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シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢★★★・5

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スウェーデンに実在する男子シンクロナイズドスイミング・チームをモデルに描き、本国フランスで大ヒットしたヒューマン・ドラマ。それぞれに中年の危機を迎えた8人の負け組おじさんたちが、シンクロナイズドスイミングで世界を目指すことで自信を取り戻していく姿を描く。主演はマチュー・アマルリック、共演にギヨーム・カネ、ブノワ・ポールヴールド、ジャン=ユーグ・アングラード。監督は俳優としても活躍するジル・ルルーシュ。本作が初の単独監督作となる。

あらすじ:2年前からうつ病を患い、会社を退職して引きこもり生活となり、家族からも冷たい視線を浴びるベルトラン。子供たちに軽蔑され、義姉家族からも嫌味を言われる日々をどうにかしたいと思っていたある日。地元の公営プールで“男子シンクロナイズドスイミング”のメンバー募集を目にした彼は、思い切ってチームに参加することに。久々にやる気を取り戻したベルトランだったが、メンバーは妻と母親に捨てられ不満だらけのロランや、奥手で内気なプールの従業員ティエリー(フィリップ・カトリーヌ)ら、ミュージシャンになる夢が捨てきれないシモンをはじめ、いずれも悩み多き中年の負け犬オヤジばかりだった。それでも元シンクロ選手のコーチ、デルフィーヌ(ヴィルジニー・エフィラ)とアマンダ(レーラ・ベクティ)のモラハラすれすれの指導の下、練習に励むベルトランたちだったが…。

<感想>原題は、「シンクロ・ダンディーズ」とかっこいいんです。シンクロチームのメンバーとして集まった8人の中年男性が、再び人生の輝きを取り戻す姿を描く。監督は俳優としても活躍する「ナルコ」のジル・ルルーシュ。出演者が有名な俳優ぞろいですから、「セザンヌと過ごした時間」のギヨーム・カネ、「ニキータ」のジャン=ユーグ・アングラード、「チャップリンの贈り物」ブノワ・ポールヴールド、「バルバラセーヌの黒いバラ」のマチュー・アマルリック等。

観て見ぬふりをしようと努力はしたが、何時の間にか紛れもなく中年のオジサンになっていたマチュー・アマルリックと、ジャン=ユーグ・アングラード。すっかりお腹の出たオヤジ体型。あのナイーブなインテリ青年だったアマルリックが、その悲哀こそドラマのテーマでもあるし、一方ではそれがコメディとして機能しているのだから、さすがです。

主人公演じるアマルリックは、無職で鬱病もち、他の登場人物たちも家庭や仕事場に居場所がなく、美しいとはいえない体型のおじさんばかりだ。そんな彼らが、何故かシンクロチームに夢中になる悲喜劇に、ついにこの私もじんわりと感動してしまった。

さまざまなトラブルに見舞われながらも、元シンクロ選手のコーチ、デルフィーヌとアマンダのモラハラすれすれの指導の下、無謀にもノルウェーで行われる世界選手権への出場を目指すことになるわけ。

最初のトレーニングの光景はひどいものでした。オリンピックの女子チームの振り付け師であるコーチデルフィーヌは頭を抱えますが、3週間後にはこの調子なら目標に到達できる、と語るまでになります。

働けない夫のベルトランに対して、理解ある妻の存在は救いの神ですね。厳しい練習の後は、サウナで一服。ゆるんだ体が愛おしいですよね。

出演者たちは週1・2回のペースで行われた7週間のトレーニングに耐えて、映画の撮影に臨みました。困難な水中から足を出すシーンはスタントマンが演じていますが、主要なシーンは彼ら自身が演じています。トレーニングの際のエピソードは皆が面白おかしく、共演者の才能と努力を讃えるエピソードを語っています。こうして生まれたキャストの連帯感は、映画の中で描き出されていて楽しい。

全員がそれぞれ特技を持っていました。素晴らしいダンサーであるティエリーのフィリップには、恋愛経験ゼロのピュアおじさんで、優雅さがありいつも温厚でチームのマスコット存在。そして、誰よりも居残りトレーニングをしていたロランのギヨームは、怒りの沸点が低いビチ切れおじさん。妻に捨てられ、実母との関係も険悪状態だが、もの凄い努力家であります。

マルキュスのブノワは、現実と向き合えないおじさん。会社経営に失敗するも過去の栄光が忘れられない。でも、怠けているように見えて、実はこっそりとトレーニングをしていました。最も水着が似合っていたのは、ジャン・ユーグですね。トレーラー暮らしで一人娘がいるし、ミュージシャンを目指す夢追いおじさんのシモン。

撮影の舞台裏で一番水着の似合う男、ジャン=ユーグ・アングラードが、熊のように毛深いフィリップ・カトリーヌの背中の毛を、剃ってあげていたと語るマチュー・アマルリック。想像するに、さぞ美しい光景だったのでしょう。

その肉体美を眺めるだけで笑える作品ですが、決してギャグを連発する映画ではありません。実年齢も体型も、どこから見てもオジサンなのが面白い。シチュエーションはコーチにしごかれながら世界選手権を目指すのだが、特訓しても彼らの胴回りは引き締まらなかったのが、映画の残念さをも疑う。

おじさんたち、そしてその周囲の人物もそれぞれ悩みを抱えて生きています。その哀愁漂う姿は、演技派俳優たちが演じる事で見る者の共感を呼び、彼らの活躍が感動と奮起を与えてくれる映画になっていた。フランス映画ならではのポップな色使いも大いに一役買っているのもいい。

この映画は実在するスウェーデンの、男子シンクロナイズド・スイミングチームの活躍にインスパイアされたフランス映画です。

 

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