テレビシリーズ「SHERLOCK(シャーロック)」などで人気のベネディクト・カンバーバッチが主演を務めたサスペンス。穏やかな雰囲気が漂う田舎で幸せな家庭を築こうと夢見る新婚夫婦のもとに、夫の弟が戦地から戻り一緒に暮らし始めたことから、家の中が不穏な空気に覆われていくさまを描く。誰が見ても優しそうな良き夫の姿と、内にどす黒い狂気を秘めた男の二面性を体現したベネディクトの熱演が光る。
あらすじ:デイヴィッド(ベネディクト・カンバーバッチ)とドーン(クレア・フォイ)夫妻はデイヴィッドが幼年時代に住んでいた村へ引っ越し、のどかな田舎で子どもをもうけ温かい家庭を作りたいと願っていた。そんな矢先、デイヴィッドの弟で戦地から戻り心に病を抱えているニック(ショーン・エヴァンス)が転がり込んでくる。夜中にその辺を歩き回ったり奇妙な振る舞いを見せたりするニックの存在が、次第に仲むつまじい夫婦の関係に影を落としていき……。
<感想>最近メキメキと売れて、スクリーンでも度々お目にかかるベネディクト・カンバーバッチの2011年の作品。あいにくとこの映画は、地方では上映されなかったので、DVDで鑑賞。以前に「僕が星になる前に」をDVDで鑑賞したが、シリアスなヒューマンドラマも得意だということが分かります。舞台は都会から遠く離れた麦畑の広がる寂しい片田舎。
主要登場人物がたった3人という、いかにもイギリス映画らしい、寒々とした地味な文芸作品かと思ったら、進むにつれて次第に心理サスペンス染みていき、やがてはホラーミステリーっぽくなり、最終的にはナタリー・ポートマン演じる「マイ・ブラザー」に落ち着いたような、正直良く判らない抽象的な物語だった。
トラウマを抱えた不穏なイケメン兄弟と、女一人の共同生活なのだから、いかようにも料理のしようはあったはずなのだが、作り方が無策で散漫に終わってしまった印象がする。
是非ではなく、おそらく物語の軸がはっきりしない映画への範囲に左右される作品だと思います。不穏さの上に湧き立つ曖昧とした展開や、誰が真実を語っているのか分からない不安と、この映画が切るとる田舎の景色は、静謐な調和を生み出していて好印象なのだが。
それにしても、カンバーバッチがぴったりの役どころで、話の中心が、少し壊れかけた弟から、普通の夫と思えた彼に変わっていくあたりが見どころで、中々もって怖いのだ。カンバーバッチの謎めいた落ち着きと、ショーン・エヴァンスの野蛮で憂鬱の激しい展開での芝居の対比は、見応えがあります。
とにもかくも、妻は子供が欲しいのにどこか消極的な態度のカンバーバッチ。実はという、弟ニックが同居することで、家の中に不穏な空気が。しかし、弟の夜の徘徊にしても戦争体験者としてはトラウマを抱えているので、こういった症状がでてもおかしくない。
そこへ友人夫婦が現れて、そこから事態が急変していくわけで、つまりは子供が出来ない兄夫婦には、夫の方に問題があり子供が出来ないということなのだ。それで、余計なお世話といえばそうなのだが、友人夫婦の旦那が、妻のドーンといい仲になりベッドインまでしてしまう。
で、子作り成功って、これはどうみても、夫婦にとっては離婚ものでしょうに。夫にしてみれば、自分は以前の女性と関係を持ち、子供が出来ないのは自分に子種がないということが判った。それが、妻が妊娠するなんてあり得ない分けで、でも、離婚にはならないで、生まれた子供を育てるという。
そこへ、平然と友人夫婦が現れて、友達が自分の子供を抱く瞬間に疑惑が、・・・友人そっくりの子供を抱き上げるのを見て、カンバーバッチは自己嫌悪にひたる。
何だか、自然に切り取ってますというような、手持ちカメラがサスペンスの緊張感を奪っているように見えた。とはいえ、叙情的に日常を観察するにしては、中途半端な謎めかしさがうざったく感じた。それに、人間心理の暗やみが理詰めで掘り下げられるわけでもないのだ。
