ジョン・ベレアーズのベストセラー“ルイスと魔法使い協会”シリーズの第1作『ルイスと不思議の時計』をイーライ・ロス監督で映画化したファミリー・ファンタジー・アドベンチャー。不慮の事故で両親を亡くした少年ルイスが、二流魔法使いの伯父ジョナサンと、その隣人で魔女のツィマーマン夫人と繰り広げる不思議な大冒険を描く。主演はオーウェン・ヴァカーロ、共演にジャック・ブラックとケイト・ブランシェット。
あらすじ:1955年、ミシガン州のニューゼベディ。両親を事故で亡くした10歳の少年ルイスは、会ったことのない伯父のジョナサンに引き取られ、いたる所に時計が置かれた古い屋敷へとやって来る。そこはいかにも怪しげな雰囲気だったが、なんとジョナサンは魔法使いだった。ただし腕は二流。一方、隣人のツィマーマン夫人も魔法使いだったが、こちらは対照的に超一流。2人は互いに悪態をつきながらも、ルイスを温かく迎えてくれた。そんなジョナサンは屋敷の中で夜な夜な何かを捜し続けていた。それは、世界を滅ぼす力を秘めた魔法の時計だった。ルイスは世界の危機を救うため、ジョナサン、ツィマーマン夫人と力を合わせて時計の謎に挑むのだったが…。
<感想>本国では1973年に出版され、ハリーポッターの原点ともいわれるジョン・ベレアーズの児童小説「ルイスと魔法使い協会」シリーズの1作目「壁の中の時計」を、スティーヴン・スピルバーグのアンフリン・エンターテイメント制作で映画化した冒険ファンタジー。原作者の死後も別作家の執筆によって計12作が出版された長寿作品であり、映画も続編の可能性がありますよね。
両親を車の事故で亡くした10歳の少年ルイスには、オーウェン・ヴァカーロが。伯父さんに引き取られるも、言葉が大好きで、辞書を愛用。スポーツは苦手、転校先ではちょっと浮いた存在でもある。
お調子者のポンコツ魔法使いジョナサンには、ジャック・ブラック。ルイス少年の母親の兄で、その素顔は魔法使いだが、腕はポンコツ。屋敷のどこかに隠された魔法の時計を探している。かなりのお調子者であります。
本作では完全に“憎めない人懐っこいオッサン”そのままであり、名優ジャック・ブラックにしかできないキャラクターを全開にしていましたね。
リビングにある、魔法で動き出すたくさんの人形相手に「気持ち悪い」と言っていた彼ですが、まさか「顔だけそのままサイズのジョナサン・ベイビー(身体が赤ちゃん)」という一番の醜態を現すとは、それが一番の見せ場ですかね。可愛いけど、正直いって2018年に見た映画で、一番キモかったかもしれませんね。
そして、魔法使いのエリート魔女であるツィマーマンに、ケイト・ブランシェットが扮していて、ジョナサンの隣の家に住んでいる。パリ生まれのエリート魔女で、戦争中に夫と娘を失くして以来、魔法は封印していたが、とにかく口が悪くていつも伯父さんを喧嘩をしている。
それに、ジョナサンの親友でもある魔法使いだったが、黒魔術に傾倒し、怪しげな実験に没頭して、屋敷の中に謎の時計を隠して亡くなってしまった。彼が死の世界から甦る、恐るべき魔法使い役で、「ツイン・ピークス」のカイル・マクラクランが怪演を見せている。
監督はイーライ・ロスと言えば、若者たちがジャングルで食人族にいただきますされる『グリーン・インフェルノ』、キアヌ・リーヴスが美女に肉体的にも精神的にもズタズタにされる『ノック・ノック』などホラーやサスペンスを手掛けてきた。今回、子供向けのファミリー映画を撮るなんてジョークなの、なんて思いますが、それが全編綺麗なファンタジー色で決めており、面白くて最後まで飽きません。
始めは転校生なので虐められるも、二人から呪文を教わったルイスは、學校で簡単な魔法を使うようになる。だが、彼が禁断の書を開いてしまったことで、闇の魔法使いアイザック(マクラクラン)が復活してしまう。
そのシーンが面白い。ルイスと友達の2人で墓へ行き、闇の魔法使いの墓の前で呪文を唱えていると、墓の蓋があき中から闇の魔法使いが甦ったのであります。伯父さんもエリート魔女であるツィマーマンも、これには驚きどうしようか戸惑ってしまう。
伯父さんの家にその闇の魔法使いがやって来て、大暴れするものだから、屋敷の中に隠してある時計を動かせば、世界は“逆戻り”してしまうのだ。ルイスと二人の魔法使いは、世界を救うために時計をめぐる大冒険を繰り広げるのであります。
エリート魔女であるツィマーマンの紫いろの傘を用いて光線を放出、手から火の玉を発するなど、彼らが操る不思議な魔法に注目でありますからね。
それに、ジョナサンの屋敷に死者が復活してくるし、庭のハロウィンのかぼちゃがお化けになって襲って来るし、リビングにある人形たちが襲い掛かるとか、不気味でちょっと悪趣味な描写は、子供には怖いかもしれません。
それでも伯父さんのジャック・ブラックが頼りないけど根は誠実で憎めないキャラを演じていて、それで中和されている部分もある。
ケイト・ブランシェットは、「オーシャンズ8」に続くカッコいい役で、本当に頼もしい魔法使いって感じで良かったです。ルイスが転校生で学校で虐められ問題も描かれていたりして、、じつは奥が深い作品になっていました。
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