警察一家の父親とその息子たちを巡る激動の一大サーガを綴った人気ミステリー作家デニス・ルヘインの傑作三部作の一編を「ザ・タウン」「アルゴ」のベン・アフレック監督・主演で映画化した犯罪ドラマ。禁酒法時代を舞台に、警察一家に生まれながら裏社会でのし上がっていく一人の若者の愛と野望の行方を描く。共演はエル・ファニング、ブレンダン・グリーソン、クリス・メッシーナ、ゾーイ・サルダナ、シエナ・ミラー、クリス・クーパー。
あらすじ:禁酒法時代のボストン。警察幹部トーマス・コフリンの三男として生まれたジョーは、厳格な父に反発して家を飛び出し、不良仲間とチンピラ稼業に明け暮れていた。そんなある日、賭博場を襲撃したジョーは、そこでアイルランド系ギャングのボス、ホワイトの愛人エマと出会い恋に落ちる。しかしホワイトの罠にはまって刑務所送りとなってしまう。危険な獄中生活で裏社会での生きる術を身につけていったジョーは、父トーマスの尽力でわずか3年で出所すると、ホワイトと敵対するイタリアン・マフィアの傘下に入り、ホワイトが牛耳るフロリダ州タンパへと乗り込んでいくのだったが…。
<感想>原作はデニス・ルヘインが書き続けているボストンを舞台にした連作の一つで、一本筋の通ったギャングの一代記であり、制作総指揮にも名前を連ねているデニス・ルヘイン。その渋めの原作を、監督・脚本家としてのベン・アフレック監督が職人技ぶりが遺憾なく発揮され、冴えわたる映画でした。
ギャング稼業の非情な世界を彩るアクション、1920年代~30年代のアメリカのクラシカルな色味や、街並みの撮り方には品があり、テンポの良さと演出のメリハリで見せ場の多い作品に仕上げている。
往年のアメリカ映画で、ハンフリー・ボガードほかが演じてきたギャング像を、ベン・アフレックは敬意を込めて演じているようだ。観ていて痺れるほどに素晴らしかった。ノワール映画のヒーローに宛てたラブレターのようで嬉しくなってしまう。
特筆すべきは役者のアップ多用だろう。顔面の力で活劇を見せられるのは、やはり俳優出身の監督ならではの実力なのか。そして、聖女とも魔女ともつかないエル・ファニングが印象的だが、夢を持ってハリウッドへ女優志望で行ったのだが、ヤク中になり体も心もボロボロになり、帰ってきたけれど、カルト宗教に入ってしまうという。ファニングの賭博反対運動により、ジョーは痛手を受けて折角作った賭博をして大儲けしようとしたホテルが台無しになってしまうも、その後に彼女は自殺をしてしまう。これは彼女のルックスを逆手に取ったキャスティングが上手くいったようだ。エル・ファニング、彼女の特異質な芝居も必見であります。
それに、シェナ・ミラーの娼婦の役には、フマムファタールぶりも新鮮で良かった。
ですが、この映画を真に支えているのは、エル・ファニングの父親を演じているクリス・クーパーをはじめとする、ベテラン俳優であるおじ様たちの、脇役陣のお蔭だろう。
監督・脚本・主演作の連続で、ポスト・イーストウッド監督の地位を確実に手に収めたような、まさに今が旬といった作品でもある。
2017年劇場鑑賞作品・・・117映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/
あらすじ:禁酒法時代のボストン。警察幹部トーマス・コフリンの三男として生まれたジョーは、厳格な父に反発して家を飛び出し、不良仲間とチンピラ稼業に明け暮れていた。そんなある日、賭博場を襲撃したジョーは、そこでアイルランド系ギャングのボス、ホワイトの愛人エマと出会い恋に落ちる。しかしホワイトの罠にはまって刑務所送りとなってしまう。危険な獄中生活で裏社会での生きる術を身につけていったジョーは、父トーマスの尽力でわずか3年で出所すると、ホワイトと敵対するイタリアン・マフィアの傘下に入り、ホワイトが牛耳るフロリダ州タンパへと乗り込んでいくのだったが…。
<感想>原作はデニス・ルヘインが書き続けているボストンを舞台にした連作の一つで、一本筋の通ったギャングの一代記であり、制作総指揮にも名前を連ねているデニス・ルヘイン。その渋めの原作を、監督・脚本家としてのベン・アフレック監督が職人技ぶりが遺憾なく発揮され、冴えわたる映画でした。
ギャング稼業の非情な世界を彩るアクション、1920年代~30年代のアメリカのクラシカルな色味や、街並みの撮り方には品があり、テンポの良さと演出のメリハリで見せ場の多い作品に仕上げている。
往年のアメリカ映画で、ハンフリー・ボガードほかが演じてきたギャング像を、ベン・アフレックは敬意を込めて演じているようだ。観ていて痺れるほどに素晴らしかった。ノワール映画のヒーローに宛てたラブレターのようで嬉しくなってしまう。
特筆すべきは役者のアップ多用だろう。顔面の力で活劇を見せられるのは、やはり俳優出身の監督ならではの実力なのか。そして、聖女とも魔女ともつかないエル・ファニングが印象的だが、夢を持ってハリウッドへ女優志望で行ったのだが、ヤク中になり体も心もボロボロになり、帰ってきたけれど、カルト宗教に入ってしまうという。ファニングの賭博反対運動により、ジョーは痛手を受けて折角作った賭博をして大儲けしようとしたホテルが台無しになってしまうも、その後に彼女は自殺をしてしまう。これは彼女のルックスを逆手に取ったキャスティングが上手くいったようだ。エル・ファニング、彼女の特異質な芝居も必見であります。
それに、シェナ・ミラーの娼婦の役には、フマムファタールぶりも新鮮で良かった。
ですが、この映画を真に支えているのは、エル・ファニングの父親を演じているクリス・クーパーをはじめとする、ベテラン俳優であるおじ様たちの、脇役陣のお蔭だろう。
監督・脚本・主演作の連続で、ポスト・イーストウッド監督の地位を確実に手に収めたような、まさに今が旬といった作品でもある。
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