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私が愛した大統領 ★★.5

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ニューディール政策などで有名な第32代アメリカ大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルトの知られざる素顔に迫った伝記ドラマ。ルーズベルト大統領の一番の理解者として彼を支え続けた女性デイジーとの深い絆と、第2次世界大戦前夜の英国王ジョージ6世夫妻が渡米した際のエピソードの裏側を描く。小児まひの後遺症を抱えながらも4選を果たしたカリスマ大統領を、名優ビル・マーレイが演じ、激務のルーズベルト大統領が誰よりも信頼し心を許した従妹デイジーを、3度のオスカーノミネート経験を持つローラ・リニーが演じる。
あらすじ:1930年代アメリカ、多忙なフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領(ビル・マーレイ)は一番の理解者である従妹のデイジー(ローラ・リニー)と過ごすひとときが何よりの安らぎだった。1939年6月、ドイツとの開戦危機に備えアメリカの後ろ盾が欲しい英国王ジョージ6世夫妻が実家を訪問。歴史的なトップ会談が行われた夜、デイジーは思いも寄らなかった大統領の秘密に触れてしまう。

<感想>1933年に第32代米大統領の座に就任、重度の障害を抱えながらも12年間に渡って任期を務めたフランクリン・デラノ・ルーズベルト、通称FDR。彼の秘密の愛人だった女性の手記と日記を基に、彼と周囲の女性たちの関係と、米英の歴史の転換点となった出来事にスポットを当てています。
ここでいう第32代「米大統領」のフランクリン・デラノ・ルーズベルト。教科書にも出て来るあのニューディール政策を推し進めた大政治家である。
そのフランクリンが私生活で妻や母親、秘書以外に心を許したのが従妹のデイジーなのです。ポリオで下半身が不自由な上、日々の激務で疲れきった大統領の息抜きのおしゃべり相手にと、母親が呼び寄せたのだが、2人はすっかり意気投合して、次第に深い関係になっていくのです。
それは、毎日のように下半身の自由が利かないルーズベルトは、自分用に特別に改造した自動車で、従妹のデイジーをドライブに誘う。運転が乱暴なフランクリンの運転で、彼の秘密の花畑のある場所や、老後を過ごしたいと考えているお気に入りの別荘へと出かけるのですが、もちろん護衛の車も後ろからついてくるのですが、帰れ帰れと手で合図をして、もう、2人きりになってそれはロマンチックなムードになるのですが、奥さんがいるのに、これはひょっとして浮気ってこと。でも、奥さんとは別居していて夫婦生活はないようである。
それが後で分かることなんですが、秘書も人妻も過去に愛人として関係を持っていたということが明らかになり、デイジーもショックで少しの間、彼との関係を断るのですが、それでもこれだけ偉大な男だと、女としては選ばれた存在感で満足してしまうのでしょうね。

フランクリンは女癖が悪く、性に対してはお盛んな人だったのですね。まぁ、あの有名なケネディ大統領でさえ、マリリンとの浮気が公認になってましたものね。奥さんのエレノアも別居をして好きなことをしているようだし、それに家は母親の家で、マザコンのような、家の切り盛りも全部この母親がしている。
というわけで映画は、主にフランクリンの実家のあるニューヨーク州ハイドパークの美しい田園風景を背景に展開するのですが、とりわけ実家の白い壁に落ち付いた外見。部屋は壁紙が部屋別に、青やピンクとそれに合わせた色彩設計になっているのが目の保養になるでしょう。
そして、部屋の色彩に合わせて、ベッド、カーテン、鏡、花瓶、シャンデリア、食器、書棚…内装も家具も母親の趣味の良いものばかりで素晴らしいですね。

やはり興味深いのは、1939年に英国王ジョージ6世夫妻をそこに招いた時のエピソードが中心になっている。
英国は第二次大戦前夜に、アメリカの支援を取りつけるために、国王を送り込んだのですが、その国王と大統領の水面下の駆け引きがとにかく面白いんですね。英国王夫妻と側近たちを宿泊させるので、家の中はてんやわんやで、晩さん会などでは、食器が足らず近所の家から借りてきて、その食器を召使が壊してしまうし、食事を運ぶ給仕さんも緊張してか転んで転倒するというハプニングもあります。

「英国王のスピーチ」でみなさんご存じのことですが、吃音に悩むジョージ6世を、フランクリンは自らの小児麻痺を引き合いに出して、お互いにハンデのある人間として叱咤激励をします。アメリカ国民は大統領の足が不自由だということは知らないし、マスコミもそのことを知っていても公にしない。
それに、ピクニックを提案した大統領夫人のエレノアが、お昼の食事にホットドッグを出す接待にも、英国王のエリザベス妃が食べたことのない食事に自分たちをバカにしていると非難するのだが、国王はさすがに支援のこともあり、臆することなく1個や2個、いくらでも食べてやると豪語する。これが2国間の垣根を取り払うんですね。
このエピソードも含めてデイジーとフランクリンの秘話は、デイジーが残した手紙と日記が基になっているという。そのためか二人の恋愛の真実が、もう一つ鮮明に浮かび上がってこない嫌いもある。それはきっと、ロジャー・ミッチェル監督の配慮かもしれませんね。
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