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Channel: パピとママ映画のblog
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セインツ 約束の果て ★★★

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1970年代のアメリカはテキサスを舞台に、強盗と妊娠した女性、彼女に恋焦がれる保安官の3人の愛と運命を壮大な自然と共に描くドラマ。一人で娘を育てる女性に、『ドラゴン・タトゥーの女』などのルーニー・マーラ、女性の身代わりとなり刑務所に送られた男性を『ジェシー・ジェームズの暗殺』などのケイシー・アフレック、保安官を『パンドラム』などのベン・フォスターが演じる。監督を務めるのは、本作が長編2作目となるデヴィッド・ロウリー。3人の男女の静かにかつ熱く交錯する思いの行方が胸を締め付ける。
あらすじ:ルース(ルーニー・マーラ)が妊娠し、一緒に窃盗などを繰り返してきたボブ(ケイシー・アフレック)とルースはこれを最後にしようと銀行を襲うも、ルースが拳銃で放った弾丸が保安官パトリック(ベン・フォスター)に当たってしまう。そこでボブは、ルースの身代わりとなり投降し刑務所へ。4年後、娘を育てるルースのもとに、ボブが脱獄したとの知らせが入る。そのころボブは危険を冒し、ルースのもとへ向かっていた。

<感想>ベン・アフレックの弟でもあるケイシー・アフレックのファンです。あのしゃがれ声が痺れます。今回は人間味溢れる小悪党を演じているのもいい。それにルーニー・マーラが、気丈で一途な妻役を悲哀たっぷりに演じているのだ。
その彼女を愛してしまう保安官に、ベン・フォスターといった名優たちが、現代版「俺たちに明日はない」のような、アメリカン・ニューシネマの匂いを放っている。
広大なテキサスの田舎町を舞台に、詩情豊かな映像で綴った、埃っぽくてロマンに満ちたクライムドラマになっている。

登場人物がみんな、芯に誠実な心を持っている。破滅的な愛は、すなわち命がけであり、たとえ着地点が予測不可能でも、それが美しく感動的に物語を織りなしていく。
ボブが脱獄をした後に、あの銃撃戦のあった農場へと向かいます。その廃墟のような農場の天井裏に住み着き、樹の下に埋めていた金を掘り当てて、妻とまだ見ぬ娘と3人で何処か遠くへ逃げようと計画していたようです。

「誓う愛」の物語、愛ゆえに男は脱獄し、死にもの狂いで2人の元へと向かう。しかし、保安官や彼に恨みを持つ殺し屋がボブを執拗に追跡していたのである。
女は子供を守る母親となる。時代も状況も、垂れこめる雲のような独特の撮影と相まって不思議な色を帯びて、寄る辺なき人々を包み込みます。柔かい自然光を生かした撮影が素晴らしいですね。

ルーニー・マーラを愛する男3人たちの想いが、交錯していく。説明抜きで物語がドンドンと進んでいくのが気持ちよく、一方では、登場人物が口ずさむ誌のようなセリフの美しさに陶酔させられる。ですが、主人公3人の他の人たちのことがあまり説明されていないのが難点です。ボブを追い掛ける殺し屋も、元保安官の隣人スケリットは、ボブとルースの育ての親のような存在なのかなぁ、と想像するだけ。
極めて独特な肌触りの映画であり、キース・キャラダインの登場に、いささか我を忘れかけて、頼れる隣人を寡黙に演じ切るキースの男気にも痺れます。それに、彼は唄も歌うんですね。彼の歌う主題歌も美しく深い余韻を残してくれて良かったです。
2014年劇場鑑賞作品・・・201 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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