「密告・者」「激戦 ハート・オブ・ファイト」のダンテ・ラム監督が、自転車プロ・ロードレースの世界を舞台に贈るアクション・ドラマ。出演は「激戦 ハート・オブ・ファイト」のエディ・ポン、「サンザシの樹の下で」のショーン・ドウ、「ヘリオス 赤い諜報戦」のチェ・シウォン。チョン・ジウォンがエースを務める自転車ロードレースチーム“レディエント”にアシストとして所属することになったチウ・ミンとティエン。2人の活躍でチョン・ジウォンは勝利を重ねていくが、やがてレディエントは資金難に陥り、3人は別のチームに移籍して、それぞれがエースとなって対決することになるのだったが…。
<感想>世界的に自転車ロードレースのファンは多いらしい。うちの娘もツール・ド・フランスの実況をいつも見ているので、つい一緒に見て熱くなってる。あの「疑惑のチャンピオン」で、ランス・アームストロングがドーピングをしていたという映画も昨年観たばかり。そこへ台湾各地で連載し、世界をめざすロードレーサーの物語の登場ですが、苛烈なライバル競争とともに、資金をめぐる裏話がシリアスでありました。
しかも俳優たちが実際にトレーニングを受けて、自転車に乗っているというから驚く。だからこそ、レースの迫力は満点で表情にも嘘が見られませんから。スタントマンを使わずに、俳優がレーサーを演じきっており、街中を駆け抜け、砂漠の中を走り、山道をもがくように登っていくたくさんの自転車と、それぞれ色とりどりのユニホームを着た選手を見せる、映像美の綺麗なことといったらない。
それは命がけで迫力はあるものの、けが人続出と言う宣伝用の記事を読むと心が痛む。ですが、ドキュメンタリーかと見まがうオープニングの後で、ここがクライマックスなんじゃないかと思えるド迫力のシーンが早くも登場する。しかし、それですら序の口で、次々と登場するレースシーンの凄さはもう、観てもらうしかないでしょう。猛烈なスピード感と、その運動に伴なって空間が開けて行く圧倒的な爽快さに目が釘付けになってしまう。
レースシーンの一貫したリアリティに比べ、のどかな女性スプリンターのシーヤオを巡る三角関係のロマンス劇は、必要ないと思うのだが、それが思っていたほど単純明快な物語ではないと、やがて分かって来る。そこに競技人生を左右するケガ、再起不能かと思われたどん底からの手術、ドーピングを乗り越えての復帰まで盛り込まれており、面白さもてんこ盛りなおである。
初めアシストにミンのエディ・ポンと、ティエンのショーン・ドウが、エースのジウォンの補助的な役割をしているも、いつかは自分たちもエースの座を勝ち取りたいと懸命に励むのだが。男女問わずに出てくる者たちが、どこまでも熱くて爽やかで正々堂々としているのが良かった。
そこにただでさえスピーディなロードレースの描写が乗っかるので、スイスイと観てしまう。だが、やはり上位を走っている者たちの熾烈な戦いは、トンネルの中でド付き合いの喧嘩でもしているかのように、1位の座を奪いとるかのように、2位の者を蹴散らかしても優勝したいのだ。
スピードの勝負であるとともに、過酷な格闘技を観ているかのような側面もあり、戦略と体力と集中力すべてに優れた者だけが勝者になれる、厳しくも美しい世界なのであります。
ですが、舞台も台湾南部の高雄や武嶺峠、スイスのマッターホルン、韓国の競輪場と上海など風光明媚な場所から、欲望ギラつく場所までグルグルとめぐる上に、主人公のマディソン競技までやらせたりと飽きさせないところもいい。ですが、各キャラの設定や造形がお決まりな感じであり、展開も予定調和ゆえにグイグイとこないのも正直なところでした。
2017年劇場鑑賞作品・・・28映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/
<感想>世界的に自転車ロードレースのファンは多いらしい。うちの娘もツール・ド・フランスの実況をいつも見ているので、つい一緒に見て熱くなってる。あの「疑惑のチャンピオン」で、ランス・アームストロングがドーピングをしていたという映画も昨年観たばかり。そこへ台湾各地で連載し、世界をめざすロードレーサーの物語の登場ですが、苛烈なライバル競争とともに、資金をめぐる裏話がシリアスでありました。
しかも俳優たちが実際にトレーニングを受けて、自転車に乗っているというから驚く。だからこそ、レースの迫力は満点で表情にも嘘が見られませんから。スタントマンを使わずに、俳優がレーサーを演じきっており、街中を駆け抜け、砂漠の中を走り、山道をもがくように登っていくたくさんの自転車と、それぞれ色とりどりのユニホームを着た選手を見せる、映像美の綺麗なことといったらない。
それは命がけで迫力はあるものの、けが人続出と言う宣伝用の記事を読むと心が痛む。ですが、ドキュメンタリーかと見まがうオープニングの後で、ここがクライマックスなんじゃないかと思えるド迫力のシーンが早くも登場する。しかし、それですら序の口で、次々と登場するレースシーンの凄さはもう、観てもらうしかないでしょう。猛烈なスピード感と、その運動に伴なって空間が開けて行く圧倒的な爽快さに目が釘付けになってしまう。
レースシーンの一貫したリアリティに比べ、のどかな女性スプリンターのシーヤオを巡る三角関係のロマンス劇は、必要ないと思うのだが、それが思っていたほど単純明快な物語ではないと、やがて分かって来る。そこに競技人生を左右するケガ、再起不能かと思われたどん底からの手術、ドーピングを乗り越えての復帰まで盛り込まれており、面白さもてんこ盛りなおである。
初めアシストにミンのエディ・ポンと、ティエンのショーン・ドウが、エースのジウォンの補助的な役割をしているも、いつかは自分たちもエースの座を勝ち取りたいと懸命に励むのだが。男女問わずに出てくる者たちが、どこまでも熱くて爽やかで正々堂々としているのが良かった。
そこにただでさえスピーディなロードレースの描写が乗っかるので、スイスイと観てしまう。だが、やはり上位を走っている者たちの熾烈な戦いは、トンネルの中でド付き合いの喧嘩でもしているかのように、1位の座を奪いとるかのように、2位の者を蹴散らかしても優勝したいのだ。
スピードの勝負であるとともに、過酷な格闘技を観ているかのような側面もあり、戦略と体力と集中力すべてに優れた者だけが勝者になれる、厳しくも美しい世界なのであります。
ですが、舞台も台湾南部の高雄や武嶺峠、スイスのマッターホルン、韓国の競輪場と上海など風光明媚な場所から、欲望ギラつく場所までグルグルとめぐる上に、主人公のマディソン競技までやらせたりと飽きさせないところもいい。ですが、各キャラの設定や造形がお決まりな感じであり、展開も予定調和ゆえにグイグイとこないのも正直なところでした。
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