世界的にセンセーションを巻き起こしたジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督による2007年のフレンチ・バイオレンス・スリラー「屋敷女」を、「スペイン一家監禁事件」のミゲル・アンヘル・ビバス監督でリメイク。臨月のお腹を抱え、突然自宅に現われた謎の女に追いかけ回される戦慄の恐怖を描く。主演は「P2」「トカレフ」のレイチェル・ニコルズ、共演にローラ・ハリング。
あらすじ:妊婦のサラは交通事故に遭い、同乗していた夫を亡くし、自身も重傷を負う。お腹の子どもは無事だったが、サラには補聴器なしでは音が聞こえない障害が残ってしまった。そんな中、出産が間近に迫ったある夜、電話を貸してほしいとドアをノックする女が現われる。不審に思い追い返したサラだったが、念のため警察に来てもらう。事情聴取を終え、再び眠りにつこうとしたサラは、部屋の中に浮かび上がる見知らぬ女の影に気づくが…。
<感想>オリジナルの「屋敷女」は鑑賞してないので知りませんでした。冒頭での交通事故で車が一回転をして下敷きになる衝撃に、中にいる夫婦はもうダメだろうと思ったのに、妊娠中の妻・サラが無事でお腹の子供も順調というなんというラッキーなことでしょう。そんなことがあっての出産ならば、大きな屋敷に母親とか、友達とか一緒に住んでもおかしくないのに、出産間近なのにね。
どういう訳か、意固地になって一人で住んでいるサラ。夫の友人のアイザックが、今晩は泊まってあげるというのを、いいからと断ったのも悲惨な結果に。予期して、こうなったというか、事故の結果を話していないので、犯人が誰なのか、何を目的に、と思っていたら、最後近くまでその答えを引っ張り、犯人の中年オバンの怖さをこれでもかと、見せつけてくれる恐怖をわざとらしい展開で、長引く長引く、その間に友人のアイザックに警官が2人と、アイザックの友人の男がそのオバサンに殺されてしまう。
それに、妊婦の母親がやってきたのに、サラが犯人のオバサンと間違って、母親の首を鑑の切れ端で切って殺してしまうとは、これまた悲惨な感じがしてならなかった。まぁ、絶対に主人公の妊婦と赤ん坊は助かるのだろうと思ってみても、それまでに何人の犠牲者が出ればいいのか、外は大雨で窓から叫ぶ妊婦のサラの叫びも誰にも届かないのだ。
犯人のオバサンは、交通事故で正面衝突した車の女で、そのオバサンも妊婦で事故の影響でお腹の子供は死んでしまったらしい。それで、サラのお腹の赤ん坊を自分の子供として育てたいと考えて、向かいの家に引っ越してきて、サラの様子一部始終カメラで撮って観察していた。
計画的で、サラの家に盗聴器まで付けていて、サラが初産で出産の兆候が遅いらしく、医者が出産をうながす薬を使ってお産をするということになる。その話も聞いていたオバサンは、サラに睡眠薬を含ませたガーゼを口に押し付けて眠らせ、その間に点滴で陣痛促進剤をサラに打ち込むという恐ろしく準備のいいオバサンであった。
元看護婦でもしていたのか、それは分かりませんが、何しろサラを殺してでも、お腹の子供を取り出して自分の子供にしたいという願いが強くて、キッチンにあるハサミを片手に襲って来る。何度もサラが反抗してもダメで、しつこく追いかけてきては襲い掛かるという。
主人公が妊婦で、耳が聞こえなくて補聴器をしている。だから、犯人がトイレのドアをしつこく刃物でグサグサと刺す恐怖シーンや、そこから逃げ出すサラを悪魔のような顔をして追いかけて来るオバサン。補聴器が壊れて外すサラは、まるで耳が聞こえないような状態。
何度も言うようですが、犯人はどうみても50歳くらいのオバサンで、「コレラの時代の愛」に出ていたローラ・エレナ・ハリングと言う、1964年生まれの54歳の女優さんが演じていて、妊娠をしていても高齢出産で難しいようですね。もっと主人公のサラと同じような若さの女にすれば、事故で子供が生めない身体になったという同情もするでしょうに。
大雨の夜中に、サラが外へ飛び出すところ、もう破水までしていて出産間近なのに、お腹の赤ん坊は大丈夫なのだろうか、パトカーの2人が来て殺され、そのパトカーにサラが乗って無線で手短に連絡をする。早くパトカーが来てくれることを祈るばかりです。ですが、そこへあの犯人がやって来るのですからね。パトカーの窓ガラスを破るは、サラが車を発進させると運転席に乗りこむわ。木に激突するわで、もうダメかしらと感じさせる状態が多いです。
このしつこさは、女性の犯人特有なんでしょうか、あきらめない恐怖、プールの上にシートが貼ってあり、そこにサラが足を滑らせて落ちてしまう。そこへ物凄い形相のオバサンが、手には手術用のメスを持ってサラの腹を掻っ捌いて、何が何でも赤ちゃんを取り出そうという根性には驚きもんですから。
プールの中に落ちて、二人で格闘するシーンも、サラが気絶をしたのか沈んでいくし、それでも、主人公を助けて上げたいし、早く警官が来てくれればいいのにと願うばかりです。最後に浮かび上がったサラが、陣痛が始まり赤ちゃんを自分で産み落とすところなど、感動シーンもあるが、それにしても警察の遅いことといったら、救急車が先に駆けつけるのも遅いです。怒りを込めて評価が低いですから。
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