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ウルフ・オブ・ウォールストリート ★★★.5

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巨匠マーティン・スコセッシと、ディカプリオが5度目のコンビを組んだ、ヤバネタ満載の伝記ドラマである。デカプリオが演じるのは、ジョーダン・ベルフォートなる実在の人物で、ウォール街での証券詐欺で若くして巨万の富を築いた、最低にして最高のカリスマ。現代の下克上とも言える出世劇から地獄に一直線の急降下まで、破天荒な生きざまをシニカルな笑いを交えて描き出す。
熱演が過ぎて燃え尽きた、ディカプリオの俳優休業宣言まで飛び出した注目の神髄に、マネーゲームには付きものの“数字”から迫る。
26歳で証券会社を設立し、年収4900万ドルを稼ぐようになったジョーダンは、常識外れな金遣いの粗さで世間を驚かせる。全てを手に入れ「ウォール街のウルフ」と呼ばれるようになったジョーダンだったが、その行く末には想像を絶する破滅が待ち受けていた。
ジョーダン自身による回顧録「ウォール街狂乱日記 『狼』と呼ばれた私のヤバすぎる人生」(早川書房刊)を映画化。共演にジョナ・ヒル、マシュー・マコノヒー、マーゴット・ロビーら。

<感想>ワル賢いやり口で瞬く間に億万長者に。成金男の栄光と挫折、ハリウッド版ホリエモンなのか?・・・ディカプリオと言えば、常に眉間に皺を寄せて、演じる役も暗めな人物ばかり。だが、この映画ではでしゃばりっぱなしだし、女も金もドラッグも大好きな傲慢な人物。
憧れのウォール街証券マンなった途端、1987年のブラック・マンデーの大暴落で解雇。転んでもタダで起きないと、リスキーだが手数料が高いペニー株を、優良株に見せかけて売りつける詐欺まがいの商法で荒稼ぎ。

郊外のボロいガレージから始めた会社が、右肩上がりで急成長。経済誌に特集記事が載ったおかげもあってか、入社希望の若者が殺到する。地元の友達数人で始めた会社が、あっという間に800人を擁する一大金融詐欺集団に。
22歳で金融界入りしたジョーダンが初日に教わったのは、「営業の電話は1日500件かけろ」あることないことをまくし立て、相手を納得させる営業トーク術を、メソッド化し、部下に教え込む。暴落すると判っているゴミ証券を売りつける相手は、金持ちに限定。だって、貧しい人を助けたいから・・・ではなくて、純粋に儲かるから。立派な社名と事務所があれば金持ちなんてチョロいもの。
能力のある人間が儲けて何が悪い。という弱肉強食の精神と、カリスマ的なスピーチで野心溢れる部下を鼓舞。さらには、ドラッグOK、社内セックスOK、の楽しい職場づくりを実践する。

唯一無二のパートナー、ドニー・エイゾフをジョナ・ヒルが演じて、野心溢れるジョーダンに惚れこみ、ファミレス店員からジョーダンの右腕に転身。仕事でも乱痴気騒ぎでも最高の相棒になる。
そして、ジョーダンがパーティで出会ったセクシー美女ナオミ。セレブ志向に強く、ジョーダンの下積み時代を支えた妻を蹴落として、本妻の座に収まる2人目の妻ナオミにはマーゴット・ロビーが。金が目当ての結婚、子供が産まれても破天荒な生活をする夫に愛想をつかす。

そして、ちょっとの出演でしたが、ジョーダンが最初に就職をした会社のやり手な上司で、金儲けの極意や、昼間っから酒とドラッグをたしなむライフ・スタイルを伝授したマーク・ハンナにマシュー・マコノヒーが演じて、彼のゴリラふうの胸を叩いて歌うウフォ、ウフォが最高。

そして、ジョーダンの会社のCFOを務める短気な父親役にロブ・ライナーが、ジョン・ファブローは、証券会社の企業弁護士役で出演している。それに、スパイク・ジョーンズは、ジョーダンに株売買を指南するブローカー役で出演。
それでも、稼いだ金は湯水のように使え、ディナー1回100万、200万円は当たり前。週末はプールつきの大邸宅で贅沢なパーティ三昧。フォーカス誌に「金持ちから盗んで自分とその部下に与える、ロビン・フッドのよう」と形容される始末。マイヘリコプターで移動し、元はココ・シャネル所有だった170フィートのクルーザーで航海へと。地中海を巡航し、嵐の中を突っ込む航海で沈没しても気にしないって男って。

積み上げられた札束に囲まれて、女の体に札束を貼り付けてセックスにふけるし、投資家を欺きつづけるジョーダンに、証券取引委員会とFBIの捜査のメスが入るも、クルーザーに来たFBI捜査官に対して、ロブスターを投げ捨て、札びらを投げつける無礼な行動にはゲンナリします。
マネーロンダリングのためにスイス銀行に隠し金を妻の叔母さん名義で預金、これがFBIに決定的な証拠をつかまれる原因になったというのだ。覚せい剤、薬物使用は毎日で、FBIが屋敷に事情徴収に来たときは、ドニーが持ってきたドラッグが期限切れの古い薬で効き目が遅く、大量に飲んでしまい全身マヒ状態での演技が、這いずり回って階段を転げ落ち、車で酔っ払い運転のような、このシーンはさすがのレオ様ですぞ。
主人公のジョーダンの行動は実際にはもっともっと凄いもので、これでもかなりトーンを抑えているそうで、この映画で描かれている状況はあくまでも深刻なのだが、側面から眺める喜劇にもなっている。観客をその渦中に引きずり込んで、仰天する程に不条理な登場人物たちの行動を見せているといっていいでしょう。
2014年劇場鑑賞作品・・・29  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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