福山リョウコの人気少女漫画を「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」の三木康一郎監督で実写映画化した青春ラブストーリー。歌うことが大好きな女子高生と２人の男子高校生が繰り広げるすれ違いの三角関係の行方を、バンド活動を巡る青春模様とともに綴る。主演は「チア☆ダン ～女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話～」の中条あやみ、共演に志尊淳、小関裕太。
あらすじ：聴いた人を魅了してしまう特別な歌声を持つ高校２年生のニノは、６年前に突然姿を消してしまった幼なじみのモモを忘れられず、彼のために歌い続けていた。ある日ニノは、６年前に傷心の彼女を癒してくれた懐かしいメロディに導かれ、当時出会った少年ユズと思わぬ再会を果たす。実は彼は、人気覆面バンド“in NO hurry to shout；（通称イノハリ）”のギタリストで、６年前にニノの歌を聴いて以来、彼女を想って曲作りをしてきたのだった。そんな中、新人ボーカルオーディションの会場で、ついに初恋のモモと再会したニノだったが…。
＜感想＞絶対に言えない好きってキモチを歌にのせて。女子高生と音楽系の男子高生の三角関係図にモヤモヤ感が否めないのが今時なのかもしれない。この物語の少年少女たちは、長年顔を合わせていなかった。そのまま相手に恋心を抱き続けてきた。それ故に、出会った時の驚きと片思いだったのかもしれないのが、一気に弾けてしまい、ここではニノの“声”が鍵となり屋上で大声で叫ぶように歌うニノの素直さが良かった。
だから、本作に於いて歌の存在は重要であるし、歌が魅力的でなければ、この映画自体の魅力も半減してしまうに違いありませんね。小学校の時に隣同士で仲良しだったニノとモモの二人は、モモの家庭環境のせいで転校してしまう。その時に、浜辺で砂浜に描かれた音符に興味を持ったニノがそこでユズとの出会いをする。
その後、３人はそれぞれ高校生となり仁乃は、ユズが所属する人気覆面バンドのボーカルに誘われる。ユズはずっとニノを想い続けていて、彼女のために曲を作り売り出そうと励むのだが、前のボーカルの女の子が嫉妬心で止めて、モモが新たに作るバンドのボーカルで歌うことになる。
だから、ニノは久しぶりにモモと再会するのだが、「お前の歌は金にはならない」と、きっぱりよそよそしいモモの態度に自分は嫌われている思い込んでしまう。だが本当は、モモの心の中にはニノを想う恋心が沸々と湧いており、まさか、家庭の事情でお金を稼がなければならないなんて言えないモモ。引っ越したのも、父親が借金を作り家庭崩壊してしまい、借金返済のために自分の才能を買ってくれる音楽で身を立てていたのである。
それにしても青春ラブストーリー、大人には我慢と忍耐が必要。幼い時に“運命の人”と出会った女子高生を巡る音楽がらみの三角関係なんですから。だから、親とか教師は一切登場しません。学校や音楽室などは、ただのたまり場に過ぎません。しかもある理由（覆面バンドなので）でいつもマスクと眼帯をしているヒロインは、過呼吸をたまに起こすし、大声張り上げてけたたましく歌う美声の持ち主なんです。ドアップで映し出される中条あゆみちゃんが、こんなに歌が上手いとは知りませんでした。それに、スタイルもいいしコスプレのドレスも素敵でしたね。
３人の恋の行方が気になりますが、男同士も張り合って殴り合いとかにはなりません。音楽を通してモモとユズはセッションをしながらも、お互いに音楽の道へライバルとして切磋琢磨をして成長していくのでしょう。
結局はユズの愛の力の方が勝っていて、ニノがユズの気持ちを察して仲良くなります。キスシーンもあるので、お見逃しなく。
２０１７年劇場鑑賞作品・・・２８４
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