東南アジアのラオスを舞台に、ふとした弾みで殺人者として追われる身となってしまったアメリカ人医師の、決死の逃亡劇を描いたサスペンス。主演はドナルド・サザーランドの息子の一人、ロッシフ・サザーランド。監督は、これが長編デビューのジェイミー・M・ダグ。
あらすじ:ラオスでNGOの医療活動に従事する誠実なアメリカ人青年のジョン。激務が続き、久々の休暇をもらって一人リゾート地で疲れを癒す。夜、バーで飲んだ帰り道、地元女性に暴行を働く外国人観光客ともみ合いになり、過って撲殺してしまう。その後、一度は地元警察に逮捕されるも、隙をみて脱走すると、アメリカへ帰国するべく過酷な逃避行を繰り広げるジョンだったが…。
<感想>原題が「リバー」で、確かにメコン川が流れているラオスが舞台なのだが、邦題の「逆行」の付け方が上手いと思った。物語は、真面目なアメリカ青年ジョンが、ラオスの地で偶然に殺人を犯したしまうところから、俄然、走る、走る、逃げる逃げるの、逃亡劇であります。
仕事がNGOの医療活動に従事する医師なので、初めに患者の足を切断する手術シーンに驚き、荒っぽい性質なのかが見えて来て、どこか不穏になってくる。毎日忙しく働くジョンが、久々の休みでリゾート地へ遊びに行くのですが、確かに異国の美しい風景とか混沌とした路地裏、言葉も文化も違う海外で感じる楽しさもある反面に、不安と恐ろしさがあると思う。
ですが主人公ジョンの、やや過剰なまでの正義感が裏目に出て、酒場で若い大学生と思われる外国人が、若い地元の女に乱暴するのを見て、よせばいいのに、つい殴る蹴るの暴力事件になりその後に、またもや川岸でその若者が酔っぱらっていて、傍には女が倒れていた。
つい、レイプをしたんだろうと思い、その若者を殴る蹴るし、泥水の中へ顔を付け込んで、気づくと若者は死んでいた。その後に、女を起こすと寝ているだけで元気になる。それからは、その若者の死体を河に流して宿へと帰る。
しかし、次の朝目が覚めると、財布がないし、金も無い。それに、川でオーストラリア人の学生で、議員の父親がいることが分かり、犯人がジョンと分かって指名手配されてしまう。
一応、部屋には荷物の中にパスポートとお金が入っており、ラオスで医者と働いていたことを知っているおじさんに救われる。ラオスへと逃げる手助けをしてくれるのだ。車を乗り継ぎ、どこをどう走っているのか分からない。
それからが、宿代も支払わずに、逃げる、逃げる、の連続で、巻き込まれ型サスペンスだが、手持ちカメラで主人公に延々と密着することで、疑似ドキュメント路線を狙っているのだろう。
逃亡劇のハラハラ感はリアルで素晴らしいのだが、こういう映画は、ラストの落とし所をどうするかが決め手となる。もちろん、アメリカ大使館へと助けを求めるも、弁護士を付けて本人がどのような事態になったのかが問題なのだ。
殺人犯となれば、死刑になることは確実であり、何故に自首をしないのかと思えば、都合の悪いことから逃げ続ける姿にはイラっとするが、ジョンが恐怖感にかられてとにかくここから脱出したいと、そればかり考えている。
遊んだリゾート地から、自分が働いていたラオスへ一旦帰りたいと思ったのだろう。メコン川をラオスに向かって船をチャーターするも、降ろされてしまう。その男が、メコン川を泳いで渡れば向こう岸はラオスだと教えてくれるので、川を泳ぎ切るとすぐに張り込んでいた警察に捕まる。
アメリカ大使館と弁護士の配慮で、犯人としてあのレイプされた女が新犯人となって逮捕される。ジョンはアメリカへ強制送還のような手続きで帰されるのだ。
それを空港へいく途中のTVで観て、ジョンは自分は何をしているのかと、正義感が強いだけに、正当防衛とはいえ、自分の罪をあの女性になすりつけてしまうとは。それからが、ジョンの取った態度が「逆行」するんですね。邦題の付けた意味がすごく判って、納得のいく上手い幕切れで終わります。
