犯罪コメディー『泥棒貴族』を、オスカー俳優コリン・ファースとラブコメの女王ことキャメロン・ディアス共演でリメイク。モネの名画の贋作(がんさく)詐欺をもくろむ男と天然カウガールの相棒、そしてターゲットの億万長者が珍騒動を巻き起こす。脚本は数々のヒット作を世に送り出したジョエル、イーサン・コーエン兄弟。監督は『終着駅トルストイ最後の旅』のマイケル・ホフマン。さらに『ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ先生でおなじみアラン・リックマン、『ラブリーボーン』などのスタンリー・トゥッチが脇を固める。
<感想>そのタイトルどおり、印象派の巨匠であるモネの代表的な連作「積みわら」の“贋作”を使った詐欺計画を描いたコメディである。詐欺を仕掛けるのは、カタブツのサエない美術鑑定士ハリーと、天然カウガールのPJ。ハリーの相棒である親友の贋作者ネルソン少佐に、「カルテット!人生のオペラハウス」でレジー役が素敵だったトム・コートネイが演じて巧い。
ネルソン少佐に描いてもらった偽物のモネの幻の名画で、シャバンダーから15億円を騙し取ってやるはずだったのに、この詐欺計画のため、ハリーは一人の女性を抱き込む。第二次大戦末期、ナチス・コレクションを奪還した連合軍隊長の孫娘、PJ・プズナウスキー。テキサスの彼女の家に“幻の名画2が眠っていっというシナリアなのだ。後は、自分が本物だと鑑定すれば万事OK!
ところが用心深いシャバンダーは、そもそもハリーの話をまるで信用していない。PJの機転のおかげで何とか話は前に進むが、今度は頭のいい彼女にシャバンダーが熱をあげてしまう。日本人とのビジネスの場でも才能を発揮し、PJ本人もすっかり秘書気取り。
さらにシャバンダーは、ハリーを首にして有名鑑定士マーティン、スタンリー・トゥッチを雇い入れる。崖っぷちに立たされたハリーは最後の大逆転を狙って、シャバンダーの豪邸でのパーティにかこつけ、彼のコレクションルームへと忍び込む。てんやわんやのモネ・ゲーム、果たして勝利の女神は誰に微笑むのか?
「ノーカントリー」を手がけたジョエル、イーサン・コーエン兄弟は、ハリーとPJのキャラクターを好対照的に描きつつ、笑いと予想できないスリルを脚本に詰め込んでいる。もちろん、コリン・ファースとキャメロン・ディアスの相性もバッチリで、全てが真逆のキャラクターを演じる2人のミスマッチが楽しいですよね。
シャバンダーの勧めで超高級ホテルに泊まることになったPJに豪遊され、ハリーは全財産を使い果たしてしまう。彼は悔しさのあまり、ホテルの調度品である「明の時代の壺」を盗もうとするも、予期せぬピンチが彼を襲います。
そのシーンで、コリンはロンドンの高級ホテル、サボイでパンツ姿でうろうろ動き回る姿など、その間ホテルは通常営業されていて、その結果、コリンのパンツ姿を利用客が目にするという驚きのシーンも見られます。
それと、サーム・ワシントンが演じた「崖っぷちの男」のように、ホテルの窓の外へ出てのハラハラ演技もあります。
さらには、2人の詐欺計画のターゲットとなる億万長者のシャバンダーを演じるアラン・リックマン、の好演も見逃せませんよ。無礼で貪欲で、嫌味な男を絵に描いたような人物でありながら、目が離せなくなってしまう不思議な魅力を持った男をクールに演じている。その上、まさかのヌード姿も劇中で披露。
計画が上手くいかず焦るハリーが、贋作の鑑定場所シャバンダーの別荘へ行き絵を取り返そうとするが、セキリティが発動し、まさかのライオンが登場するとは、このピンチどうするの?・・・運よくPJに救われる。この時、シャバンダーが持っている本物の「積みわら」を失敬して、贋作と取り換えるすばやさに感心。もちろん、その本物は日本人に1000万ポンドで売りつけるとは。
ヴァーチャル絵画館より参照
それと、相棒の贋作者ネルソン少佐の描いた「積みわら」の絵の中にエリザベスの肖像が描かれているのには、さすがにお見事でした。ラストで、協力者のPJには、自分が大事にしていた印象派の画家“シスレー”の絵を上げましたよ。
スクリーンの隅々に仕掛けられた笑いのワナが心地よく、スタイリッシュなのにドタバタも楽しめる本作。豪華すぎるキャストに、コーエン兄弟の秀逸な脚本が加わって、未だかってないコメディ作品なのに、すべてに於いて贅沢さを感じさせているのも良かった。
2013年劇場鑑賞作品220 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
<感想>そのタイトルどおり、印象派の巨匠であるモネの代表的な連作「積みわら」の“贋作”を使った詐欺計画を描いたコメディである。詐欺を仕掛けるのは、カタブツのサエない美術鑑定士ハリーと、天然カウガールのPJ。ハリーの相棒である親友の贋作者ネルソン少佐に、「カルテット!人生のオペラハウス」でレジー役が素敵だったトム・コートネイが演じて巧い。
ネルソン少佐に描いてもらった偽物のモネの幻の名画で、シャバンダーから15億円を騙し取ってやるはずだったのに、この詐欺計画のため、ハリーは一人の女性を抱き込む。第二次大戦末期、ナチス・コレクションを奪還した連合軍隊長の孫娘、PJ・プズナウスキー。テキサスの彼女の家に“幻の名画2が眠っていっというシナリアなのだ。後は、自分が本物だと鑑定すれば万事OK!
