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翔んで埼玉★★★★

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『パタリロ!』の作者・魔夜峰央による埼玉県が徹底的に蔑まされ虐げられた架空の世界を舞台にした伝説のギャグ漫画を、「テルマエ・ロマエ」の武内英樹監督が主演の二階堂ふみとGACKTをはじめ豪華キャストを迎えて実写映画化したエンタテインメント・パロディ・コメディ。共演は伊勢谷友介、ブラザートム、麻生久美子、島崎遥香、京本政樹。

あらすじ:埼玉県民は東京都民からひどい差別を受けており、東京へ入るのにも通行手形が必要で、手形がなければ即強制送還という屈辱の日々を送っていた。東京の超名門校・白鵬堂学院でも、都知事の息子で生徒会長の壇ノ浦百美によって埼玉県人は容赦ない迫害にあっていた。そんなある日、アメリカからの帰国子女・麻実麗が転校してくる。容姿端麗で洗練された立ち居振る舞いの彼だったが、実は隠れ埼玉県人で、埼玉解放戦線のメンバーだった。しかし、そんな麗にいつしか心惹かれてしまった百美は、正体がバレて追われる身となった麗と行動を共にしていくのだったが…。

<感想>空前絶後のディスり合戦開幕!過激なセリフが飛び交う、埼玉叩きが魅力のギャグマンガ「翔んで埼玉」が、発表から30年余年を経てついに実写映画化した。都会と地方の間で引き裂かれる埼玉版「ロミオとジュリエット」に、映画オリジナルで愛と革命のエピソードがたっぷりと加わったギャグアクション大作となっていた。

原作は未読ですが麗しき高校生二人に、二階堂ふみに男役をさせ、40代にもなるGACKTさまには高校生役といっても宝塚ふうの美しさ。

そして伝説の埼玉県人には京本政樹、謎めいた執事役の伊勢谷友介と、その他にも豪華なメインキャストも話題になっている。

埼玉県は現代でもたいへんな田舎で、県知事は県民から年貢を取り立て、東京へ行くには通行手形が必要なのだ。運よく手形が手に入っても都内で勝手な行動は許されず、高級百貨店に行こうものなら「埼玉狩り」に遭う、という破天荒な設定なのであります。

東京都知事の息子壇ノ浦百美が、學校の外にある埼玉県民の家の人間が病気になって病院へ行きたいと言うのを、「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わせて置け」「埼玉なんて言っているだけで口が埼玉になる」などと、過激な埼玉ディすりが売りの物語。

原作者・魔夜峰央は所沢に住んでいたわけで、所沢は埼玉県ですが、西武線沿線には、漫画家が多く住んでいて、作者と編集長とが近くに住んでいたそうです。原稿回収が楽だというのが理由で、何もないネギ畑のド真ん中に4年も在住していた。見張られている感じで、早くそこから逃げ出したかったそうで、そんな鬱憤が基になって、地元埼玉をおちょくるギャグマンガが出来上がった。

冒頭にバレエシーンがあり、作者の魔夜峰央が登場していた。

埼玉県民をディするギャグが展開していき、間に“現代”のブラザートム家族(娘の結納に行く途中)が、車のカーラジオから聞こえる埼玉ディスリの面白話を、家族が埼玉県人なので娘は東京都民と結婚させたい。その話を埼玉県人を小ばかにしたパートを包み込むようにする、二重構造のドラマ仕立てにすることでいい味を出していた。

隠れ埼玉県人をあぶり出すために、草加せんべいを使って江戸時代の“踏み絵”をさせるナンセンスなギャグの数々に、思わず笑いが吹き出してしまう。とにかく埼玉、千葉、群馬、茨城をディスりまくる姿に大笑いしました。

二階堂ふみとGACKTさまのキスシーン、それに驚いたのが伊勢谷友介とGACKTさまのキスシーンにはびっくり。

もう始めから自虐的なギャグの連鎖で話が転がってゆく感じでしたが、中盤から百美と麻美の脱出劇に地方対地方、地方対東京という対立の構図が加わっていき、それが物語の原動力になっていました。

埼玉と千葉の抗争シーンでは、河川敷を利用して、地元で有名な俳優さんとか、知名度がある人物の顔が描いている旗を揚げては、対決するという。本作の根底にあるものは、今の日本人の心の中にも潜む地方出身者に対しての差別意識。いつでもどこでも、優越感や劣等感や差別意識は生まれて来るものですから。それに、東京都知事が埼玉県人から年貢に通行手形の金を取り立てていたのを、群馬の山奥に金塊としてプールしていたことを知る、東京都知事の息子壇ノ浦百美。自分でその金塊のある場所へと旅に出る。見つかるんですよ、それが。ギャグコントは、お腹を抱えて笑えるし、みんな演技が巧いので、後は劇場でご覧ください。

そういったものが根底に入っているから、ギャグ映画ですけどものすごく“人間的な映画”だという気がしました。だからなのか、この映画はどの地方の方が観ても、我がことのように共感して観られるのではないかと思いますね。

2019年劇場鑑賞作品・・・29  アクション・アドベンチャーランキング

 

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