トビー・フーパー監督による伝説のスラッシャー・ホラー「悪魔のいけにえ」の前日譚となる戦慄のサスペンス・ホラー。チェーンソーを手にした伝説の殺人鬼レザーフェイス誕生の物語を過激なバイオレンス描写とともに描き出す。出演はスティーヴン・ドーフ、リリ・テイラー、サム・ストライク。監督は「屋敷女」「リヴィッド」のジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ。
あらすじ:テキサスの田舎町に農場を構えるソーヤー家で5歳になる少年の誕生パーティが開かれていた。やがて誕生日プレゼントとして彼に与えられたのはチェーンソーだった。その後ソーヤー農場で少女の変死体が発見されると、少女は亡くなった少女の父親でもあるハートマン保安官によって精神病院に送られる。10年後、彼は施設の仲間3人とともに看護師リジーを人質にとって脱走を図る。逃亡する彼らを、娘の復讐に燃えるハートマン保安官が執拗に追い詰めていくのだったが…。
<感想>「悪魔のいけにえ」の前日譚で、同作に登場する殺人鬼レザーフェイスの少年時代を描いたもの。冒頭で5歳の息子の誕生日に、ソーヤ・ハウスに集まる一家の不気味さだけで、もうR指定の気分になる。
とりわけストーリーを引っ張っていく母親、リリ・テイラーの、自我を膨らませたまま現実社会とは、絶対に妥協しないという面構えと演技は悪魔的で素晴らしかった。
テキサスの物語をブルガリアで撮影したと言うが、美術小道具がそれらしく上手くて、74年の「悪魔のいけにえ」のレベルをきちんと保持した出来でした。「屋敷女」「リヴィッド」のカルト的な監督2人、ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロの作品。
スラッシャー映画の要素はもちろんのこと、半分以上は心に病を抱えて、なおかつ悲惨な環境で育った少年少女らが、逃避行する話でもあるし、それ自体は悪いことではないが、むしろ哀切なバイオレント・ロードムービーとして面白くなったと思うのだが。
ホラー映画らしくしないといけないと、でも思ったのか明らかに視界をふさぐことだけを目的としたクローズアップで脅かし、やたらとでかい音で驚かすなどの演出があざとかった。
序盤での保安官の娘がソーヤ農場で発見されることも、あの兄弟が揃ってしたことで、少女を落とし穴に誘って落下させて殺すなんてむごい死に方は許せない。だから、保安官が精神病院へ入れたのですが、こういう場合は、裁判で長男くらいは死刑になってもいいのではないかと。どうして精神病院に送られたのかが分からない。
母親が精神病院の収容病棟に侵入し、混乱を起こして大騒ぎになり、患者たちがその精神病院を脱走するのですが、こういうやからは独房のような個室に入れておくべきですよ。簡単に脱走できるのですから。脱走の後が壮絶でしたね。
保安官たちに追いかけられて逃げる5人、牛の腐乱死体の中に隠れていたとは気づかないのも無理はない。この描写はグロかった。自閉症気味の巨漢のバドが銃弾に倒れる。
レストランで銃撃戦を交えたクラリスとアイザックも、保安官の銃弾で亡くなってしまう。どうしてこの二人は、精神病院に入っていたのかが不明。絶対に死刑になるべきですから。
しかし、最後にジャクソンと一緒に逃げた、美人の看護師のエリザベスが可愛そうに、ジャクソンに殺されてしまって、最後には顔の皮を剥がれて、つまり、そのジャクソンこそが、末っ子のジェディダイア。主人公であるレザーフェイスだったとは。
名作や人気シリーズの前日譚やビハインド・ストーリーを作るとなると、当然こんなことが、というものを入れるものだし、こちらもそれを期待するものだから、仕方のないことなのかも。
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