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コレクター ★★★★

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1980年代にアメリカを震撼(しんかん)させた実在の猟奇殺人鬼ゲイリー・ハイドニック事件を題材にしたサイコ・スリラー。「自分の子どもを生ませ大家族を作る」という異常な動機から女性たちを拉致監禁、暴行を繰り返し、果ては殺害、人の肉を食するという犯罪者にまな娘を誘拐された刑事の姿を描く。監督は俳優としても活躍する『ドリフト』のモーガン・オニール、製作をヒットメーカーのジョエル・シルヴァーが担当。主人公を『2012』『シャンハイ』などのジョン・キューザックが熱演する。
あらすじ:ニューヨーク州バッファローで、連続娼婦失踪事件を3年も追っている刑事マイク(ジョン・キューザック)と相棒ケイシー(ジェニファー・カーペンター)は、新たな被害者の詳細を知って凍りつく。それはマイクの17歳になる娘アビー(メイ・ホイットマン)で、誘拐犯罪は48時間以内に解決しないと生存率が下がるため、彼は執念で犯人を追跡。一方、地下室に監禁されたアビーは犯人の異常な目的を知り……。

<感想>ジョン・キューザック、スペシャル第2弾。このタイトルで、モーガン・フリーマンとアシュレイ・ジャド共演の「コレクター」がある。(アメリカ南部で起きた、凄惨な女子大生連続誘拐殺人事件に挑むベテラン刑事を描いた、モーガン・フリーマン主演のサイコ・スリラー!)それに、最近アメリカでも、女性を拉致監禁して、性の道具として子供を産ませ、何人かで共同生活している事件が明るみになった。この作品も実話だそうで、見るに無残な、残忍な殺人で、捕らわれた女性は家族として共同生活しているという設定なのだ。
しかし、映像で映されているのは、地下室の拷問の様子や、犯人が子供を欲しがっていることから、妊娠を強要させて地下室で子供を産み、別の部屋で赤ん坊を育てている様子が映される。捕らわれた女性たちは、殆ど街角に立つ娼婦で、失踪しても誰も探さない。それに、遺体も見つからないのだ。雪が降る夜の街に立ち、客を呼ぶ娼婦たち。その中には、オカマもいるわけで、どう見ても暗がりでは女のしか見えない。犯人の車に乗り家へ連れて行かれ、犯人がオカマだと知り、そのオカマちゃんをひっかき棒で腹を刺して殺す惨劇が映される。

その事件を担当していたジョン・キューザック。彼は家にも殆ど帰らず感謝祭・クリスマスでさえ休暇をとらず、事件に没頭している。家には美人の奥さんと、高校生の娘に小学校の息子がいる。その17歳の娘が誘拐されたのだ。どうみても、ケバイ化粧で娼婦にしか見えない娘。付きあっていた男がダイナーで働いているところへ、夜に家を抜け出して会いに行く。それには訳があったんですね。実は彼女は彼の子供を妊娠していたのですから。母親はそんなことも知らず、ただ娘を叱りつけるばかり。教育がなってないのだ。
調べていくうち、どうもその男に会いに行った後で誘拐されたらしい。映像では、彼にフラレた娘が涙ながらにタバコの火を求めて、車に乗っている犯人にタバコの火を借りたのが、拉致監禁される事件に発展したわけ。同僚の刑事が女性で、目つきが鋭いきつい女で、犯人は娼婦しか狙わないからマイクの娘は友達のところへでも行っているのでは、なんて呑気なこと言っている。それに、マイクが事件を捜査しながら犯人にたどり着くことを恐れ、マイクに強い口調で食ってかかる気丈な女。私には、まさかこいつも共同犯人だったとは、後半まで気が付かなかった。相棒のケイシーに「エミリー・ローズ」のジェニファー・カーペンターが扮している。
デブの黒人で病院勤務の男が怪しいと睨み、追い詰めるも薬を過剰に飲んで死んでいた。その部屋の冷蔵庫の中には、人肉が切り刻んでラップして入っていたのですから。警察は、猟奇殺人事件の犯人をデブの黒人に決めつけて捜査を打ち切ろうとする。年末だしね、早く家に帰りたいのだ。
しかし、父親のマイクは、娘を助けようと車の中から封筒を見つける。それは病院の厨房で働いていた男のデリバリケアーの会社の名前が。冒頭から犯人を見せ、マイクも病院の厨房で犯人を会っているのに。実に犯人探しと裏腹に、刑事が目の前にいる真犯人を見分けられない悔しさが見られ構成も上手い。

ラストで犯人の家を突き止めて押し入る二人。普通だったら応援のスワットくらい頼むのに、相棒の女刑事と共に暗い家の中を調べる。マイクが地下室から娘の声を聴き、生きているとホット胸をなでおろしたろうに。地下室では、妊婦が帝王切開をしなければ子供を産み出せないという女。地下室にはそういう手術道具や薬が揃っているので、娘が赤ん坊を取り出したみたいだ。映像で見せてないので、そこまでは分からないが、果敢に犯人の男にナイフで切りつける姿が映し出される。地下室には、犯人と性交しても妊娠しない女は、井戸の中へ沈めて溺れさす残忍さ。早く妊娠するようにと、性交の後は、地下室で逆さ刷りだ。そして、冷凍庫の中には、切り刻んだ人肉が ビニールの袋に包んでびっしりと入っていた。犯人の異常な感情の持ち主と、母親になりたい女との共謀による犯行とは、恐ろしいです。

地下室の鍵は、犯人が首にかけているというので2階へと上がっていくマイク。その中の部屋には、赤ん坊がずらりと並んで泣き叫んでいるのに驚く。犯人を銃で撃ち、首の鍵を取り、地下室へ行こうとするところへ、相棒のケイシーがやって来る。まさか彼女がそんなと、でもその前から伏線のような、犯人探しを辞めるようにマイクに何度も言うのも変だと思った。それに、マイクの妻が娘を思って泣き叫ぶのに、「どうせ反抗期の娘だからそのうち帰って来るわよ」とケイシーが言うのに、「子供を産んだことがない女に何が分かるのよ」と酷い言葉を吐く母親。それよりも、娘が妊娠していることを知らないバカな母親。
いろんなことで、ケイシーも子供が欲しかったのでしょうが産めない体。そうこうしている内に、犯人と意気投合して結果、共犯者ということに。ですから、ラストはどんでん返しなんてもんじゃない。悲惨な結果になり、娘は助かるも、2階の赤ん坊はすでに何処かへ持ち去られて、ラストの映像には悲壮感が漂ってがっかりでした。いままでのこういう作品では、「96時間」とか、父親が必死で娘を探してハッピーエンドなのに、これは、それとは違う異質の映画です。
2013年劇場鑑賞作品・・・246  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


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