、妹ではなかった。

殺人鬼という、それに人肉を喰らうということを、好きになってしまった双子の姉、ニーナに打ち明けたのはまずかったのではと思いましたね。黙っていれば、それに山小屋に連れて行かなければ、何も問題は起きなかったのでは。
愛してしまった女ニーナを、車に乗せて街へと帰る途中で、ニーナがハンドルを急に切り崖下へと転落してしまう。カルロスはシートベルトをしていたので助かったのに、女はベルトを外していたので、車の外へ飛び出し即死のようでした。そして、何事もなかったように生誕祭を祝う行事に参列するカルロスの姿がありました。
「ハンニバル」のレクター博士のような脳みそを凍らせて、シャーベットのようにしてスプーンで食するグロイ陰惨なシーンなどは一切ありませんから、期待しないでください。
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