TVアニメ版も好評を博したろびこの同名少女漫画を「溺れるナイフ」「あゝ、荒野」の菅田将暉と「PとJK」「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の土屋太鳳主演で実写映画化した学園ラブコメディ。どんな時でも勉強を優先する友達ゼロの冷血女子と、予測不能な行動が原因で周囲から誤解され、必要以上に恐れられるこちらも友達ゼロの不登校男子が、個性豊かな仲間たちと出会いながら繰り広げる不器用な恋の行方を描く。監督は「黒崎くんの言いなりになんてならない」「君の膵臓をたべたい」の月川翔。
あらすじ:高校1年生の水谷雫は幼い頃から母親に認められたいがために良い成績をとることに必死で、友達や生き物に対してまるで興味がないガリ勉&冷血女子。そのとなりの席にいるはずだった吉田春は、入学早々上級生相手に暴力事件を起こしてそのまま不登校になっていた。そんな問題児には関わりたくない雫だったが、先生に頼まれてしまい、たまっていたプリントを彼の家まで届けるハメに。するとなぜか春に懐かれてしまい、勝手に“友達”認定されてしまう。以来、迷惑に思いながらも行きがかり上春の世話を焼くうち、少しずつ彼の本当の人柄を知り、いつしか心惹かれていく雫だったが…。
<感想>最近はコミックものが、映画実写化でたくさん公開されている。本作もそうで、原作漫画は未読ですが、主役の二人菅田将暉と土屋太鳳が出演とくれば見逃さないわけにはいかない。とにかく、2人とも、他の生徒たちも20歳超えの俳優さんばかりで、さすがに高校生には見えないのが残念でならない。
それを、菅田将暉と土屋太鳳の2人が、演技で上手に高校生役にぴったりハマッテたのが良かったので、いいとしよう。
とにかく、主人公が通う高校の建物の大仰な構えに驚く。それに、朱色の派手な制服を着て、こんな学校があるのかと思いましたね。ですが、何よりも良かったのが、それまでの菅田将暉の余りにも純真な性格で水谷雫に甘えるのと、表情を殺した土屋太鳳のがり勉ふうの演技。
しかし、特殊効果をギャグにしているのは面白かった。原作は読んでないので比べることは出来ないが、信じられないくらい支離滅裂な設定で、コメディ風味はヤケクソでやっている感じがするでもない。水谷雫に惚れている他校の生徒に茶髪の山田裕貴も出番少ないながら熱演。彼の出演する「万引き家族」「虹色DAYS」など、話題の映画が相次ぐので楽しみですよね。
途中で、主人公の春がいなくなるってどうなんだろう。何処へ行ったのか観客はだいたい知っているものの、それが展開されない気持ちが落ち着かない。成績もいつもフラフラと遊びほうけている春なのに1番で、がり勉の水谷雫が2番とは、納得がいかないのだが、どうやら彼は頭脳明晰で父親が、兄貴よりも弟を会社の跡継ぎにしようと考えているようだ。
だから、弟の菅田将暉がどういうわけか、とんでもない怪力を持ちで人が飛んだりして、スーパーマンの春よりもお兄さんの古川雄輝くんの陰りの方が魅力的に見えた。それが作劇に何の足しにもならないし、役がらを持て余し気味にみえてしようがなかった。
それと学級委員長の浜辺美波ちゃんがメガネがかわいいし、彼女の春への想いは届かないようで、浜辺美波がこの程度の役には無駄遣いもいいところですよね。喫茶店のオーナーのもこみち、いつもかっこよすぎの役回りでいい感じです。
バッティングセンターで土屋太鳳がバットを振る姿にさすが女優だと、ですが不完全燃焼なところが多かったです。確かに吉田春の家庭環境に問題はあるが、始めは2人が上手くいくのか心配でしたが、最後に結婚するという設定にはほのぼのとした感じで、いかにも漫画的で良かった。
今時の若い俳優陣が勢揃いなので、楽しめることは事実だが、葛藤がどこにもない物語では評価のしようがないのだが、菅田将暉と土屋太鳳のコンビ、始終映画を盛り上げているところがいい。
2018年劇場鑑賞作品・・・83アクション・アドベンチャーランキング
「映画に夢中」
トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ
トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/29776935