「夜叉」「鉄道員(ぽっぽや)」など数々の名作を手がけた降旗康男監督と木村大作カメラマンのコンビが9年ぶりにタッグを組み、「永遠の0」「海賊とよばれた男」の岡田准一を主演に迎えて贈るヒューマン・サスペンス。一つの殺人事件をきっかけに25年ぶりに再会した幼なじみ3人を主人公に、彼らが離ればなれになった過去の出来事と新たな事件の真相を、3人それぞれが辿った人生模様とともに綴る。共演は小栗旬、柄本佑、長澤まさみ、木村文乃、安藤サクラ、吉岡秀隆。
あらすじ:ある日、富山県の漁港で殺人事件が発生する。被害者の川端悟は捜査に当たる四方篤刑事の幼なじみだった。しかも、川端と事件の前日に会っていたという容疑者の田所啓太もまた幼なじみ。25年前、それぞれに親に捨てられた3人は喫茶“ゆきわりそう”を営む涼子と常連客の光男の世話になっていたのだった。しかしある事件を機に散り散りとなり、以来決して会うこともなかった。四方は田所の無実を確信しながらも、固く口を閉ざして真相を語ろうとしない彼に苛立ちを募らせるのだったが…。
<感想>日本人の映画らしい作品といっていいでしょう。好きか嫌いかが分かれると思いますが、私は好きな方の作品でした。冒頭の海の背景から、エンドタイトルの日没の実景まで、あくまでも映像は美しい。それにしても、太陽が隠れ始めてから、完全に没するまでがあんなに短いということを改めて気づかされた。
木村大作カメラマンの美しい映像美に、千住明の歌い上げるような音楽、円熟味のある俳優たちの、感情を乗せた演技と、嫌いな人にはきっと古臭く映るに違いない。ですが、この映画のような映像や音楽、俳優さんたちの演技が、映画の基本の形であると思います。
この映画の最大の見どころは、降旗康男監督と木村大作カメラマンのコラボレーションであり、82歳の監督と77歳のカメラマンのコンビを組むのは、16本目だという。本当に「あ・うん」の呼吸のような仕事ぶりは健在でした。
安藤サクラ演じる若き日の涼子が、真っ赤な夕日をみながら「今日も1日、無事終わりました。ありがとうございました」と感謝の言葉をつぶやくシーンがある。最後は、交通事故で記憶喪失になった涼子が映し出される。
涼子は、主人公の四方篤刑事や田所啓太、川端悟の3人を幼い頃に庇護していた女性でもあります。このセリフと夕日が伏線となり、ラストの感動につながる重要なシーンでもありましたね。
25年前の回想シーンで、3人の少年は若き日の涼子に、暴力を振るうヤクザな男をナイフで刺し、それを見た涼子が3人の少年たちを庇って、自分の手でナイフを抜き、自分が刺し殺したように、その罪で服役するのだ。そうして、涼子はそのヤクザの男との間に子供が出来て、刑務所の中で女の子を産む。その娘(木村文乃)と結婚をした建設業の田所啓太を、小栗旬が演じている。
それに、25年ぶりに故郷へ帰って来た川端悟、演じているのが柄本佑で、婿養子に入ったのはいいが、会社が倒産の危機にあい、金策のために昔の友達2人を訪ねて来る。
一番の主人公が、四方篤刑事の岡田准一で、その母親にはリリイが、息子に借金を返すために金を借りる。それに、自殺未遂までして息子を苦しめる。そして、離婚することになった妻に長澤まさみが扮している。この夫婦も詳しくは描いていないが、どうやら妻が流産をして夫婦の間に溝が生じ、別れることになったようだ。
数々の高倉健主演映画を作ってきた降旗康男監督と木村大作コンビであるから、男優たちの恰好良さを引き出すうまさに関しては、今更言うまでもないだろう。ですが、女優陣の美しさを、最大限に見せてくれるコンビであることも事実で、今回は安藤サクラ、篤の妻の長澤まさみ、啓太の妻の木村文乃、3人の女優が「ノーメイクであること」だという。確かに、三者三様の美しさを見せている。
若い俳優たちが渾身の演技を見せているのも、この映画の素晴らしさだろう。大人になって刑事という仕事を選んだ四方篤(岡田准一)と、殺人の嫌疑がかかった啓太(小栗旬)。幼馴染の二人が工事現場で怒鳴り合うシーンは、言葉の格闘と形容したくなる迫力でした。
