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ブラック・ファイル 野心の代償 ★★★

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大手製薬会社の薬害問題を追及する野心家の若手弁護士が、人間のさまざまな欲望が絡み合う陰謀に巻き込まれるサスペンス。『トランスフォーマー』シリーズなどのジョシュ・デュアメルが主演を務め、オスカー俳優アル・パチーノとアンソニー・ホプキンスが共演を果たす。さらに『G.I.ジョー』シリーズなどのイ・ビョンホン、『ウォッチメン』などのマリン・アッカーマンらが出演。テレビドラマ「ザ・フォロイング」などで脚本を手掛けてきたシンタロウ・シモサワがメガホンを取る。
あらすじ:アメリカ屈指の製薬会社の薬害問題を追うチャールズ・エイブラムス(アル・パチーノ)率いる弁護団は、決定的な証拠を見つけられずにいた。チャールズの事務所に所属する野心家の弁護士ベン・ケイヒル(ジョシュ・デュアメル)は、ある女性から製薬会社の秘密の臨床ファイルを手に入れる。しかし、それを機にベンは人間の欲望に振り回され、思いも寄らぬ状況に追い込まれていき……。

<感想>とにかくアル・パチーノとアンソニー・ホプキンスが共演という御大と、殺し屋のイ・ビョンホンに主人公がジョシュ・デュアメルという素晴らしいキャスティングに惚れ込んで観た。ですが、それほどに巨匠俳優2人を巧く使っているように見えなかった。

『トランスフォーマー』シリーズなどのジョシュ・デュアメルが弁護士という設定も心配になったものの、アンソニー・ホプキンスとアル・パチーノ扮する怪物キャラに翻弄されまくる役柄を演じると言う点では、その薄っぺらい感じが功を奏して中々のハマり役ぶりを見せていた。

ストーリーも「ザ・ファーム/法律事務所」に「ゴーン・ガール」を掛け合わせてみました的な感じで真新しくもないのだが、2人の御大がやたらと物語を引っ張るし、いいところをさらっていくので最後まで観てしまう。
しかし、大手製薬会社のCEOであるホプキンスの愛人、エミリーが誘拐されて、身代金250万ドルを要求してきた。これも、CEO自ら金を持って、エミリーを誘拐した犯人のところへ行くというのも変ですから。美術館で身代金を持ったホプキンスが、犯人と思われる男をぶん殴ってしまうところも変。飛び切りヤバいファム・ファタルが登場して、セックスとバイオレンスが物語を駆動するのですから。つまり、フィルムノワールのエッセンスが詰まった映画ですね。

その間に、愛人の女が主人公の弁護士を誘惑するシーンもあり、この女の狂言誘拐だとすぐに分かる。ですが、このエミリーが殺されてベンの自宅のソファに寝ているのには驚いた。ベンを殺人犯に仕立て上げるとは。誰が、いったい何のために仕組んだのか。

結局は、若い弁護士ベンを巡っての仲間の恨みとか、妻が医者なのだが夫と上手くいってないのだ。つまり、子供を流産してしまい、その後傷心の妻は夫が浮気をしているのではと勘繰り、エミリーの部屋に行き夫との中を問い詰めて、つい魔がさしたのか殴り合いになり、エミリーが薬をやっているので、倒れた先の角に、頭を打ち付けて死んでしまう。

すぐにでも救急車を呼べば助かったものの、妻は傍に殺し屋のイ・ビョンホンがいたので、自分の家へ運んでもらう。イ・ビョンホンは、アーサーの薬害の被害者であり余命宣告をされていた。だから、彼がエイブラハムに手を貸したのは、その真実を知りたかったから。まさか、アーサーとエイブラハムが癒着しているとは。

弁護士ベンの上司のアル・パチーノは、したたかな上司でホプキンスの会社の薬害問題の訴訟をやりたいので、ベンに頼むのだが、自分の大事にしている高級万年筆をベンに差し出して、絶対に勝ち取るようにとベンに期待する。それが、あっさりとホプキンスは負けを認めて、4億を支払うことに。3億は被害者に、後の1億はエイブラハムが勝ち取るのですから。
ですが、妻が愛人のエミリーを殺し、ベンが殺し屋を教会で殴り殺す。それに、ラストで呆気に取られてしまったのが、アル・パチーノが拳銃自殺をしてしまうところ。何気ない顔で
大物なのは、アンソニー・ホプキンスだと言うこと。
何ですか、穴だらけのぎくしゃくとした変な構成なのだが、本当に面白いのは、この監督が明らかにハリウッドのメインストリームとは違う映画にしようとしているところにある。意識的なフレーム使いや窓越しのショット、たっぷりのカメラの回転など、あの監督やこの監督を思い出してしまった。

2017年劇場鑑賞作品・・・29映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/

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