ですが、災いのような気配が取り留めなく流れ込み、漠然とした意思が見えない物語に、溶け込めない人もいるだろうと思った。
2014年DVD鑑賞作品・・・45 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:デイヴィッド(ベネディクト・カンバーバッチ)とドーン(クレア・フォイ)夫妻はデイヴィッドが幼年時代に住んでいた村へ引っ越し、のどかな田舎で子どもをもうけ温かい家庭を作りたいと願っていた。そんな矢先、デイヴィッドの弟で戦地から戻り心に病を抱えているニック(ショーン・エヴァンス)が転がり込んでくる。夜中にその辺を歩き回ったり奇妙な振る舞いを見せたりするニックの存在が、次第に仲むつまじい夫婦の関係に影を落としていき……。
<感想>最近メキメキと売れて、スクリーンでも度々お目にかかるベネディクト・カンバーバッチの2011年の作品。あいにくとこの映画は、地方では上映されなかったので、DVDで鑑賞。以前に「僕が星になる前に」をDVDで鑑賞したが、シリアスなヒューマンドラマも得意だということが分かります。舞台は都会から遠く離れた麦畑の広がる寂しい片田舎。
主要登場人物がたった3人という、いかにもイギリス映画らしい、寒々とした地味な文芸作品かと思ったら、進むにつれて次第に心理サスペンス染みていき、やがてはホラーミステリーっぽくなり、最終的にはナタリー・ポートマン演じる「マイ・ブラザー」に落ち着いたような、正直良く判らない抽象的な物語だった。
トラウマを抱えた不穏なイケメン兄弟と、女一人の共同生活なのだから、いかようにも料理のしようはあったはずなのだが、作り方が無策で散漫に終わってしまった印象がする。
是非ではなく、おそらく物語の軸がはっきりしない映画への範囲に左右される作品だと思います。不穏さの上に湧き立つ曖昧とした展開や、誰が真実を語っているのか分からない不安と、この映画が切るとる田舎の景色は、静謐な調和を生み出していて好印象なのだが。
それにしても、カンバーバッチがぴったりの役どころで、話の中心が、少し壊れかけた弟から、普通の夫と思えた彼に変わっていくあたりが見どころで、中々もって怖いのだ。カンバーバッチの謎めいた落ち着きと、ショーン・エヴァンスの野蛮で憂鬱の激しい展開での芝居の対比は、見応えがあります。
とにもかくも、妻は子供が欲しいのにどこか消極的な態度のカンバーバッチ。実はという、弟ニックが同居することで、家の中に不穏な空気が。しかし、弟の夜の徘徊にしても戦争体験者としてはトラウマを抱えているので、こういった症状がでてもおかしくない。
そこへ友人夫婦が現れて、そこから事態が急変していくわけで、つまりは子供が出来ない兄夫婦には、夫の方に問題があり子供が出来ないということなのだ。それで、余計なお世話といえばそうなのだが、友人夫婦の旦那が、妻のドーンといい仲になりベッドインまでしてしまう。
で、子作り成功って、これはどうみても、夫婦にとっては離婚ものでしょうに。夫にしてみれば、自分は以前の女性と関係を持ち、子供が出来ないのは自分に子種がないということが判った。それが、妻が妊娠するなんてあり得ない分けで、でも、離婚にはならないで、生まれた子供を育てるという。
そこへ、平然と友人夫婦が現れて、友達が自分の子供を抱く瞬間に疑惑が、・・・友人そっくりの子供を抱き上げるのを見て、カンバーバッチは自己嫌悪にひたる。
何だか、自然に切り取ってますというような、手持ちカメラがサスペンスの緊張感を奪っているように見えた。とはいえ、叙情的に日常を観察するにしては、中途半端な謎めかしさがうざったく感じた。それに、人間心理の暗やみが理詰めで掘り下げられるわけでもないのだ。
ですが、災いのような気配が取り留めなく流れ込み、漠然とした意思が見えない物語に、溶け込めない人もいるだろうと思った。
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