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パッドマン/5億人の女性を救った男★★★★

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清潔で安価な生理用ナプキンが手に入らず苦しんでいたインドの女性たちを救うため、自ら低コストの商用パッド(ナプキン)の開発に奔走した実在のインド人男性の苦難の道のりを映画化した感動の伝記ドラマ。主演は「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」のアクシャイ・クマール、共演にソーナム・カプール、ラーディカー・アープテー。監督はR・バールキ。

あらすじ:インドの小さな村で新婚生活を送るラクシュミは、妻が高価な生理用ナプキンを買えずに苦労していることを知り、自ら清潔で安価なナプキン作りに乗り出す。しかし、男性が生理について語ること自体がはばかられるインドで、ナプキンの研究に勤しむラクシュミは、村人から奇異な目で見られ、ついには村を追い出されてしまう。それでも情熱を失わず、ナプキン作りに邁進するラクシュミだったが…。

<感想>インドで“生理用品”の開発と普及に人生をささげた男性を描く、驚きの実話です。「生理用品」と聞くと気後れしてしまう方もいるだろうが、この心温まる女性に対しての物語をご覧ください。 

ラクシュミは北インドの貧村で暮らす、気のいい愛妻家。彼はある日、妻ガヤトリが生理のときに汚いボロ布で手当てしているのを知り、心を痛める。不衛生は万病の元。市販の生理用ナプキンを「高価すぎる」と妻に拒否されたラクシュミは、安価なナプキンを自作しようと思いつく。この当時、インド女性のナプキン使用率はたったの12%。生理中の女性は室外の檻に隔離されて過ごすというのが、つい最近、2001年の話だなんて!

ここからが闘いだ。敵は無理解と古い因習、価値観。生理=穢れと定める人々の意識は手強く、愚直なラクシュミは妻を守りたい一心で暴走する。試作品を自らの股にあてがい動物の血が漏れないか実験した挙げ句、白いズボンを真っ赤に染めて聖なる川に飛び込むのだから、ヘンタイ視されてもしかたないか。つらいのは、誰あろう妻が研究を非難し、恥だと泣いて実家へ帰ってしまうこと。それでもラクシュミは諦めない!

「愛する妻を救いたいために。」その想いは、やがて全女性たちの救済に繋がっていく。「なぜ、生理用品を研究しようと思ったのか?」「なぜ映画化しようと思ったのか?」……中身を知るまでは、「女性に対しての認知度、男尊女卑の国、遅れている国」なのか?、と思ってしまっていた。だがそれは、大いなる誤りでしたね。 これは、夫から妻へ、そしてあらゆる女性に向けた“愛と勇気のメッセージ”なのでした。

日本でも、意外に遅く、戦後10年経ってからやっと生理用品が発売されたようです。それに、女性の生理という大切な身体のことを、男性は古い因習や、こだわりと価値観。生理=穢れという、子孫を残すために女性の身体には、大人の女性になると必ず来るものだと言うことを。しかし、今でもあまり男性は、女性の生理のことを良く知ろうとはしない。つまり、生理になっている女性を汚れた身体みたいに扱うからだ。

インドの町工場に務めるラクシュミ(アクシャイ・クマール)は、妻が生理中にぼろ布を使っていると知り、衝撃を受ける。というのも、当時のナプキンの値段は外食の2倍以上の超高級品! そこで彼は、ナプキンの構造を独自に研究! 教育を受けていない“逆境”を、努力と明るさで乗り切っていく。

なぜラクシュミは、あらゆる情熱を生理用品に傾けられたのか? それは、ひとえに妻への愛。どんな苦境に陥ってもくじけず、妻の健康と笑顔のために研究を続けたラクシュミの努力は、妻への愛の結晶といえる!

ですが、ラクシュミを待っていたのは、いわれのない偏見や容赦ない差別。というのも、インドの村々では生理は口に出してはならない“禁忌”で、生理中の妻は隔離されるのが常識だったから。ましてや男性が生理用品を研究するなど、言語道断だったのだ! 研究に没頭する彼だったが、村を追われる事態になってしまう。それに、家族たちも偏見の目で見るようになり、よそに女がいるのではないかと疑うのだ。

しかしここからが、本作の真骨頂。資金も支援者も、学歴もないラクシュミは、どうやって状況を打破していくのか。妹たちや医科大に通う女子学生、はては成人したばかりの近所の女子にまで協力を仰ぐなど、仕事もおろそかにナプキン作りに没頭。

それが、インドではダメならアフリカではどうか、世界へ売って、インドの女性に知ってもらおうと考えたこと。だから、何年物歳月がかかり、その間、奥さんは実家へ帰り、離婚話まで持ち上がっていた。

さらに思わぬ奇跡の出会いが、実に爽快な“大逆転”を導き出すのですね。有名な歌手の女子大生パリーにたのみ、生理のパッドの試作品を使ってもらうのだ。始めは、男性が何故こんなに女性のために苦労しているのかが理解できなかったにちがいありません。でも、彼の優しさと熱心さが、男が女性の物を、なんて嫌らしい気持ちからではないことを。

つまり金儲けじゃなくて、愛する妻のために、つまりインドの女性のために、生理パットを作ろうと始めたことだった。生理用品の名前にパリ―と名付けるのも良かったですよね。それに、生理用品の制作や販売も女性にしてもらい、その売上を賃金として彼女たちに支払うこと。インドでは、女性は結婚して外へ働いて金を稼ぐなどということは絶対に禁じられていたからです。

中盤、物語の転機となる工科大学のアイデア・コンテストで優勝して大金をもらう。その金もパットを制作する機械に継ぎこんで全部使い果たしてしまう。

クライマックスはラクシュミが、ニューヨーク国連で英語のスピーチをするところだ。独学で英語を覚えてのカタコト英語でのスピーチでも、観衆の心を掴んで離さないからだ。

でも、パリ―が次第にラクシュミを好きになっていくのが分かります。こんなにも夢中になって女性のために働く男に惹かれるのも無理はありませんね。しかし、彼は妻一筋の男でした。そのことを知るとパリ―も諦めるが付くのですね。

ラクシュミが、村八分の様に追い出されたインドの村へ、名誉の帰村を遂げた際の村人の大歓迎ぶりには驚きでした。母親も姉妹も喜んで兄を迎えて歓迎する下りも、お涙頂戴にならずよかった。とにもかくにも、ラクシュミの念願の想いが叶って、妻にも喜んでもらい仕事でも成功したことで、なによりも報われたことは喜ばしいですね。

 

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