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チャーチル ノルマンディーの決断★★★

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「ボーン・アイデンティティー」「ジェーン・ドウの解剖」のブライアン・コックスが、ノルマンディー上陸作戦に最後まで抵抗した英国首相ウィンストン・チャーチルの苦悩を演じた歴史ドラマ。共演はミランダ・リチャードソン、ジョン・スラッテリー、エラ・パーネル。監督は「レイルウェイ 運命の旅路」のジョナサン・テプリツキー。

あらすじ:第二次世界大戦下の1944年6月。連合軍は米国のアイゼンハワー将軍と英国のモントゴメリー将軍によって計画された“ノルマンディー上陸作戦”の決行に向けて着々と準備を進めていた。そんな中、英国首相ウィンストン・チャーチルだけは、これに最後まで反対する。彼がそこまで強硬に抵抗した背景には、第一次世界大戦で自らの作戦の失敗によって多くの若い命が奪われてしまったことへの強い後悔があった。しかし彼の意見は顧みられることなく、次第に苛立ちを募らせていくチャーチルだったが…。

<感想>前の「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」の4年後の物語であり、多数の熱狂的賛同を得て勇ましい方向へと舵を切ったゲーリー・オールドマンとは、何もかもが正反対なチャーチル像である。

 

辻一弘の特殊メイクによるゲイリー・オールドマンも見事だったが、ブライアン・コックスの舞台仕込み演技は、迫力がありすぎなくらいで、老人の息づかいや佇まいで、チャーチルの孤立感をよく演じていた。それにしても、精神的に崩壊し、厄介者扱いされるチャーチルの哀れさが、観ていていっそう辛いのだ。

「ウィンストン・チャーチル~」は、ダイナモ作戦を主軸に置いたのに対して、こちらはノルマンディー上陸作戦の裏側が、学べるようになっている。こちらも、演説をクライマックスへと持っていく展開になっているので、既視感が炸裂するのだ。

 

1944年6月、チャーチルは連合国軍が決行を迫るノルマンディー上陸作戦に反対していた。英国王ジョージ六世が同席する前で、その意志を連合国軍最高司令官である、アイゼンハワーに伝えるが、即座に却下された。

四面楚歌になったチャーチルは、孤立を深めてゆくのだが、彼の強い姿勢の裏には、かつて第一次世界大戦時に自ら決断した“ガリポリの戦い”で、50万人もの若い兵士が死傷したという過去の悔いに基づく徹底した人道主義があったからなのだ。

追い詰められるチャーチルの、様子をみかねた妻のクレメンティーンは、彼の真のリーダーとして国民の前に立たせるため、愛のある厳しい行動をとり、チャーチルの心を揺さぶるのだった。

そして、ついに作戦決行の時がやって来る。夫人と秘書も、前作とは一味違っていた。脚本のチュンゼルマンが、歴史の細部をよく書き込んでいるので、ノルマンディ上陸作戦に関しては、チャーチルとアイゼンハワーが対立したという物語も、すんなりと観ていられるのだった。だからこそ、ノルマンディー上陸作戦後の演説は、観るものの心に沁みるのですね。

それは、あれほどの精神的危機に対して、彼が個人的勝利を収めた瞬間であるからだと思う。夫人や女性秘書が物語の上で、決定的な役割を果たすのも、スコットランドの風景とともにとても良かった。

2018年劇場鑑賞作品・・・216  アクション・アドベンチャーランキング

 

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