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マローボーン家の掟★★★

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「永遠のこどもたち」「インポッシブル」の脚本家セルヒオ・G・サンチェスが、同作の監督J・A・バヨナの製作総指揮の下、記念すべき監督デビューを飾ったサスペンス・ホラー。母を亡くし子どもたちだけになったマローボーン家の4兄妹を待ち受ける哀しくも恐ろしい運命をミステリアスな筆致で描き出す。主演は「わたしは生きていける」のジョージ・マッケイ、共演にアニャ・テイラー=ジョイ、ミア・ゴス、チャーリー・ヒートン。

<感想>マローボーン家の4兄弟が、守る“掟に隠された謎”が打ち破られた時、あなたは衝撃の結末を目撃する!まず本作は登場人物、とくに子どもたちの面々が非常に素晴らしいです。ローズが連れてきたジャック、ジェーン、ビリー、サムの4人。見えない何かに怯える兄弟の対立と愛を描いた作品です。

かなり細かく作られた内容なので、ホラー映画というよりはストーリーの展開を楽しむ映画になっています。特に時系列をよく理解することが大切ですね。母親のローズが亡くなるまえに、長男のジャックに法的に大人になる21歳になるまで、この家のことを頼みます。と遺言します。それが、マロンボーン家の掟、(1)成人になるまでは屋敷を離れてはならない (2)鏡を覗いてはならない (3)屋根裏部屋に近づいてはならない (4)血で汚された箱に触れてはならない (5)“何か”に見つかったら砦に避難しなくてはならない の5つ。 

全ては「大人になるまで、屋敷を離れない事」という、母親の遺言でもある第1の掟を守る為に作られた約束事です。中には「鏡を覗かない事」「屋根裏部屋に近づかない事」など、不可解な掟も存在します。しかし、これら全てには意味があり、兄弟たちが屋敷内で安全に暮らすには不可欠なのです。家族は、長男のジャックに長女のジェーン、それに弟のビリーと末っ子のサム。そして、友達になったアリーという少女です。

母親の死後6か月に黒服の男が銃を屋敷に向かって発砲します。恐怖におびえる子供たち、長男のジャックは天井の上や、屋根裏部屋、鏡の中の存在を異常に気にするようになる。この家の弁護士であるポーターが、ジャックたちと友達になった美少女アリーに恋愛感情を抱くのですが、アリーがジャックと恋愛関係になっていくのです。

ポーターが家の手数料の200ドルを請求するのですが、この家にはお金はありません。仕方なく、死んだ父親が遺したあの秘密の古い缶を思い出し、それが海の近くの洞窟の中にあることを想いだし、見つけに行く。古い缶の中にはイギリスの紙幣であるポンドの札束が入ってました。

そのお金を娘のジェーンが綺麗に洗ってアイロンをかけ、兄のジャックはそのお金をポーターに渡すのですが、小切手でくれと言うのですね。そして、母親のサインがいるとのこと。困ったジャックは、ポーターには、母親が病気で部屋で寝ていると嘘をついていたので、困ったジャックは、妹のジェーンに母親のサインを真似るように練習をさせます。

何度も練習をして、母親のローズと言う字に真似て書き、渡すのですが、それが後で、偽物のサインだということが見破られるのです。それでも、ジャックはこれでこの家に安心して住んでいられると大喜びです。その夜は兄弟、妹でパーティを楽しむのです。でも、末っ子のサムが何だか幽霊がいるといい、その存在を感じるのです。

次男のビリーは、父親のお金を使ったから幽霊が出たのだといい、ジャックはその古い缶を屋根裏へ置いてこいとビリーに命令をし、ビリーは怖がりながらも屋根に上り、煙突から屋根裏部屋にその古い缶を落とすのですね。

そのころ、ジャックはアリーと恋仲になり、海岸でデートを楽しみキスをしてお互いの愛を確認するのですが、家へ帰ってみると、下の弟2人と妹たちが、ジャックばかり遊んでと怒り、しまいには兄弟げんかになってしまう。

