1992年の名作ディズニー・アニメを実写化したファンタジー・アドベンチャー大作。砂漠の王国を舞台に、貧しくも清らかな心を持つ青年と自由に憧れる王女の身分違いの恋の行方を、アニメ版でアカデミー賞歌曲賞に輝いた『ホール・ニュー・ワールド』をはじめとする名曲の数々とともに描き出す。出演は主人公アラジン役にメナ・マスード、王女ジャスミンにナオミ・スコット、そして“ランプの魔人”ジーニーにウィル・スミス。監督は「シャーロック・ホームズ」「コードネーム U.N.C.L.E.」のガイ・リッチー。
あらすじ:砂漠の王国アグラバーで相棒の猿アブーと自由気ままな毎日を送る青年アラジン。生活は貧しかったが、その心は“ダイヤモンドの原石”のように清らかだった。そんなアラジンはある日、市場で泥棒の疑いを掛けられていた若い女性を助ける。実は彼女は王宮をこっそり抜け出した王女ジャスミンだった。互いに惹かれ合う2人だったが、王位を狙う国務大臣ジャファーの魔の手がアラジンに迫る。やがてアラジンはジャファーから“魔法の洞窟”からランプを持ち出すよう命じられる。それは、手に入れた者に強大な力を与えてくれるという魔法のランプだったのだが…。
<感想>その願いは、心をつなぐ。そして――世界は輝きはじめる。1992年制作の27年前のディズニー・アニメーションを、キレのあるダイナミックな映像表現で知られる技巧派ガイ・リッチー監督が、冒頭から怒涛の勢いで繰り広げられるミュージカルシーンの数々、そしてアクションもロマンスもフルスロットルで魅せる実写版が最高です。
アラジン役には新星メナ・マスタードが活躍、ヒロインの王女ジャスミン役に抜てきされたのは、アクション大作「パワーレンジャー」(17)でキンバリー/ピンク・レンジャー役を演じた、シンガーソングライターでもあるナオミ・スコット。今度リプートされる「チャーリーズ・エンジェル」では、エンジェルの一人を演じるから今後の注目株ですよね。
アグラバー国の国務大臣ジャファーには、「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」で注目度上昇中のオランダ人俳優マーワン・ケンザリが演じていて、人の心を操ることが出来る杖を持ち、いつかは自らが国王となり、他国に攻め入ろうと企んでいる。
そして千年もの間、魔法のランプに閉じ込められていた魔人のジーニーには、ウィル・スミスが演じて、まさにハマリ役と言った演技で、主人公のアラジンよりも、見どころはやはりウィル・スミスの、ジーニーが繰り出す魔法の数々と歌に踊りであります。
アラジンとジーニーの初対面シーンで披露されるご機嫌なミュージカルナンバーに、グラミー賞受賞ラッパーでもあるスミスの個性をリミックスさせ、ヒップホップ調のアレンジが効いたアッパーな神曲として生まれ変わっていた。
始めはウィル・スミス自身が演じていると思っていたのに、全身が青い状態のジーニーはすべてCGであり、本当に驚きました。ウィル・スミスは、そのおかげで自由に、臨機応変にアドリブを試すこともできたと言っている。
もちろん、人間の姿に変身したジーニーはウィル・スミス本人が演じ、主人公アラジンとの胸が高鳴るアドベンチャー、思わず体が動き出すミュージカルシーンを披露。俳優だと思っている人たちには、ラッパーとしてデビューした経歴をもち、歌に演技に大活躍。まさにキャリア30年の集大成といえる役どころ。
アラジンが悪徳の国務大臣のジャファーから、砂のライオンの口の形をした“魔法の洞窟”からランプを持ち出すよう命じられる。そこでランプを見つけ、魔法の絨毯も見つける。
一緒にお供をする猿のアブーは、アラジンよりも手が速いスリの名人で、あっという間にランプを手にして、崩れ始める“魔法の洞窟”から魔法の絨毯で逃げ出すシーンもスリル満点でした。
それに冒頭では、お城を抜け出して街で、万引きと間違われる王女ジャスミンを助け出す出会いも、アラジンが迫りくる追手をかわす場面では、パラクールによる高速アクションの数々、もうスリル満点ですから。
彼女にもう一度会いたいと、お城へ行くのに、魔法のランプをコスリ付けて、魔人のジーニーが出て来るところとか、ジーニーにお城へ行く為に、王子様に変身させてもらうところ。それが、ここでもう2つの願いを使ってしまうというのだ。
しかし、王女のジャスミンと結婚するには、王子様でなければ結婚は出来ないという国の法律。そのことも、王女ジャスミンが父王に、自分が王様になりたいと願う、アニメ版とは違い自分で王国を治めたいと考える、とても現代的なプリンセス像なんですね。
魔法の絨毯で空を飛び回りながら、アラジンとジャスミン王女が「ホール・ニュー・ワールド」をデュエットする、ロマンチックなシーン。実写映画ならではのダイナミックな映像美。
魔人ジーニーが初登場する場面で歌い踊る「フレンド・ライク・ミー」から、アリ王子に変身したアラジンと、そのお付きの人たちによる盛大なるパレードなどは、目を見張るほどの美しさと煌びやかさでした。これはアニメ版とはまた違って良かったです。
それに、魔人ジーニーが恋をする王女ジャスミンの侍女ダリアに扮した、ナシム・ペドラドもジャスミン王女のよき理解者であり、自分も魔人ジーニーに恋をしていて、冒頭での人間になったジーニーと一緒に子供2人を連れて、船旅をするシーンがあります。
アラジンが国務大臣ジャファーに命じられて、新人ながら魔法のランプが眠る洞窟でのアクションや、怪物とのスピーディなチェイス、城へアリ王子に変身したのがバレてしまい、北極のようなところへ飛ばされて、氷山でのスペクタクルなど、目も耳も、スクリーンに釘付け状態。
その他にも、CGによる猿のアブーやオウムのイアーゴに、王女の愛犬じゃなくトラのラジャーといった動物のキャラクターも表情豊かなCGで動かしているのだ。
「アラジン」のアニメ版で声の出演をした、故ロビン・ウィリアムズのイメージがあるけれど、ウィル・スミスの魔人ジーニーが人間の姿になった場面でも、エモーショナルな演技で見せてくれて見事であり、歌やダンスなどでの身のこなしはさすがエンターテイナーだと感心しました。それにしても、ディズニーはアニメの実写版が多いですよね。もうすぐ「ライオン・キング」に、これからもたくさんの実写版が公開されるので楽しみです。
2019年劇場鑑賞作品・・・85 アクション・アドベンチャーランキング
「映画に夢中」
トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ
トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30640047