87年の初登場以来、SF映画史上屈指の人気キャラクターとなった“プレデター”。本作はその1作目に俳優として出演していた「アイアンマン3」「ナイスガイズ!」のシェーン・ブラック監督が、同シリーズの続編として撮り上げたSFアクション・アドベンチャー。さらなる進化を遂げた宇宙最凶ハンター“プレデター”と、迎え撃つはみ出し者の元軍人集団の壮絶な闘いの行方を描く。主演は「LOGAN/ローガン」のボイド・ホルブルック、共演にトレヴァンテ・ローズ、ジェイコブ・トレンブレイ、オリヴィア・マン。
あらすじ:元特殊部隊員の傭兵クインの息子ローリーは、父がメキシコで手に入れた謎の装置を起動させてしまう。それは、地球にプレデターを呼び寄せるシグナルを発信するものだった。一方、プレデターの存在を隠蔽したい政府によって監禁されてしまったクインは、“ルーニーズ”と呼ばれるならず者の戦闘スペシャリストたちと脱走を図り、彼らととともに危険が迫る息子を守るためにプレデターへと立ち向かっていくのだったが…。
<感想>87年のアーノルド・シュワルツェネッガー主演作「プレデター」で初めてスクリーンにお目見えし、その後シリーズ化された人型エイリアンが新たなオリジナル・ストーリーで復活した。傭兵である父親クインがメキシコのジャングルに墜落した宇宙船と、その船に乗っていたプレデターを目撃。プレデターの存在を隠匿しようとする政府に拘束されてしまう。
クインは、墜落現場から持ち帰っていたプレデターのマスクと装置を自宅に送り届けていたが、クインの息子で天才的な頭脳をもつ少年ローリーが、丁度ハロウィンだったもので、マスクを被って外へ出て歩くも、悪ガキたちがローリーをからかうも、それは妬みからだろう。そして、家に帰り装置を起動させてしまうのだ。
装置から発せられるシグナルによって、恐るべき戦闘種族プレデターを呼び寄せてしまい、プレデターがローリーのもとに現れ、さらにそのプレデターを追い、遺伝子レベルでアップグレードした究極のプレデターまでもが姿を現す。
本作の舞台設定は2018年で、第1作と地続きであり、「プレデター2」とのなんらかの繋がりがあることが分かっている。本作は、プレデターが宇宙船で飛来するが、「プレデター2」では宇宙船がクライマックスの舞台だった。果たしてリンクは宇宙船か、登場人物か、劇場で確認をして下さい。
人間だけでなく、全宇宙の凶暴な生物を相手に死闘を繰り広げてきたプレデター。姿を周囲の風景と同化させる光学迷彩や獲物を確実に仕留めるプラズマ・キャノンなど協力な装備を多数持つヤツらが、またもや人類を恐怖に陥れるのである。
地球にやってきて人間狩りを繰り返すプレデターと、息子を守るために元軍人のならず者集団の協力を得て、立ち向かうクインとの激烈なバトルが展開する。
本作の監督、シェーン・ブラックは「アイアンマン3」「ナイスガイズ!」のヒットメーカーだが、俳優時代にオリジナルの「プレデター」に出演し、最初に殺される兵士を演じていた過去を持つ男。そんな縁のあるプロジェクトに監督として舞い戻り、壮大かつ豪快なアクションシーンと人間味溢れるドラマを融合させた。CGだけに頼らず、実写の臨場感にこだわった演出も見ものですぞ。
主演のクインには、「LOGAN/ローガン」のボイド・ホルブルックと、息子のローリーには、「ワンダー 君は太陽」が記憶に新しい人気子役のジェイコブ・トレンブレイが共演し、父と子の絆のドラマを熱演している。
それに、プレデターの謎に迫る生物学者のケイシーには、「X-MEN:アポカリプス」のオリヴィア・マンが。
それに、特殊部隊ルーニーズ(退役軍人たち)のウィリアムズにはトレヴァンテ・ローズが、コイルにキーガン=マイケル・キー、ネトルにバクスリーにリンチといった戦闘のスペシャリストたちが。彼らがプレデターのことを”ウーピー・ゴールドバーグ”に似ているなんて言うもんだから、観客から笑いが起きたのだが、これって名誉棄損じゃないのかなぁ?
危険にさらされた息子を救おうと奔走する父親の愛情に、そんな彼を支えて共闘する仲間たちのガッツ。そんな熱いスピリットが最凶の敵・プレデターとぶつかった時に、どんな化学反応が起こるのか?・・・。壮絶なるバトルに親子の絆が絡み、凄まじい熱を帯びるのは想像するに難しくはない。
今回登場するプレデターは、様々な種族のDNAを取り込み、遺伝子レベルでパワーアップしている。しかしだ、それをも上回る“アルティメット(究極)”プレデターが登場するのだった。他のプレデターを圧倒する巨大なヤツの実力とは?・・・。宇宙最凶のさらに上をいくその正体とは、・・・もう一つは“ヘルハウンズ”と名付けられたプレデター犬。プレデター同様に俊敏して獰猛な狩猟犬なのだが、人間に懐く習性があるのには安心した。
本作の特徴は、原典への回帰であり、伝統的なスリラーに近いストーリーテリング。さらには、プレデターの造形もできる限り実際に作ることにこだわったというのだ。その際、監督が手本にしたのが「ジュラシック・パーク」なのだ。
一方では、度重なる戦闘により心に傷を負った傭兵たちの苦悩や、プレデターの存在を隠蔽しようとする政府の策略も垣間見えるドラマチックな物語が展開する。
ラストの壮絶なるプレデターとの戦いに勝利するも、研究所では置き土産のプレデターの装置を動かす息子のローリー。所員がその装置から発せられるエネルギーを浴びて新種のプレデターに様変わりするのが見られるも、すぐに元の研究員に戻ってしまう。この装置は、人間が軍事力に悪用すると、飛んでもない戦争になってしまい、地球から人類が滅亡するかもしれない。そして、プレデターの思い通りに、また宇宙からと飛来して来て、地球を乗っ取る作戦なのかもしれない。続編ありきのラストシーンなので、期待したい。
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