ところが用心深いシャバンダーは、そもそもハリーの話をまるで信用していない。PJの機転のおかげで何とか話は前に進むが、今度は頭のいい彼女にシャバンダーが熱をあげてしまう。日本人とのビジネスの場でも才能を発揮し、PJ本人もすっかり秘書気取り。
さらにシャバンダーは、ハリーを首にして有名鑑定士マーティン、スタンリー・トゥッチを雇い入れる。崖っぷちに立たされたハリーは最後の大逆転を狙って、シャバンダーの豪邸でのパーティにかこつけ、彼のコレクションルームへと忍び込む。てんやわんやのモネ・ゲーム、果たして勝利の女神は誰に微笑むのか?
「ノーカントリー」を手がけたジョエル、イーサン・コーエン兄弟は、ハリーとPJのキャラクターを好対照的に描きつつ、笑いと予想できないスリルを脚本に詰め込んでいる。もちろん、コリン・ファースとキャメロン・ディアスの相性もバッチリで、全てが真逆のキャラクターを演じる2人のミスマッチが楽しいですよね。
シャバンダーの勧めで超高級ホテルに泊まることになったPJに豪遊され、ハリーは全財産を使い果たしてしまう。彼は悔しさのあまり、ホテルの調度品である「明の時代の壺」を盗もうとするも、予期せぬピンチが彼を襲います。
そのシーンで、コリンはロンドンの高級ホテル、サボイでパンツ姿でうろうろ動き回る姿など、その間ホテルは通常営業されていて、その結果、コリンのパンツ姿を利用客が目にするという驚きのシーンも見られます。
それと、サーム・ワシントンが演じた「崖っぷちの男」のように、ホテルの窓の外へ出てのハラハラ演技もあります。
さらには、2人の詐欺計画のターゲットとなる億万長者のシャバンダーを演じるアラン・リックマン、の好演も見逃せませんよ。無礼で貪欲で、嫌味な男を絵に描いたような人物でありながら、目が離せなくなってしまう不思議な魅力を持った男をクールに演じている。その上、まさかのヌード姿も劇中で披露。
計画が上手くいかず焦るハリーが、贋作の鑑定場所シャバンダーの別荘へ行き絵を取り返そうとするが、セキリティが発動し、まさかのライオンが登場するとは、このピンチどうするの?・・・運よくPJに救われる。この時、シャバンダーが持っている本物の「積みわら」を失敬して、贋作と取り換えるすばやさに感心。もちろん、その本物は日本人に1000万ポンドで売りつけるとは。
ヴァーチャル絵画館より参照
それと、相棒の贋作者ネルソン少佐の描いた「積みわら」の絵の中にエリザベスの肖像が描かれているのには、さすがにお見事でした。ラストで、協力者のPJには、自分が大事にしていた印象派の画家“シスレー”の絵を上げましたよ。
スクリーンの隅々に仕掛けられた笑いのワナが心地よく、スタイリッシュなのにドタバタも楽しめる本作。豪華すぎるキャストに、コーエン兄弟の秀逸な脚本が加わって、未だかってないコメディ作品なのに、すべてに於いて贅沢さを感じさせているのも良かった。
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