水谷豊主演の大人気TVドラマの劇場版第4弾。50万人の観衆がつめかける日本選手の凱旋パレードに危機が迫る中、杉下右京とその4代目相棒・冠城亘が事件解決に奔走する。共演は反町隆史、仲間由紀恵、及川光博、六角精児ら新旧のレギュラー陣に加え、北村一輝、鹿賀丈史、山口まゆらが出演。監督は「探偵はBARにいる」「王妃の館」の橋本一。
あらすじ:ある日、英国で日本領事館関係者の集団毒殺事件が起こり、唯一の生き残りの少女・鷺沢瑛里佳が国際犯罪組織“バーズ”に誘拐される。しかし事件は表沙汰になることなく闇に葬り去られる。7年後、バーズのリーダー、レイブンが日本に潜伏しているとの情報を受け、国連犯罪情報事務局の元理事マーク・リュウが来日、特命係の杉下右京と冠城亘が案内役を務めることに。そんな中、何者かにより外務省のホームページがハッキングされ、鷺沢瑛里佳の現在の姿と日本政府に身代金を要求する動画が公開される。日本政府はテロ組織に対して毅然とした態度を示そうとするが、折しも銀座では、日本選手団の凱旋パレードが行われ、つめかけた50万人の見物客を標的にした大量無差別テロの可能性が明らかとなる。タイムリミットが迫る中、真犯人へと近づいていく右京だったが…。
<感想>2000年の誕生以来、毎回かかさず観ているので、それに再放送も現在TVで放送中であり、劇場版第4弾「相棒」を心待ちにしていました。今作では、少女誘拐事件を発端に、日本政府にレイブンは人質身代金9億円を要求するが日本政府はこれを拒否。謎の国際的犯罪組織が、無差別テロの対象としてクライマックスの「世界スポーツ競技大会」の祝勝パレードで、50万人を標的とした無差別テロ事件が展開されるさなか、特命係の杉下右京と相棒の冠城が事件解決のため、死力を尽くすさまを描いたもの。
主人公の杉下右京を演じる水谷豊の大ファンであり、彼のシビアで頭脳明晰なところと、ユーモアもある人情派でもある右京さんの演技にも感心しきり。それに相棒の4代目となる冠城亘の反町隆史さんの、背が高くてイケメンで飄々とした性格、それに主人公を出しゃばって喰ってないところも好きですね。
今回の物語では、戦前の歴史の裏側で苦悩した人たち。憎しみが倍増し日本政府に対しての哀しみに怒り、愛、いろいろな想いに葛藤しながら、それでも前に進まなければならない。日本人として忘れてはいけない部分をテーマ性にして盛り込み「相棒」らしい作品に仕上がっています。とにかく、ラスト近くでの50万人が集う「世界スポーツ競技大会」の祝勝パレードを狙ったテロという展開は、以前の日本では考えられなかったと思います。情報社会の現在、個人情報の悪用など犯罪の質も多様化している。そうした状況下で、人間はどうやって身を守るかを、今回も考えさせられました。
TV版のドラマでも「相棒」は、よく男同士の対等な関係とみなされる。だから、息の合った二人が、男同士の絆を深めて行く過程も映されます。そのなかでも鹿賀丈史さん扮する、国際犯罪組織「バーズ」を追って来日する「国連犯罪情報事務局」の元理事マーク・リュウを演じており、白髪で貫禄十分であります。
さらには北村一輝がバーズの主要メンバーで、すべてがベールに包まれた“黒衣の男”であり、スナイパーとして登場し、クライマックスでは冠城亘扮する反町隆史さんと激しいバトルを展開します。足の長い反町隆史のスマートなアクションに期待。
そして、右京さんたちの捜査をサポートするのが及川光博演じる2代目相棒であり、現在は警察庁勤務の神戸尊役の歴代相棒の共演も見どころの一つですね。
それに、冒頭のシーンで10歳で誘拐され行方不明となっていた少女・鷺沢瑛里佳に扮する「くちびるに歌を」の山口まゆらが熱演している。また、“相棒ファミリー”も勢ぞろいしており、甲斐峯秋役の石坂浩二、そして「Season15」で参戦した警視庁総務部広報課課長・社美彌子役の仲間由紀恵の姿をとらえていた。
それに、映画の見どころの一つが、頭脳明晰な推理はもちろんのこと、スクリーンでも走る右京さんの姿が、オープニングの雨の埠頭からクライマックスでの銀座のパレードまで各所で全力疾走を披露しています。