特に、啓太の本当の心情を知って、もう一度見直した時、小栗旬の吐く言葉や見せる表情一つ一つに胸が締め付けられるようでしたね。
2017年劇場鑑賞作品・・・103映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/
あらすじ:ある日、富山県の漁港で殺人事件が発生する。被害者の川端悟は捜査に当たる四方篤刑事の幼なじみだった。しかも、川端と事件の前日に会っていたという容疑者の田所啓太もまた幼なじみ。25年前、それぞれに親に捨てられた3人は喫茶“ゆきわりそう”を営む涼子と常連客の光男の世話になっていたのだった。しかしある事件を機に散り散りとなり、以来決して会うこともなかった。四方は田所の無実を確信しながらも、固く口を閉ざして真相を語ろうとしない彼に苛立ちを募らせるのだったが…。
<感想>日本人の映画らしい作品といっていいでしょう。好きか嫌いかが分かれると思いますが、私は好きな方の作品でした。冒頭の海の背景から、エンドタイトルの日没の実景まで、あくまでも映像は美しい。それにしても、太陽が隠れ始めてから、完全に没するまでがあんなに短いということを改めて気づかされた。
木村大作カメラマンの美しい映像美に、千住明の歌い上げるような音楽、円熟味のある俳優たちの、感情を乗せた演技と、嫌いな人にはきっと古臭く映るに違いない。ですが、この映画のような映像や音楽、俳優さんたちの演技が、映画の基本の形であると思います。
この映画の最大の見どころは、降旗康男監督と木村大作カメラマンのコラボレーションであり、82歳の監督と77歳のカメラマンのコンビを組むのは、16本目だという。本当に「あ・うん」の呼吸のような仕事ぶりは健在でした。
安藤サクラ演じる若き日の涼子が、真っ赤な夕日をみながら「今日も1日、無事終わりました。ありがとうございました」と感謝の言葉をつぶやくシーンがある。最後は、交通事故で記憶喪失になった涼子が映し出される。
涼子は、主人公の四方篤刑事や田所啓太、川端悟の3人を幼い頃に庇護していた女性でもあります。このセリフと夕日が伏線となり、ラストの感動につながる重要なシーンでもありましたね。
25年前の回想シーンで、3人の少年は若き日の涼子に、暴力を振るうヤクザな男をナイフで刺し、それを見た涼子が3人の少年たちを庇って、自分の手でナイフを抜き、自分が刺し殺したように、その罪で服役するのだ。そうして、涼子はそのヤクザの男との間に子供が出来て、刑務所の中で女の子を産む。その娘(木村文乃)と結婚をした建設業の田所啓太を、小栗旬が演じている。
それに、25年ぶりに故郷へ帰って来た川端悟、演じているのが柄本佑で、婿養子に入ったのはいいが、会社が倒産の危機にあい、金策のために昔の友達2人を訪ねて来る。
一番の主人公が、四方篤刑事の岡田准一で、その母親にはリリイが、息子に借金を返すために金を借りる。それに、自殺未遂までして息子を苦しめる。そして、離婚することになった妻に長澤まさみが扮している。この夫婦も詳しくは描いていないが、どうやら妻が流産をして夫婦の間に溝が生じ、別れることになったようだ。
数々の高倉健主演映画を作ってきた降旗康男監督と木村大作コンビであるから、男優たちの恰好良さを引き出すうまさに関しては、今更言うまでもないだろう。ですが、女優陣の美しさを、最大限に見せてくれるコンビであることも事実で、今回は安藤サクラ、篤の妻の長澤まさみ、啓太の妻の木村文乃、3人の女優が「ノーメイクであること」だという。確かに、三者三様の美しさを見せている。
若い俳優たちが渾身の演技を見せているのも、この映画の素晴らしさだろう。大人になって刑事という仕事を選んだ四方篤(岡田准一)と、殺人の嫌疑がかかった啓太(小栗旬)。幼馴染の二人が工事現場で怒鳴り合うシーンは、言葉の格闘と形容したくなる迫力でした。
特に、啓太の本当の心情を知って、もう一度見直した時、小栗旬の吐く言葉や見せる表情一つ一つに胸が締め付けられるようでしたね。
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