予算削減で大学を追われた教授が、同じ境遇の元同僚たちとともに犯罪集団を結成して一発逆転を狙うさまを描いて本国イタリアでスマッシュ・ヒットしたコメディ「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」の続編。前作でスマート・ドラッグの精製に手を染めて警察に捕まった主人公たちが、今度は罪を帳消しにしてもらうために警察の捜査に協力する中で繰り広げる大騒動をコミカルに描く。主演は引き続きエドアルド・レオ、監督も前作と同じシドニー・シビリア。
<感想>アメリカのドラマ「ブレイキングバット」のイタリア版。高学歴で優秀な頭脳を持つ人々が、能力に合った職を得ることができず、社会の片隅に追いやられ、その能力を使って犯罪に手を染め、リベンジを開始したらどうなるのか?・・・イタリアの気鋭監督シドニー・シビリアが目にとめた記事を基に、脚本も執筆したコメディ・シリーズ第二弾。
「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」
無職の潰しのきかない学者たちが、合法ドラッグを製造して、物騒な道をケミカルに、コミカルに突き進んでいたのが、前作の「いつだってやめられる7人の危ない教授たち」である。2009年のギリシャ危機はイタリアへも飛び火し、研究者など頭のいい人達の食いぶちに影響がでていた。神経性物学者である主人公ピエトロ(エドアルド・レオ)は、生き延びるために、超絶合法ドラッグ精製に手を染めた結果、警察に逮捕された。
皿洗いのバイトをしている計算科学者、ラテン語学者に人類学者、考古学者、経済学者など頭脳明晰なれど、人間としてはポンコツで潰しがきかずに社会の片隅に埋もれてくすぶっている。
面白いのが合法ドラッグを考えるのが神経生物学者、作るのが計算科学者、密売人になるのは人類学者、考古学者は古い地図面が得意なので、逃走ルート指示。財務は経済学者が担当など、それぞれ得意分野を活かしたスペシャリストによるギャング団になっていた。
しかしだ、スペシャルなのは頭脳だけで、人としての行動は劣るポンコツ集団であるのがミソ。おそらくは、キャンプをしたらテントを作ったりバーベキューをする時、何も出来ずにオロオロとぼんやり手伝うだけの役ただずだ。そんな彼らが進む道はどうなるのであろうか。
だが今度は警察がそんな彼らを必要とする事態に。コレッティ警部(グレタ・スカラーノ)は、服役中のピエトロ・ズィンニに、犯罪歴を抹消するかわりに、ドラッグ蔓延を防ぐための特別ミッションを依頼して来た。
これを受けたズィンニ(エドアルド・レオ)の呼びかけで、英知を持ちながら不遇な運命にあったユニークな7人のドラッグ製造チームが再結集。新たに研究者もリクルートして、10人の新チームが結成された。
社会からはじき出された学者たちが、合法薬物で人生の一発逆転を狙う姿を描いた『いつだってやめられる7人の危ない教授たち』の続編であります。
あらすじ:古典考古学者アルトゥーロ(ローマの道路や遺跡を熟知)が、遺跡が発掘されて工事が中断されたトンネルがあることを知っていたので、ピエトロはギャング団の本部をそこに置くことにしました。
メンバーとパオラはそこで会い、コレッティ警部はミッションの説明をします。与えられたミッションは、ローマに蔓延しているスマートドラッグを分析し、その成分を突き止め新たに30種類を違法リストに追加するということでした。
メンバーたちの目が光り、歓声が上がります。メカトロニクス工学者ルーチョ(ナイジェリアのラゴスで新作の武器の開発中)により、武器を手に入れると最初のミッションに取り掛かりました。
ピエトロ・ズィンニたち落ちこぼれインテリたちは、30種類のスマートドラッグ撲滅に向けて数々の任務を遂行していくが、大物“ソボックス”だけにはたどり着けなかった。学者たちは、知性を絞って大物を追跡するが、予期せぬ事態が彼らを待っていた。
後半では、その“ソボックス”のことが分かります。実はピエトロの妻が刑務所に面会に来た時、妊娠している妻と喧嘩になり「こんなことだったら子どもを作らなかった!ピルをいっぱい飲んでいたらよかったわ!」。この言葉で、ピエトロは解明できない“ソボックス”はピルに関係あることに気づきます。
薬を飲んでいたアルバルトが元気になり、過去の自動車事故の記憶も蘇り、対向車の荷台に大きなクラマトグラフィー(物質を分離・精製する機器)が載せてあったことを思い出した。それはまさに大量のソボックスを製造するためのものでした。それを知ったコレッティ警部は、アルベルトの事故の日にクラマトグラフィーが盗まれている事件を見つけます。
ギャング団は、ソボックスを扱う組織が輸送する途中で、強奪すると見込み、コレッティ警部と共に作戦を立てました。ピルの入った荷物のコンテナに侵入しGPSを付け、追跡するというものでした。そのGPSを付ける付けないでおバカチームがトンマなことをやらかし、挙句に列車のコンテナにGPSを付けられず、チームは列車を追うために、ナチから押収したジープとサイドカーを手に入れ、乗って追跡します。
何とかGPSを取り付けることができ、製造所を見つけたのだが、薬物組織のメンバーには逃げられ、彼らを捕まえることはできませんでした。ミッションを終えてピエトロが妻の病院へと急ぎ、子供に逢いにいくのだが、そこへ警察がやってきて逮捕されてしまう。子供に逢えない悔しさが残ります。
刑務所の中で、アルベルトが残したメモを手に取り“ソボックス”の文字を見つめているうちに、ピエトロは大変なことに気づき、その文字からヴァルテルの本当の狙いが、神経ガスによるテロということがわかりました。ピエトロは、再び刑務所の中で仲間とともに、悔しさと衝撃のままどうにもならないことに。
全編がテンポが速くて、ハラハラ、ドキドキ感が凄くて面白いときてる。予測不能な軽快なストーリー展開も素敵でしたね。本作はシリーズ3部作ということで、ラストが気になる展開であり、次に繋がることから、続編の「魅力溢れる研究者たちに会いたい!」が、必ず観たくなりますね。
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