警察組織の枠組みを超えて活動する特命係は、捜査一課よりも早く現場に到着することが多々ある。伊丹刑事&芹沢刑事ら一課の縄張りを、右京さんは我が物顔で捜査してしまうのですから。それに、刑事部長に煙たがられる右京さんは、捜査会議からつまはじきされるも、かつての相棒の神戸さんらの協力を得て、またもや捜査本部より先に真実へと突き進むわけ。
警察庁と警視庁のお偉方が顔を揃える会議にも、臆することなく突入するのが右京流であります。誤った捜査方針を覆すため、理路整然と正論を言い放つ右京さんには、拍手を贈りたいですね。
そして、犯行声明の動画に映り込んだわずかな手がかりを頼りに、今は警察学校にいる元監視官の六角精児に、動画の中に聞こえる列車の音を調べてもらい、鷺沢瑛里佳が監禁されている、犯行グループ・パーズのアジトを見つけ救出するのだ。そこで、右京はすでに逃亡している犯人の標的が、大規模な凱旋パレードでの無差別大量テロだと気付くのですから。
そのアジトで見つけた戦時中と思しき古い写真から、それが今回の犯行動機を指す鍵とにらんだ右京は、事件の核心へと迫っていくのです。つまり、首謀者である真犯人は、あの白髪の○○○・リュウであり、追い詰めて行く右京が、50万人分の致死量がある化学物質をレイブンが、パレードでばら撒くことを阻止するために、右京さんがスナイパーに対して体を張って制するのは、お見事としか言いようがありません。
さすがに、クライマックスでのパレードのシーンですが、北九州市小倉の目抜き通り6車線を半日間封鎖して、3000人のエキストラを動員しての撮影。未曽有のテロの危機に向き合う右京と冠城の姿勢、“諦めない気持ち”が、事件に立ち向かう時に2人は決して諦めません。それが警察官である我々の使命なんだと言う。
劇場版「相棒」が描き続けてきた社会派なテーマ、2008年に公開された第1作から第4作にあたる今作まで、「相棒」劇場版が一貫として描いてきたのが、“国家の正義”であり、官僚の隠蔽工作や国防問題などといった、現代の世相をは反映した骨太なテーマに挑戦しつづけており、今作ではそのスケール感がアップしており、半端じゃないですからね。どうか劇場でご覧ください。
2017年劇場鑑賞作品・・・33映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/
あらすじ:ある日、英国で日本領事館関係者の集団毒殺事件が起こり、唯一の生き残りの少女・鷺沢瑛里佳が国際犯罪組織“バーズ”に誘拐される。しかし事件は表沙汰になることなく闇に葬り去られる。7年後、バーズのリーダー、レイブンが日本に潜伏しているとの情報を受け、国連犯罪情報事務局の元理事マーク・リュウが来日、特命係の杉下右京と冠城亘が案内役を務めることに。そんな中、何者かにより外務省のホームページがハッキングされ、鷺沢瑛里佳の現在の姿と日本政府に身代金を要求する動画が公開される。日本政府はテロ組織に対して毅然とした態度を示そうとするが、折しも銀座では、日本選手団の凱旋パレードが行われ、つめかけた50万人の見物客を標的にした大量無差別テロの可能性が明らかとなる。タイムリミットが迫る中、真犯人へと近づいていく右京だったが…。
<感想>2000年の誕生以来、毎回かかさず観ているので、それに再放送も現在TVで放送中であり、劇場版第4弾「相棒」を心待ちにしていました。今作では、少女誘拐事件を発端に、日本政府にレイブンは人質身代金9億円を要求するが日本政府はこれを拒否。謎の国際的犯罪組織が、無差別テロの対象としてクライマックスの「世界スポーツ競技大会」の祝勝パレードで、50万人を標的とした無差別テロ事件が展開されるさなか、特命係の杉下右京と相棒の冠城が事件解決のため、死力を尽くすさまを描いたもの。
主人公の杉下右京を演じる水谷豊の大ファンであり、彼のシビアで頭脳明晰なところと、ユーモアもある人情派でもある右京さんの演技にも感心しきり。それに相棒の4代目となる冠城亘の反町隆史さんの、背が高くてイケメンで飄々とした性格、それに主人公を出しゃばって喰ってないところも好きですね。
