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エンド・オブ・ホワイトハウス  ★★★

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『完全なる報復』『マシンガン・プリーチャー』などのジェラルド・バトラーがプロデューサーと主演を務めたアクション。大統領を人質にホワイトハウスを占拠するテロリストたちを相手に、元シークレット・エージェントの男がたった一人で戦いを挑んでいく。『トレーニング デイ』『ザ・シューター/極大射程』のアントワーン・フークアが監督を努め、名優モーガン・フリーマンや『ダークナイト』などのアーロン・エッカートら、実力派が共演。ド派手な見せ場に加え、国際情勢を巧みに盛り込んだリアルな説定も見ものだ。

<感想>米国の中枢である大統領官邸ホワイトハウスが、乗っ取られてしまう前代未聞なサスペンスアクション大作。テロリストに占拠された官邸に潜入した元シークレットサービスの男が、単身で大統領救出に挑む。テロ集団VS、SS陣の銃撃戦などド派手なアクションと、現在の国際情勢とシンクロする設定がスリリングで、これってホワイトハウス版の「ダイ・ハード」ともいえる仕上がりになっている。
主人公にはジェラルド・バトラー。シークレット・サービスとして大統領の警護に当たっていたものの、冒頭で映し出されるただのスリップ事故なのかは分からないが、パーティへ行く途中に前の車が橋の真ん中で凍結道路でスピンをして、後続車の大統領夫妻が乗っていた車が追突して、橋の欄干を飛び出し車の半分が宙ぶらりん状態になる。その後ろに乗っていたバトラーが、ただちに大統領救出に向かうも、車の後部座席が崖下へ今にも転落しそうな状態。大統領夫人は頭に怪我をしており意識不明のようだ。こういう場合は、大統領優先に救出するのだろう。が、しかし、夫人も助けることは出来たのではと思ったのだが、・・・。

それで、不慮の事故からファーストレディを救うことができなかったバトラーは、警護任務から外されて事務仕事に甘んじていた。そんな時に、ホワイトハウスでアメリカと世界を揺るがす前代未聞の事態が発生する。大統領会談していた韓国首相の訪米団に北朝鮮人テロリストのカンと、その配下が紛れ込み、瞬く間にホワイトハウスを制圧。ヘェ〜こんなにホワイトハウスって警備があまいんだ。それにしても、北朝鮮の装甲車らしき車に乗ったテロ集団があっさり中に入れたのも不思議だ。

で、大統領と側近たちを人質にし、日本海域からアメリカ海軍第7艦隊の離脱と、韓国と北朝鮮に挟まれた非武装地帯に駐留するアメリカ軍兵士2万8500人の撤収を要求してきたのです。アメリカの象徴が陥落するのを目の当たりにしたバトラーは、たった一人でホワイトハウスに乗り込んでいくが、・・・というストーリー。主人公がマクレーンのような巻き込まれ型ではなく、自らの意志で身を投じていく“殺る気まんまん型”となってはいるが、限定空間の舞台、多勢に超・無勢な設定と展開は「ダイ・ハード」チルドレン以外のなにものでもないだろう。

ホワイトハウスの内部構造を知り尽くすバトラーが潜入に成功。大統領執務室に隠された緊急用携帯電話を通したバトラーと、ペンタゴンの対策本部のやりとり、人質を装ったテロリスト・メンバーとの遭遇、トルーマン任期当時に行われた改修工事によって生じた、古い壁と新しい壁の間の迷路的空間といった描写や絵図らも、それぞれマクレーンと宿敵ハンスの鉢合わせ、ナカトミ・ビルのダンジョンのようなダクトやエレベーター・シャフトを、ことごとく想い起させる。

しかし、本家最大の妙味であった巧みすぎる伏線の張り方、キャラクターとシチュエーションの活かし方は、全く追いついていけないのだ。バトラーを信用しない将軍が送り込んだ特殊部隊のヘリが、カンの罠にハマリ全滅。
一人だけ襲撃を免れて邸内に潜む大統領の幼い息子、バトラーが古い壁と新しい壁の間の迷路的空間に隠れている息子を発見、ダクトを通って外へと連絡して無事救出。
これみよがしに映るIT担当らしきテロリスト女、同じシークレット・サービスの仲間の裏切りなどは、スリルを生む好材料なのに、実にあっさりした扱いで終わってしまう。
それに、地下36mにあるとされる核シェルターを兼ねた危機管理センターに、大統領もろともテログループが立て籠もるも、その難攻不落の場所へ踏み込めるか否かの攻防があるわけでもない。ペンタゴンから奪還作戦の指揮を取る大統領代行にモーガン・フリーマンが、バトラーに望みを託します。この辺が物足りないですよね。

でも、実際、全編に散りばめられた見せ場は、アクション映画ファンならば嬉しい悲鳴の凄まじいものばかり。特に北朝鮮のガンシップ、制圧用の攻撃機が、バルカン砲で掃射しまくりながらワシントンD.C.上空を旋回、バルカン砲でズタズタにされる車、警官、警備兵、人間爆弾によって破壊される防護柵。そこからなだれ込む観光客を装ったテロリストたち、何処からともなく現れる機銃を搭載したゴミ収集車による援護射撃。撃墜されたガンシップがワシントン記念塔に衝突という、壮絶なホワイトハウス陥落のシークエンスには、ただただ圧倒された。

とにかく、難攻不落のはずのホワイトハウスだが、実は世界最強を誇る米軍が救援に駆けつけるのに14分を要してしまう。その間にテロリストたちはホワイトハウスを攻略し、大統領を人質に。しかし、韓国の首相が射殺されるとは、驚きである。これが後で問題となって、北朝鮮と韓国が戦争にでもならないとは限らないのだが、この映画ではそこにはまったく触れていないのだ。
それでも、SWATも米軍特殊部隊も手が出せない中、冷血なテロリスト団に敢然と立ち向かうのは「300/スリーハンドレッド」で怖いもの知らずの戦士を演じたジェラルド・バトラー。たった一人の男が米国および世界の命運を握ることに。
しかし、9.11を体験した米国民にはショッキングな映像だろう。米軍のバグダッド侵攻より手際よく、13分で侵略に成功。空爆に続き地上からの自爆テロと波状攻撃で、ホワイトハウスを占拠。戦争映画ばりの迫力に満ちた驚愕の映像である。
ちなみに、8月には「インデペンデス・デイ」で、ホワイトハウスを木端微塵にしたローランド・エメリッヒ監督が、これまた「ホワイトハウス・ダウン」で、同邸の破壊を目論む映画が公開されるというのだから、楽しみですよね。
2013年劇場鑑賞作品・・・206  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング


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