「夜は短し歩けよ乙女」「夜明け告げるルーのうた」の湯浅政明監督が、消防士の青年と出会ったサーファーの女子大生の甘く切ない恋と成長を描いた青春ラブストーリー。声の出演は消防士の港役に片寄涼太、ヒロインのひな子役に川栄李奈。共演は松本穂香、伊藤健太郎。
あらすじ:サーフィンが大好きな大学生のひな子は、消防士の港と運命的に出会い、たちまち恋に落ちる。永遠の愛を誓ってくれる港は、いつしかひな子にとってかけがえのない存在となっていく。ところがある日、港が海の事故で命を落としてしまう。すっかり憔悴してしまったひな子だったが、ふと2人の思い出の歌を口ずさんだ時、港が水の中に現われた。思い出の歌が港を呼び戻してくれるとわかり、2人だけの世界に浸って幸せを感じるひな子だったが…。
<感想>守りたい人がいる。会いたい人がいる。このアニメは、恋愛映画というよりも、千葉ボートタワーが舞台のサーフィン映画であると共に、消防士やバリスタ、そしてライフセイバーなどの仕事の手順についてのヴィヴィッドな描写が、魅力的な職業をめぐるアニメーションの映画にもなっていた。
主人公のひな子は幼いころからサーフィンに夢中になり、今ではいっぱしのサーファーになっていた。そこへ登場する消防士の港との恋、それにひな子がまだ小さい頃に、海で溺れていた港を救助したという運命の相手だったのだ。
彼は卵サンドを素早く作れる男で、名前が雛罌粟港(ひなげし・みなと)という変わった名前の男で、サーフィンを教えてあげるひな子との交流や、オムライスも作れないひな子とのこれから愛を育むはずだったというのに。ひな子のことを、港は「あのこは僕のヒーローなんだ」と、いつもみんなに言っていた。
だが、その運命も港が事故で亡くなってしまう。諦めきれないひな子の心は、水を見ると港を思い出してしまう。その他にも、港の妹洋子と、港の後輩の消防士である川村山葵という、もう一組のカップルが生まれるという展開もある。
そして港の死に寄り、海に近づけなくなったひな子が、グラスの水に向かって思い出の歌を歌うと、そこに港が現れる。ファンタジックです。絶対に港は死にきれなかったのだと思う。だから、ひな子の前に水の精となって出てきたのだと思った。
他の人には見えない、自分だけの港だから、嬉しくってイルカに水を入れて、その中に港を閉じ込めて街のなかを走り回るひな子。だが、港と出会ったのは、ひな子が引っ越しをしてきたアパートの火事でのこと。消防士である港がひな子を助けてくれたのが始まり。
その火事のことが、後でトンデモないハプニングに発展していく結末に、驚きます。
ある夏のこと、廃墟で街の若い連中が花火をして遊んでいた。空き家の廃墟だから、花火の引火で火事が起きても平気な若い連中。その花火を見て、きっと火事が起こると注意をしに行く、ひな子と港の妹の洋子がその廃墟へと急ぐ。
しかし、そこはマンションで階段を上ると、そこからの海の眺めは抜群でもあり、そこで花火を上げるのも綺麗なのだが、その花火の炎が廃墟の木材やビニールに燃え移り、大事になってしまうのだ。
火事の騒ぎで消防士の川村山葵も出動するも、彼女たちはだいぶ上の階に避難しているも、火は上空へと燃え上がり、彼女たちは上の屋上へと非難する。ところが彼女たちのところへも火の手が伸びてきた。
ひな子は水のある場所で、歌を口ずさめば必ず亡くなった港が現れるのを知って、その場所でペットボトルの水に向かって歌い、港が現れるのだ。
だが、今度は比べ物にならないほどの高層ビルの廃墟であり、火事を起こした若い連中もいるし、港は悩んだ末にドでかいことを計画する。いくら水の精でもありえないことをするんです。
そこへ消防車も来て、消火活動が行われるも、火事の場合は上へ逃げては危険なのに、彼女たちは、花火で遊んでいたやつらを写真に撮り、通報しようとしたことがアダとなり、危険なことに炎は自分たちのところまで来るのだ。
ペットの中の港に助けを求めるひな子、洋子は足をねん挫して歩けないし、どうしたらいいのか。そこで、港のダイナミックなマジック的な水の芸ともいうべき、ビルの下から水が屋上へと水の渦巻きが起きて、屋上へいたひな子と洋子の2人は、びっくりするやら、港の一世一代の水のマジックショーですよ。そしてひな子に「水の上でサーフィンをして、下まで降りるのだ」と言うのですから。
屋上まで消防士である川村山葵が助けに来てくれて、洋子を頼み自分はサーフィンで、屋上から下まで波乗りダイブを楽しむひな子なのでした。
もう、最後が港がこれで自分の勤めも果たしたかのように、天に昇って行くのが見えましたね。なんというファンタジーな物語、こんなのって現実にあったら凄いのにね。火が大きな花火で綺麗でしたし、水の精になって現れる港の男らしさにも、これほどまでに水と火を、新しい感覚で描いたのは初めてでした。
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「映画に夢中」
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