Quantcast
Channel: パピとママ映画のblog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!★★★

$
0
0

「転々」「インスタント沼」の三木聡監督が阿部サダヲと吉岡里帆を主演に迎えて贈る痛快ロック・コメディ。共演は千葉雄大、麻生久美子、田中哲司。さらに岩松了、ふせえり、松尾スズキら三木組の常連が脇を固める。

あらすじ:驚異の声量と美声を持つカリスマ・ロックスターのシン。しかしその歌声は“声帯ドーピング”によって作られたものだった。長年の声帯ドーピングでシンの喉は崩壊寸前。そんなある日、シンは声が小さすぎるストリートミュージシャンのふうかと出会う。シンの罵倒にすっかり自信を失うふうか。そんな彼女に対し、シンは“やらない理由を探すな”と容赦なくロック魂を注入していく。一方、シンの所属事務所やレコード会社では、彼の声を巡ってある恐るべき陰謀が秘かに進行していたのだったが…。

<感想>「俺俺」(13)以来となる5年ぶりの新作タイトルが長い。その上、かつてないほどこれでもかの、どストレート。この長編には三木聡の魂の叫びが詰まっていた。一風変わったタイトルはお馴染みのこと。

美声を保つカリスマ・ロックスターのしんこと、阿部サダヲ。悪魔メイクに白塗りで“絶叫する堕天使”の異名の歌声は実は、禁断の手段「声帯ドーピング」で作られたものであった。

方や、何事にも自信が持てず、声が小さすぎる無名の女、ストリートミュージシャンのふうかこと、吉岡里帆の出会いが巻き起こす予測不能のナンセンス・ストーリーを、HYDEやいしわたり淳治、それにあいみょんが曲を提供している。そして、KenKenから八十八ヶ所巡礼までミュージシャン多数出演のロック・コケディであります。だからって言う時点で、相当期待しました。

まるっきり正反対な二人の偶然の出会いから、映画はいっそうエキセントリックにドライブがかかり、三木的なワンダーランドを駆け巡るのです。長年にわたる「声帯ドーピング」の副作用で、シンの喉が崩壊寸前というタイムリミット感を醸し出しながら。

シンのドーピング疑惑がニュースになり、見世物化し、劇中ではシンの事務所の社長によって、「世間は他人の不幸に金を出すんだよ」と、そんなセリフが吐かれるのだが、まぁ、ロックってそういう見世物的な要素だったり、異形の部分があるのでね。

だから、ドーピングで人工的に制定を強化しているシンも、自分が過剰な見世物であることに自覚的で、じゃあ、そこにどんなキャラクターを組み合わせたら弾けるか考えたら、逆に引っ込み思案で声が極端に小さいヤツだろうって。

その二人が交わった時に、どういう化学反応が起こるのか観て見たかったんですね。シンの事務所の社長には田中哲司、ふうかの親戚のデビルおばさん、ザッパおじさんには、ふせえりと松尾スズキが。

さらにロング白髪に眼帯姿の女医には麻生久美子と、三木組の俳優たちが、面妖なキャラクターで映画をショーアップしているのだ。

その中でも、一見普通な容姿で、ニューカマーの千葉雄大が伏兵となる。最初はヘタレな、マネージャー的な立ち位置なんだけど、裏でいろいろと暗躍していて、その変化が物語のサブプロットになっている。だから突飛な設定を節々で着地させてくれたのは、千葉雄大だとも言えており、千葉くんが映画を下から支えてくれていましたね。

予想規模も小さくなさそうだし、一流アーティストが提供する楽曲の数々とともに、ハイテンションかつ小ネタ満載に描き出します。三木監督がその破天荒な才能を、いかにわかりやすいエンターテインメントに収めるのかにも注目しました。

ですので、観て愕然としました。自分が知っている映像の三木作品の中で一番破天荒な映画になっている。何しろ、ロックスターのしんこと、阿部サダヲが「声帯ドーピング」のせいで破滅に追い込まれつつあるカリスマ・ボーカリストと、歌声が異常に小さいアマチュアのシンガーが出会うことから始まるストーリーなのだが。

「何でそうなるの?」と言いたくなる展開だらけだったり、全体にきっぱりとリアリティ無視かと思っていたら、ある部分では執拗にリアルなディテールにこだわっていたり、松尾スズキ&ふせえりの、おもしろさがリミットを超えていたりして、これって30年前くらい前にラジオで一緒にレギュラーでコントをやっていた二人ですからね。

だから、バランスがめちゃくちゃで、凄くイビツだし、しかしそうであればあるほどに面白くなるのが、三木監督なのもまたどうしようもなく事実なのでありました。

この映画でしか見られないコラボレーションが、阿部と吉岡が全力投球&超・躍動して、こんなにたくさんあるとはね。 予測不能・変幻自在の“三木ワールド”全開で、今回が初の組み合わせにもかかわらず、それぞれの限界点を吹き飛ばすキレッキレの演技を叩きつけてくるんですから。阿部ちゃんが突っ走れば、吉岡も負けじと爆走するし。“笑いの相乗効果”が、いたるところで巻き起こっているので、絶対に映画館で思いっきり楽しんでほしいですよね。

さらに、癒し系イケメンの千葉雄大が、シンのマネージャー役で顔面崩壊するところも。それに、麻生久美子、ふせえり、田中哲司、松尾スズキといったベテラン俳優陣が演じる特濃キャラも合わさって、「わかっているのに笑っちゃう」状態に突入! 

 

実は本作の劇中で二人が歌う楽曲を手掛けたのは、実力と人気を兼ね備えた面々であり、シンがシャウトするハードロックなパワーチューン「人類滅亡の歓び」は、作曲をあのHYDE、作詞をチャットモンチーやSuperflyなど600曲を超える楽曲を手がけてきたいしわたり淳治が担当していた。

一方、ふうかが思いを乗せてソロで歌い上げる爽やかなナンバー「体の芯からまだ燃えているんだ」は、若者を中心に絶大な人気を誇る期待のシンガーソングライター・あいみょんが作り上げていたんですよ。 さらに、シン=阿部と共に熱唱するデュエットバージョンでは、シン&ふうかの“声の化学反応”が炸裂! 「耳にタコができる」ほど聞けって、強烈な印象を残す一曲です。

日本から脱出する二人は韓国へと、そこにはふうかの親戚たちが花火の工場を経営していた。そこで暫く二人はのんびりとしていたが、そこへも日本から追っ手がやってきて、ドタバタ騒ぎになる。ふうかだけを日本へ逃がして、シンは薬をやっていることから警察に捕まり、刑務所の中の病院で声帯の手術をしてもらう。

ラストが素晴らしい、ふうかが大声で歌いヒットを飛ばし有名になり、釜山にある刑務所のシンに、ふうかの声が届けとばかりに、大声で歌うのも良かった。ここまでされちゃったら、笑いを我慢するのは正直無理っていうもの。もう、笑ったし、最後には強引に感動させられたし、何だか観てよかったという感じでした。

2018年劇場鑑賞作品・・・202  アクション・アドベンチャーランキング

 

 「映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30107065

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2328

Trending Articles