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ペンギン・ハイウェイ★★★・5

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「夜は短し歩けよ乙女」「有頂天家族」などで人気の作家・森見登美彦による日本SF大賞を受賞した小説をアニメーション映画化。短編「陽なたのアオシグレ」「台風のノルダ」を手がけたスタジオコロリドの第1回長編作品となり、「陽なたのアオシグレ」の新鋭・石田祐康が監督、「台風のノルダ」の新井陽次郎がキャラクターデザインを担当する。テレビドラマ「バイプレイヤーズ」などで知られる北香那が、声優初挑戦でアオヤマ君を演じ、「鉄コン筋クリート」「花とアリス殺人事件」などで声優経験のある蒼井優がお姉さん役を務める。

あらすじ:毎日学んだことをノートに記録している勉強家の小学4年生アオヤマ君は、通っている歯医者のお姉さんと仲良し。お姉さんも、ちょっと生意気で大人びたアオヤマ君をかわいがっていた。ある日、彼らの暮らす街に突然ペンギンが現れる。海もないただの住宅地になぜペンギンが現れたのか。アオヤマ君は謎を解くべく研究を始めるが、そんな折、お姉さんが投げ捨てたコーラの缶がペンギンに変身するところを目撃する。

<感想>原作は未読です。画像が素晴らしくて、内容もファンタジーとSFものを合わせたような物語になっていた。小学4年生のアオヤマくんの忘れられないひと夏の冒険を爽快感あふれた映像美で魅せている。

夏休みというと、海水浴に連れて行ってもらった記憶があるが、すぐ傍に太平洋があるので、一人では行ったことないが、何しろ波が荒いので大人と一緒でないとダメだったみたい。

この主人公のアオヤマ君は、海も遠く水族館もない街で暮らしており、ある日のことペンギンが現れて驚き付いていくも見失ってしまう。そこにおっぱいの大きなお姉さんが現れて、自販機の中のコーラを選んで取ろうすると、何とペンギンが現れるのだ。まるで魔法にでもかかったみたいな。

街中に突然、何十羽ものペンギンが現れて、好奇心旺盛で研究が大好きな彼の心に火を付けてしまう。その後、ペンギンたちが歩む道の先にある不思議な場所、そこへ行くには森の中へと入る。薄暗い森の中を抜けると広い原っぱが現れて、そこには大きな気球みたいな水風船がドドン~と居座っていた。

彼の大好きなお姉さんは、歯科病院で働いている女性で、アオヤマくんの憧れの女性でもあり、何しろ彼女が自販機の中から突然コーラを投げると、ペンギンが現れるという現象に驚く。どうやら、このお姉さんとペンギンたちは、何か関係があると疑い、それに原っぱの大きな水の風船=海が気になって来る。

謎と謎が繋がり始めた時、研究は街全体を巻き込む事件へと発展していくわけ。つまりだ、お姉さんはどうみても人間ではないようだし、原っぱの大きな水球は、海ではないのだ。

本当に可愛いペンギンたちのヨチヨチ歩き姿と、眼にも止まらぬ水中(川やプール)での泳ぎっぷりというか動きだ。そんなペンギンの動きのギャップが、心地のよいテンポを生み出しているのだ。不思議に思ったのが、ペンギンは海水で泳いで、餌は魚なんですけどね。ここでは、あまりそんなことは関係ないようであります。

もちろん、海へ行ったことのないアオヤマくんは、大好きなお姉さんと電車に乗って海へ海水浴に行くことになるのですが、電車の中でお姉さんが体調を崩して具合が悪くなり、結局海へは行けなくなってしまう。

海への憧れと、そこはペンギンが急に出て来て、原っぱには海みたいな大きな水球があるという、まったく不思議な光景であります。これは少年の冒険物語というよりも、少年が大人になってから回想しているような感覚があります。だから、憧れの歯医者のおっぱいの大きなお姉さんとの交流が、少年にとっては男の子として大人になる階段を、一歩上がったような気分になっているのでしょうね。

私の好きなシーンは、森の手前は光が差し込んで綺麗な緑色なんだけれど、その奥は暗くて、その風景が何故かすごく印象に残りました。全体的に色がすごく綺麗で、人物以外の所に目を向けても、屋根の色や家の形も可愛くて、ペンギンや原っぱの大きな水球とか、好きなシーンがいっぱいあってぐっと持っていかれました。

原っぱの大きな球体のことで街中が大騒ぎになり、謎の海と生物を研究するため気象学、生態学の専門家が大勢集まってきて球体の周りを取り囲んでいる。可愛くて楽しいだけの物語ではなくて、思春期を迎えた男の子が、憧れのお姉さんを前に自分の気持ちと葛藤し、最後には切ない想いをするという。

後半部分で明らかになる世界の広がりや不思議な現象、未知との遭遇というのは、自分が子供の頃に抱いた感動にも通じるところが、ある気がしてならなかった。いやはや、水球が壊れて大水が発生し、街中が大洪水になり、何故かしら、大震災の津波襲来のような感じもした。

街中の人たちが、床上浸水被害を受けて、ここのところ日本でも大型台風による大洪水が起き、田畑や家が流され、泥だらけになった様子が毎日のようにTVで放送されるので。この夢のような水球が、まさか大洪水を起こすなんてことは、考えてもみなかったことで。

それでもラストでは、お姉さんが宇宙人で、ペンギンの背中に乗って、宇宙船で飛んでいく風景にあっけにとられてしまう。SFみたいなストーリーになっても、でも、その謎は解き明かされないまま終わってしまう。大人になってから「あれはなんだったんだろう?」って思うのは、記憶のズレみたいなものかと思いましたね。

宇多田ヒカルの「Good Night」が、胸に迫る切なさを表しているようで、シンプルながら力強い歌詞が、ノスタルジックな一面を感じさせる作品の世界観を彩っていて大変良かったです。

 

2018年劇場鑑賞作品・・・161アクション・アドベンチャーランキング

 

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