日本を代表する大人気RPG「ドラゴンクエスト」を、シリーズ初のフル3DCGアニメーションで映画化したアドベンチャー作品。「永遠の0」「STAND BY ME ドラえもん」を手がけたVFXの第一人者である山崎貴が総監督・脚本を務め、1992年発売のゲーム「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」のストーリーを原案に、親子三代にわたる壮大な冒険と愛の選択の物語を描く。シリーズの生みの親であるゲームデザイナーの堀井雄二が原作・監修を担当する。
あらすじ:魔物たちに連れ去られた母を取り戻すため、父パパスと旅を続ける少年リュカ。しかし、魔物たちの卑劣な策略にはまり、リュカの目の前でパパスは命を落としてしまった。10年後、故郷に戻ったリュカは未だ行方不明の母を救うべく再び冒険へと旅立ち、サラボナの町で2人の女性と再会する。幼馴染のビアンカと大富豪の娘フローラ、2人をめぐる運命の選択を経て、リュカは魔物たちとの壮絶な戦いに身を投じていく。
<感想>ネットでのみなさんのもの凄い酷評と、バッシングに何だか鑑賞した後に、レビューを書くのがどうでもいいように思えてなりませんでした。でもせっかく観たのだし、私なりの感想を述べてみようと思いました。
大人気RPG「ドラゴンクエスト」は、子供にせがまれて買ってやりました。すると次から次と新しいのが出て来て、結構高額だったのでどうすれば子供たちに買うのを諦めてもらうか、納得させるのに苦労した時代でしたね。高いお金を払って買ったゲームソフト、子供のいない時にこっそりと私も挑戦してみたものです。でも、子供ほどハマリませんでした。
タイトルの「~ユア・ストーリー」というのが単に雰囲気つくりのための修辞ではなく、文字通り“あなたの物語”としてメタ的に仕掛けられており、主人公のリュカが母親を見つけるために、天空のつるぎと、勇者を探す旅と、ビアンカとフローラの、どちらかとの結婚を選択する独自の物語が展開するのであります。
「ドラゴンクエスト」の新たな物語ですが、ゲームには魅力を感じない私にとっては、フルCGアニメの新作というイメージでしかない。だから、どのキャラクターも、全て初対面であり、そういう意味では新鮮と言えなくもないし、何よりも日本のCG技術の見事さに感心しました。
光、炎、風までもが立体的に映し出される。ブルー色の水滴型モンスター“スラリン”も可愛い。だが、異世界の初対面キャラに馴染むまでにはいたらないのだ。ただ、ボーっと観ているだけ。
それでもつくりごとでも、それは生きられた体験だと。とすることで、観客はより強くその世界に掴まえられてしまうのだが、本作の女性キャラクターは、いまだ90年代前半の男の子の願望と、妄想の中のものであったようだ。
オリジナルのままで良かったのは、結婚をして生まれた息子が、伝説の勇者だというところには感動しました。ここまでは非常に感動して興奮して、涙すら流しかけたものだったのですが、状況が一変してくると、なぜかいきなり物語の方向転換がやってくるのです。
それは、この世界が劇中のドラクエ世界が、すべてVRだったと言うのでした。
ただのマスコットキャラかと思われたスライムが、本当はアンチウィルスだった、ということでゲームの世界は復活する。自らの虚構性をあらわにするような、展開を見せるところには驚いた。主人公も見事にハッピーエンドを迎えるものの、何だか違和感が残り残念な結果となりました。
これは前に観た「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」と同じような感じを受けました。でも、実際には余命宣告を受けた父親が生きる力を失くして、息子が父親にゲームの世界で気晴らしでもしたら、とゲームをさせて親子の絆が強くなる物語。
テレビゲームに縁のない人たちにとっては、この映画の入り口は狭いように見えました。ですが、サブタイトルにわざわざ「あなたの物語」と付け加えている理由を知った時、これは単なる「ドラゴンクエスト」の映画化作品ではないことを悟ることになります。
そして、地位や名誉、金だけが全てではないという価値観の賛否両論が、自らの了見の狭さを反省するに至るのです。また、映像がフル3DCGに変化する瞬間の鮮やかさは、まるでモノクロがカラーに切り替わるファンタジーとでも言うのでしょうか、まさに現代の色彩とマジックのようなCGの力のなせる業でしょうね。
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