末っ子のサムは、亡くなった母親の部屋に入り、そこで昔の新聞記事を見て、そこに父親の写真を見て、お化けだといい気を失うわけ。ジャックはそのことを知っており、父親の弔いをしていないので、化けで出てきたのかもと言う。幽霊の正体は、そのせいかもなんて思ってしまう。

それに、弁護士のポーターは、アリーを旅行に誘うのですが、アリーはジャックの事が好きなので、断ります。すると、ポーターは、古い新聞記事に載っていたジャックの父親のことを知り、父親が逃走中だと判り、家の事もまだ母親に会ってないので、何か隠し事をしているのかと疑い始める。

ジェーンが、屋根裏部屋の隙間に動物がいることを知り、それがアライグマだということがわかり安心します。ですが、次にジャックがそのアライグマが隙間から顔を覗かせたと言うのを信じて、自分ものぞくとそこには、人間の手があり、アライグマを捕らえて消えたのです。

弁護士のポーターは、契約書のサインが母親のサインではないことを見抜いて、きっと娘のジェーンによる偽造だと知ってしまう。だが、ポーターは自分が出世をするために、別の弁護士事務所に行くのには、投資金が必要だということで、新聞記事で読んだジャックたちの父親が10,000ポンドの大金を盗んだと言うことがわかる。

そうして投資金の金策に、ポーターはジャックに偽造したサインのことを非難して、その代わりに、1万ポンドの口止め料を支払えと迫るのです。

困ったジャックは、弟のビリーに屋根裏へいって、またあの古い缶を持ってこいと命令するのですが、ビリーは怖くて屋根裏部屋には行きたくないと断るのですが、仕方なく屋根裏部屋へ降りて行くと、死んだと思っていた父親が、やせ細った幽霊のような男が潜んでいて、傍には、アライグマの死骸や鳩などの死骸が散乱していて、どうやら、父親は屋根裏部屋で、動物を食べて生きていたのですね。

ビリーは、その父親と思われる幽霊男に乱暴されて、血だらけになって戻ってくるわけ。長男のジャックは、そのことを知り失神してしまう。

ここからが重要なシーンで、実は母親が亡くなった後に、家に男が銃を持って現れて、家族のみんなを恐怖に陥れます。それからが、実はこういうことだったのね、という結末が想像されます。

だって、家族は、どうやって食べていままで暮らしてきたのか?・・・ジャックにしろ、ビリーとジェーンにして、學校へも行かないで、お金は誰が働いているのか、今までに、食事の風景が映っていなかったし、これって、生きているのは、長男のジャックだけってことなのでは、と思ってしまう。

つまりは、その後に、父親が家の中に入って来て、兄弟妹の3人を殺してしまう。本当は、父親はとんでもない悪党で、子供たちよりも、盗んだ金が欲しくて帰って来たらしい。家族全員を射殺して、金を持ってここで一人で暮らすことを考えたのでしょう。

長男のジャックが失神したのは、そのことを全部思い出して、ポーターは、屋根裏部屋から出てきた父親に殺されてしまい、アリーも父親に見つかり殺されそうになるも、ジャックが勇気を奮い、父親に銃を向けて殺してしまう。結局は、今までアリーの前では、ジャックはビリーやジェーンにサムと3人の兄弟たちと想像の世界でお話をして暮らしてきたのですね。

精神科医の医師が、ジャックの精神病のことを想って、いままでの記憶を忘れてしまう薬をアリーに渡します。これで、ジャックは嫌な思い出を忘れて暮らせると。でも、アリーの優しさが、ジャックがいつまでも兄弟と幻覚の中で暮らすことを選び、薬を飲ませることはしませんでした。

すみませんね、ネタバレですが、何だかこれでは、あまりにも残酷過ぎて、ジャックの思い出の中でこの後も死ぬまで生きていくことになるというのも、悪くないなぁって思いました。

これまでのお話の展開では、少なくとも『永遠のこどもたち』が好きな人は、この映画も大好きな作品となるでしょう。

 

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