久保帯人による『週刊少年ジャンプ』を代表する大ヒット・コミックスを「曇天に笑う」の福士蒼汰主演で実写映画化したアクション・エンタテインメント大作。死神に代わって悪霊と戦う高校生・黒崎一護の活躍を、最新の映像技術を駆使した迫力のバトル・アクション満載に描き出す。共演は杉咲花、吉沢亮、真野恵里菜、MIYAVI、長澤まさみ、江口洋介。監督は「GANTZ」「アイアムアヒーロー」の佐藤信介。
<感想>マンガの実写化には、ついシビアな目線で観てしまう。原作が未読なので、何も知らずに鑑賞したのが良かった。私たちが生きる現代を舞台にしていながらも、そこはスタイリッシュなキャラクターや、「死神」・「虚」といったファンタジーがすんなりと溶け込んだような、独特の空気感を持つ作品でした。
平凡な日々を送っていた一護が、死神の力を手に入れ、「誰かを助けたい。困っている人たちを護りたい」と思うようになっていく。映画の中でも、一護が大切な人を護る決断をしたのは、家族を助けるため。しかしその裏には、幼少期に目の前で母を悪霊・虚(ホロウ)に殺されたトラウマがあった……。
「もう誰も失いたくない」という強い思いが、一護を駆り立てる!一護役の福士蒼汰が心身共に“死神の器”に成長していく様子が、丁寧に描かれているので、ついつい応援したくなります。
悪霊・虚(ホロウ)のこのデカさ、この強さ、とんでもない! どうやってこんなバケモノに立ち向かうのか?なぜ一護は、“死神”になることを決めたのだろうか? そもそも死神とは一体何者なのだろうか? 数多くの疑問が浮かぶ。しかし彼の究極の決断の裏には、ある“大事件”とのちの“仲間”との運命的な出会いがあったのです。
その“変化”が見る者の共感を呼び、思わず彼を応援したくなるはず。一護の隠れた才能は、幽霊が見えることだった。 一護のように霊感の強い人間を捕食し、力を得る悪霊・虚(ホロウ)は、彼の存在を知って自宅を急襲する。
未知のバケモノに驚く間もなく、家族もろとも大ピンチと化するも、どこからともなくやってきた謎の少女・朽木ルキア(杉咲)は、死神の力を一護に披露する。悪霊・虚(ホロウ)と同じくして一護の前に現れた謎の少女・朽木ルキア(杉咲花)は、自身が「悪霊・虚(ホロウ)を唯一倒せる存在」=死神と名乗る。
ですが、戦闘中にルキアは一護をかばい、致命傷を負ってしまう……。まさに絶体絶命!・・・突然訪れたピンチ、だが迷っていても家族もろとも死ぬだけ! 運命を受け入れるんだ一護よ。最早一刻の猶予もないことを知ったルキアは、死神の力の譲渡を提案するわけ。一護に力を分け与えて、瞬間的に死神にさせ、悪霊・虚(ホロウ)と戦わせる作戦だった。しかし、ミスったら2人とも即死亡の大バクチ……どうする一護くん。
だが、ルキアが死神の力を全部奪われてしまい、戦えなくなるという新たな問題が発生する。 一護はルキアの代わりに“死神代行”の役目を依頼されるも、「普通の高校生活に戻りたい」と拒否する。
しかしそこへ、さらなる強大な悪霊・虚(ホロウ)、おきてに背いたルキアを処罰するためにやってきた死神など、強大な敵を前に、一護は再び剣を取る。その“真意”は一体!?
“死神”になった一護の前に、次々と強敵が出現するのだ。 休む間もなく次の戦いが幕を開けるのだが、一護とルキアの賭けは無事成功し、見事に悪霊・虚(ホロウ)を撃破。
それに、死神と因縁を持つ“滅却師(クインシー)”石田雨竜役の吉沢は、弓の扱い手で一護を助ける。かっこいい吉沢亮のクインシーに惚れ惚れするはず。
一護を演じた福士蒼汰さんは、細マッチョでありながらも、かなりハマり役でした。それと、ちょっと気合が入り過ぎていて頑張りすぎた、ルキアを演じた杉咲花さん。
阿散井恋次を演じた早乙女太一さん、朽木白哉を演じたMIYAVIさんは、さすがの迫力でカッコよかった。
一護の母親の長澤まさみは、ほんの少し冒頭で登場して、息子を守るために悪霊・虚(ホロウ)に殺されてしまう。それなのに、父親は事故に遭ったと言うのだ。
父親には江口洋介で、のんきなサラリーマンで、世の中でそんな大変なことが起きているなんてことは知らぬ存ぜずなのだ。こんなのってあり!
人間への力の譲渡は、死神の間では死罪であるために、ルキアは反逆者として、他の死神から追われる羽目になるわけ。相手は超格上の兄弟であり、一緒に育ったのに戦わなければならないのだ。
今更後へは引けない決まり事。「俺を本物の死神にしてくれ」と、命を救ってくれた恩に報いるため、一護は“本物の死神”になることをルキアに告げ、特訓を始める。そして、強敵へと挑んでいくのだ。斬魄刀(ざんぱくとう)」を担いだ福士が登場するのに驚く。
なにしろデカイ刀なのだ。こんなデカイ刀を振り回す力なんてあるのか。暫くはルキアがバッテングセンターのボール打ちを特訓する。そして、チャンバラの稽古も、それだけの訓練で、強大な悪霊・虚(ホロウ)のグランドフィッシャーに勝てるのだろうか?・・・、そして、おきてに背いたルキアを処罰するためにやってきた死神兄弟。
時を同じくして伝説の悪霊・虚(ホロウ)・グランドフィッシャーが出現し、街は大混乱の巻き。ついつい、笑ってしまったCGのグランドフィッシャーのモジャモジャ君に呆れてしまう。蚤や蜘蛛みたいなのもいたしね。
このままではクラスメイトにも危険が及んでしまうし、死神の力があれば、 「この力があれば、みんなを護れる」、一護の目に迷いはもうない。今こそ、真の“能力”を解放し、剣を振るえとばかりに、勝てるはずもない敵と戦う一護なのである。
結局、最後には一護の力が尽きてしまい、これでは死神のまま消えてしまうのはダメだと思ったルキアが、一護と刀を差し違えて元の高校生に戻してやる。これで終わったわけではないと思うので、是非とも続編を頼みます。
原作に最大のリスペクトを捧げた監督の戦略勝ちとも言える本作では、ファンタジー作品だからこそ、逆に作品のベースとなる現代の風景を徹底的にリアルに描ききること。そのために、フルCGで制作される映画(特に漫画原作もの)が少なくない昨今においては珍しく、多くのシーンがロケで撮影されていることだろう。
バス・ロータリーでの大乱闘も、セットを組みダイナミックに壊しながらの撮影だったということからも、そのこだわり様が分かって来るはず。このリアリティを追求した映像と、現代のCG技術が織りなすリアルと、ファンタジーのコントラストが、そしてキャスティングの妙が渾然一体となることに成功していると思いますね。
2018年劇場鑑賞作品・・・145アクション・アドベンチャーランキング
「映画に夢中」
トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ
トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/29952299