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劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 爻(コウ)ノ篇 ★★★

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戸田恵梨香と加瀬亮と堤幸彦監督による、“未詳”こと未詳事件特別対策係捜査官対“SPEC”こと特殊能力者との激戦を描くシリーズ完結編二部作の後編。最終章となる本作では、これまで隠されてきた数々の謎がついに解き明かされる。テレビドラマ版レギュラー陣に加え、向井理に大島優子、香椎由宇に遠藤憲一ら豪華キャストが共演。全人類の未来を左右する、スケールの大きなストーリーの結末から目が離せない。
<感想>特殊能力=SPECを武器に世界を意のままに操ろうと暗躍する者たちと、彼らを追う警視庁の特別捜査官、通称「未詳」チームとの壮絶な戦いを描いた「SPEC」シリーズが、「爻(コウ)ノ篇」でいよいよ完結。シリーズで提示されてきた“シンプルプラン”や“ファティマ第三の予言”といった数々の謎の真相のすべてが、ついに明かされるというのだ。
みずからSPECを封印して巨大な敵に挑もうとする「未詳」の刑事、当麻紗綾と、彼女を文字通り全身全霊で守ろうとする瀬文焚流。2人の長かった戦いの結末も気になる最終章でもあります。

前篇を観たので、後篇も観とかなくちゃと思ったわけであります。そのエンディングの仕上がりは?・・・果てさてと、IQ201の天才刑事である当麻は、当初、人間的な弱点がほとんどないように見えたのだが、シリーズが進むにつれ、壮絶な過去や自らがSPECホルダーであることに深く葛藤する姿が描かれるようになった。
最初はやっぱり天才は変人なんだと、いうふうにつくっていたんですね。最終的にはSPECホルダーであるがゆえに、むしろものすごく人間的な人になってました。
今回の作品の中では、当麻は地球の歴史そのものを背負うような存在になってしまい、最後はある種の抽象概念(悪のデキモノ)みたいなものに昇華していくんですけど。そういう運命に悩み苦しみながらも、ちゃんと希望ももっているし、そして警察官として最後も職務に忠実でありたいと思っている組織の一人であるという。そういう意味では、非常に愛すべき彼女でもありました。
それはもちろん瀬文にもいえることですけど。

ちなみに、死神のようなセカイとの闘いの壮絶極まりないこと。右手をかざしてと、お互いのSPECがバリバリ光線で、当麻の餃子ロボの鏡が良かったね。その後、屋上で当麻が地面に手を当てて死んだSPECホルダーを召喚する瞬間ですが、一堂に全員並べて現れそのSPECたちを地獄の冥界に陥れ押し込んでしまおうと頑張るシーンは、しかも長いし、当麻もだんだんと化け物になってくるし、どうなるかと思えば、やっぱ瀬文が拳銃で当麻を撃ってもらうしかないと言う結末なのよね。

今回は当麻と瀬文の物語であると同時に、老刑事、野々村光太郎の戦いの終焉でもあるわけで、まさに「未詳」の精神「心臓が息の根を止めるまで、真実を求め、ひた走れ!」という名ゼリフのように、SPECホルダーたちとの全面対決というもの凄く不安定な状況の中で、非常にしっかりとした核となっているから、そこまでいくのかという結果で終わるということなのですね。

当麻を銃殺したということで、警察の人たちが瀬文を足で蹴飛ばしたり殴ったり死んでしまうんじゃないかと心配するほどだった。しかし、SPECホルダーとの闘いに生身の肉体で飛び込んで行く。その超人ぶりはますます激しくなるばかり。普通の人間なら100回は死んでますから、「俺は人間だ」といいながら、実は最も非人間的な、ある意味、一番すごいSPECホルダーではないかと、思ってしまうのだ。
しかしだ、何か物足りない感じがする。野々村係長の死なども感動の押し売りにしか感じられなくて、死で感動を無理に盛り上げるのではなく、そこで当麻が何か奇策でも出してひっくり返せば、むしろそっちの方が感動的になって終わったのかもしれないのに。コケ威しの風呂敷を広げ過ぎて、当麻とその他の登場人物が物語に埋没してしまっているように見えた。
天に召された当麻が、雲の合間に揺れて、浮遊する光景の中を瀬文が懐かしむシーンに、これで本当に終わってしまったんだと、一抹の寂しさも感じました。
2013年劇場鑑賞作品・・・340 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング



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