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おじいちゃん、死んじゃったって。★★・5

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CM業界で活躍する森ガキ侑大の記念すべき長編映画監督デビュー作。おじいちゃんの葬儀のために久々に家族が集結したことで、それぞれが抱えていた問題や不満が一気に噴出する愛憎の行方を描く。主演は「友だちのパパが好き」の岸井ゆきの、共演に岩松了、美保純、水野美紀、光石研。

あらすじ:彼氏とのセックス中に掛かってきた電話で祖父の訃報を知った春野吉子。若干の後ろめたさを感じつつも、慌ただしく進む葬儀の準備を見守っていく。家族が久々に顔を揃えることになるが、父の清二と喪主を務める叔父の昭男はさっそく段取りを巡って一悶着。その後も皆それぞれにやっかいな事情を抱え、ことあるごとに衝突しては、押し殺していた不満や本音が吐き出されていくのだったが…。

<感想>祖父の死の通知で親戚縁者が集まるのだが、そこで兄弟喧嘩や葬儀の準備や、集まった親族との久しぶりの対面などを通して、血縁者のもろもろの近況も聞かれて、それに恨み辛みもありひと悶着もある。そして、誰も泣かなかった。それでも家族だった。

伊丹十三監督の「お葬式」を思い出してしまった。さすがに「お葬式」の映像と脚本が完璧すぎるくらいな映画だったので、比較するきにはならなかった。

こちらの作品は、目が合えば長男と次男が喧嘩を初めるのだ。そういう所をリアルに、とにかく喧嘩のシーンが多くて目に余ってしまう。家族同士の日ごろの恨み嫉みが垣間見えた。さすがに兄弟の喧嘩にお婆ちゃんの認知症、爺さんの息子で弟役に光石研さん。リストラで仕事を辞めて家でごろごろしている父親。その娘の吉子が主人公なのだが、主演の岸井ゆきのさん、私には初めての女優さんだからなのか、演技が上手いのか下手なのか、よく分からない。

恋人とセックス中に電話が鳴り、爺ちゃんが死んだという訃報が届く。その自分が爺ちゃんが死んだ時に恋人をHの真っ最中だったのが悔やまれてならないというのだ。若くて何も考えていないような女子でも、爺ちゃんの死に際に自分がHをしてたので、何だかやましい気持ちになったということで、反省しきりだ。死にゆく人もあれば、Hをして生まれ来る命もある。

お兄さんが、岩松了で、離婚した妻に美保純が久しぶりに観た感じがした。3番目の妹には独身でバリバリのやり手の水野美紀が、真っ赤なイタリア車(フェラリー)に乗って来る。兄弟がダメな人間なのに対して、妹が成功者という筋立てに今風という感じもする。車のガラスを割られて、中に置いてあった香典(20万円)を盗まれてしまったのだ。小さな村なので、駐在所に届けると、犯人がすぐに見つかる。

葬儀が進むにつれて、お坊さんのお経に火葬場、連れ合いのお婆ちゃんはボケていて、誰が死んだのか、誰の葬式なのか分からないという有様。それにしてもみんながよく煙草を吸うのだ。煙草を吸いながら、その場にいずらい人間たちの繋ぎのような、煙草の煙と爺ちゃんの火葬場での煙。

クライマックスでは吉子の恋人が来て、食事の後に花火でもやろうと準備をするが、予想外の事態になる。それは本物の花火が夜空高く上がって見えて、それはそれは、爺ちゃんへのたむけ花火のようになっていて良かった。

翌朝には、家族が縁側に揃っての集合写真であります。そういえば、私の家には葬式の写真なんて一つも撮ってなかった。あの時に、両親の葬式を挙げた時に、その後でも法要の席で写真を撮っておけば良かったのにと、後悔しきり。残念です。

そして、認知症のお婆ちゃんを老人ホームへと入所させる息子にも、一緒に住むことが出来ない現状、嫁に祖母の世話をさせるのは無理だという現実問題。

それに最後には、吉子が「インドでは道端に人間の死体がゴロゴロと転がっている」と言っていたことを、証明するかのように見に行くのか、インド編になっていて、ヨルダン川の沐浴や象、道端にはもちろん人間の死体なんてない。日本のどこにでもありそうな家族の姿が映し出す、ホンワカとした物語でした。

日2017年劇場鑑賞作品・・・292アクション・アドベンチャーランキング

 


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