今回の物語では、戦前の歴史の裏側で苦悩した人たち。憎しみが倍増し日本政府に対しての哀しみに怒り、愛、いろいろな想いに葛藤しながら、それでも前に進まなければならない。日本人として忘れてはいけない部分をテーマ性にして盛り込み「相棒」らしい作品に仕上がっています。とにかく、ラスト近くでの50万人が集う「世界スポーツ競技大会」の祝勝パレードを狙ったテロという展開は、以前の日本では考えられなかったと思います。情報社会の現在、個人情報の悪用など犯罪の質も多様化している。そうした状況下で、人間はどうやって身を守るかを、今回も考えさせられました。
TV版のドラマでも「相棒」は、よく男同士の対等な関係とみなされる。だから、息の合った二人が、男同士の絆を深めて行く過程も映されます。そのなかでも鹿賀丈史さん扮する、国際犯罪組織「バーズ」を追って来日する「国連犯罪情報事務局」の元理事マーク・リュウを演じており、白髪で貫禄十分であります。
さらには北村一輝がバーズの主要メンバーで、すべてがベールに包まれた“黒衣の男”であり、スナイパーとして登場し、クライマックスでは冠城亘扮する反町隆史さんと激しいバトルを展開します。足の長い反町隆史のスマートなアクションに期待。
そして、右京さんたちの捜査をサポートするのが及川光博演じる2代目相棒であり、現在は警察庁勤務の神戸尊役の歴代相棒の共演も見どころの一つですね。
それに、冒頭のシーンで10歳で誘拐され行方不明となっていた少女・鷺沢瑛里佳に扮する「くちびるに歌を」の山口まゆらが熱演している。また、“相棒ファミリー”も勢ぞろいしており、甲斐峯秋役の石坂浩二、そして「Season15」で参戦した警視庁総務部広報課課長・社美彌子役の仲間由紀恵の姿をとらえていた。
それに、映画の見どころの一つが、頭脳明晰な推理はもちろんのこと、スクリーンでも走る右京さんの姿が、オープニングの雨の埠頭からクライマックスでの銀座のパレードまで各所で全力疾走を披露しています。
警察組織の枠組みを超えて活動する特命係は、捜査一課よりも早く現場に到着することが多々ある。伊丹刑事&芹沢刑事ら一課の縄張りを、右京さんは我が物顔で捜査してしまうのですから。それに、刑事部長に煙たがられる右京さんは、捜査会議からつまはじきされるも、かつての相棒の神戸さんらの協力を得て、またもや捜査本部より先に真実へと突き進むわけ。
警察庁と警視庁のお偉方が顔を揃える会議にも、臆することなく突入するのが右京流であります。誤った捜査方針を覆すため、理路整然と正論を言い放つ右京さんには、拍手を贈りたいですね。
そして、犯行声明の動画に映り込んだわずかな手がかりを頼りに、今は警察学校にいる元監視官の六角精児に、動画の中に聞こえる列車の音を調べてもらい、鷺沢瑛里佳が監禁されている、犯行グループ・パーズのアジトを見つけ救出するのだ。そこで、右京はすでに逃亡している犯人の標的が、大規模な凱旋パレードでの無差別大量テロだと気付くのですから。
そのアジトで見つけた戦時中と思しき古い写真から、それが今回の犯行動機を指す鍵とにらんだ右京は、事件の核心へと迫っていくのです。つまり、首謀者である真犯人は、あの白髪の○○○・リュウであり、追い詰めて行く右京が、50万人分の致死量がある化学物質をレイブンが、パレードでばら撒くことを阻止するために、右京さんがスナイパーに対して体を張って制するのは、お見事としか言いようがありません。
さすがに、クライマックスでのパレードのシーンですが、北九州市小倉の目抜き通り6車線を半日間封鎖して、3000人のエキストラを動員しての撮影。未曽有のテロの危機に向き合う右京と冠城の姿勢、“諦めない気持ち”が、事件に立ち向かう時に2人は決して諦めません。それが警察官である我々の使命なんだと言う。
劇場版「相棒」が描き続けてきた社会派なテーマ、2008年に公開された第1作から第4作にあたる今作まで、「相棒」劇場版が一貫として描いてきたのが、“国家の正義”であり、官僚の隠蔽工作や国防問題などといった、現代の世相をは反映した骨太なテーマに挑戦しつづけており、今作ではそのスケール感がアップしており、半端じゃないですからね。どうか劇場でご覧ください。
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