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クローズEXPLODE ★★.5

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不良漫画のジャンルで人気を博す高橋ヒロシのコミックを映画化した『クローズ』シリーズの新章。前作から1か月後の新学期を迎えた鈴蘭高校を舞台に、3年生の卒業により空席となった頂点を目指す壮絶な抗争が他校も巻き込み繰り広げられる。監督は、『青い春』『空中庭園』などの豊田利晃。メインキャストは前2作から一新し、『桐島、部活やめるってよ』などの東出昌大をはじめ、早乙女太一、勝地涼、柳楽優弥らが共演する。
あらすじ:新学期を迎えた鈴蘭高校では空席となった頂点をめぐり、野心的な新3年生たちが火花を散らす。しかし、そんな抗争に興味を示さない3年の転校生・鏑木旋風雄(東出昌大)と好戦的な新入生・加賀美遼平(早乙女太一)の登場により、校内の勢力図は大きく変わろうとしていた。一方、そんな学内抗争に加え外部の不良勢力が不穏な動きを見せており……。

<感想>最初の“ワルメン”ブームを巻き起こした小栗旬くんや、山田孝之くんの「クローズZERO」(07)は面白いし、特に山田君がカッコ良かった。今回はあれから5年が経過した設定であり、監督も三池崇史から豊田利晃に交代して、キャストも一新されたが、鈴蘭高校のカラスたちが喧嘩に明け暮れる基本的構図は変わらない。誰しもが“テッペン“を獲るぞとばかりに自分の力を誇示する。
冒頭からスローモーションにかぶってくるメタリックな効果音!・・・の豊田節が良いですよね。ライブハウスでdipの演奏をバックに大乱闘するシーンでは、奇声を上げそうになってしまった。

しゃがれ声で歌う若者のヘビメタでも、老若男女にも聴かせる最高のビートの曲は、誰が聴いてもいいのはいい。最後にも聴かせてくれる。そんな乱闘のシーンでもキャラクターの描き分けバッチリなアクション演出も冴えわたる。
前作、前々作の三池崇史監督は、素手で闘うという暗黙のルールに従って、怒涛の集団乱闘やタイマンのアクション表現、殺陣に工夫を凝らし、やりつくした感もある。
だから、それだけに豊田監督の演出に新鮮味がなく、青春映画に必要なろくでなしの純粋さや、カッコ良さが不足しているような気がしました。ナイフで刺したり、バットで殴ったり、挙句に鉄パイプを持ち出したりするのはダメですから。それに付け火もダメ。


ですが、前作では薄い存在感だったもう一人の主人公片桐のやべきょうすけ、彼がOBとして出演して、鈴蘭のOBの友達が働いている中古自動車屋に就職して、ガキどもの喧嘩ばかりでなく、物語の中にその中古自動車屋の存続に、黒咲高校を退学し、少年院に行っていた永山絢人の悪がきが、火をつけて燃やしてしまうなど、それにかかわる地上げ屋のヤクザの板尾も、加わって面白くしている。

その中心となるのが、テッペン争いに興味を示さない一匹オオカミの転入生、東出昌大と、本能のままに暴れまくる新入生の早乙女太一。この二人の対決を軸に、鈴蘭の内部抗争とそこに絡む他校、黒咲高校との争いが、「クローズ」の名物とも言える激しい乱闘シーンと共に描かれている。永山絢人というワルメンが、物語の展開を面白くしていて、黒咲にも鈴蘭にも喧嘩を仕掛けて、こいつは本当に悪いヤツだ。少年院へ入ったのも、黒咲の生徒と喧嘩して体に灯油をかけ火をつけて大やけどを負わせた悪いヤツ。後で、仲なおりをするも心の中では恨んでいるに違いない。

なんといっても、勝地涼の存在感も格別だし、キレッぷりを見せつける早乙女太一のお坊ちゃん(父親が元ヤクザの組長)を筆頭に、柳楽優弥などは鈴蘭のテッペンなのに、キング強羅とかフルファイターなど異名持つが、小汚い格好で喧嘩には強いが頭は悪そうだ。
しかし、どうみても10代の高校生には見えない役者ばかりで、ヤクザの抗争みたいだった感がある。こういう集団の喧嘩では、戦争と同じなので、勝ち負けは頭も使わなければ勝てないのだ。ただ殴り合えばいいというものでもない。

本作での主人公東出昌大くんの活躍は、始めはオトナシイしこういう役は向いてないのでは、と思ったが、彼の幼少時代が映され孤児院育ち。母親の高岡早紀に父親がボクサーだったということもあり、腕っ節はそれなりに切れ技があり、回し蹴りとかボディへのブローなどは本格的で、アッパーカウントで彼の勝という終わり方には満足です。

一時期、こいう不良生徒ばかりが中学校でも多く、弱いものを虐めたりカツアゲしたり、女子生徒に乱暴したりする事件が多かった。家には女の子ばかりだったので、男の子供を持つと身体が成長していき、はけ口を喧嘩やかつあげとか、勉強もしないで親のスネをかじってどうしようもない大人になるのかと心配してしまう。
しかし、高校生といっても彼らには家族愛とか、家族というものが存在しないのか画面には出てこない。彼らは卒業して生きる道があるのか、ヤクザになるしか能はないのか、フィクションというけれど、これでは日本の将来も不安だらけだ。よけいなお世話かもしれないが・・・。
他の作品では優男の印象しかない若手俳優たちの生きのいい表情を引出し、新シリーズなので次回作に期待したい。
2014年劇場鑑賞作品・・・104  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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