2017年劇場鑑賞作品・・・110映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/
あらすじ:ラオスでNGOの医療活動に従事する誠実なアメリカ人青年のジョン。激務が続き、久々の休暇をもらって一人リゾート地で疲れを癒す。夜、バーで飲んだ帰り道、地元女性に暴行を働く外国人観光客ともみ合いになり、過って撲殺してしまう。その後、一度は地元警察に逮捕されるも、隙をみて脱走すると、アメリカへ帰国するべく過酷な逃避行を繰り広げるジョンだったが…。
<感想>原題が「リバー」で、確かにメコン川が流れているラオスが舞台なのだが、邦題の「逆行」の付け方が上手いと思った。物語は、真面目なアメリカ青年ジョンが、ラオスの地で偶然に殺人を犯したしまうところから、俄然、走る、走る、逃げる逃げるの、逃亡劇であります。
仕事がNGOの医療活動に従事する医師なので、初めに患者の足を切断する手術シーンに驚き、荒っぽい性質なのかが見えて来て、どこか不穏になってくる。毎日忙しく働くジョンが、久々の休みでリゾート地へ遊びに行くのですが、確かに異国の美しい風景とか混沌とした路地裏、言葉も文化も違う海外で感じる楽しさもある反面に、不安と恐ろしさがあると思う。
ですが主人公ジョンの、やや過剰なまでの正義感が裏目に出て、酒場で若い大学生と思われる外国人が、若い地元の女に乱暴するのを見て、よせばいいのに、つい殴る蹴るの暴力事件になりその後に、またもや川岸でその若者が酔っぱらっていて、傍には女が倒れていた。
つい、レイプをしたんだろうと思い、その若者を殴る蹴るし、泥水の中へ顔を付け込んで、気づくと若者は死んでいた。その後に、女を起こすと寝ているだけで元気になる。それからは、その若者の死体を河に流して宿へと帰る。
しかし、次の朝目が覚めると、財布がないし、金も無い。それに、川でオーストラリア人の学生で、議員の父親がいることが分かり、犯人がジョンと分かって指名手配されてしまう。
一応、部屋には荷物の中にパスポートとお金が入っており、ラオスで医者と働いていたことを知っているおじさんに救われる。ラオスへと逃げる手助けをしてくれるのだ。車を乗り継ぎ、どこをどう走っているのか分からない。
それからが、宿代も支払わずに、逃げる、逃げる、の連続で、巻き込まれ型サスペンスだが、手持ちカメラで主人公に延々と密着することで、疑似ドキュメント路線を狙っているのだろう。
逃亡劇のハラハラ感はリアルで素晴らしいのだが、こういう映画は、ラストの落とし所をどうするかが決め手となる。もちろん、アメリカ大使館へと助けを求めるも、弁護士を付けて本人がどのような事態になったのかが問題なのだ。
殺人犯となれば、死刑になることは確実であり、何故に自首をしないのかと思えば、都合の悪いことから逃げ続ける姿にはイラっとするが、ジョンが恐怖感にかられてとにかくここから脱出したいと、そればかり考えている。
遊んだリゾート地から、自分が働いていたラオスへ一旦帰りたいと思ったのだろう。メコン川をラオスに向かって船をチャーターするも、降ろされてしまう。その男が、メコン川を泳いで渡れば向こう岸はラオスだと教えてくれるので、川を泳ぎ切るとすぐに張り込んでいた警察に捕まる。
アメリカ大使館と弁護士の配慮で、犯人としてあのレイプされた女が新犯人となって逮捕される。ジョンはアメリカへ強制送還のような手続きで帰されるのだ。
それを空港へいく途中のTVで観て、ジョンは自分は何をしているのかと、正義感が強いだけに、正当防衛とはいえ、自分の罪をあの女性になすりつけてしまうとは。それからが、ジョンの取った態度が「逆行」するんですね。邦題の付けた意味がすごく判って、納得のいく上手い幕切れで終わります。
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