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アズミ・ハルコは行方不明 ★★

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地方に暮らす女性たちの鬱屈や葛藤を綴った人気作家・山内マリコの同名小説を「スイートプールサイド」「私たちのハァハァ」の松居大悟監督、「フラガール」「百万円と苦虫女」の蒼井優主演で映画化した青春ドラマ。とある地方都市を舞台に、ある日突然失踪した27歳のOL安曇春子の心の軌跡を、男たちをボコる女子高生ギャング団、春子の顔をモチーフにしたグラフィティ・アートでバンクシーを気取る若者3人組、それぞれのエピソードを複雑に交錯させつつヴィヴィッドに描き出す。共演は「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」の高畑充希。
あらすじ:とある地方都市。実家で両親と祖母と暮らす27歳の安曇春子。家には義母を一人で介護する母のストレスが充満し、会社ではワンマン社長と専務のセクハラ発言に晒される毎日。そんなある日、彼女は女子高生のギャング団に暴行された幼なじみの曽我と再会する。一方、成人式の会場で中学時代の同級生、ユキオと出会った20歳の愛菜。その後2人は同じく同級生の学とも再会。ユキオと学は覆面アーティストのバンクシーに憧れ、チーム名“キルロイ”を名乗ってグラフィティ・アートを始めるのだったが…。

<感想>長いこと上映しているので気になって鑑賞したが、これは失敗でした。普通こういうドラマは、TVで十分でしょうに、何故に映画化したのか分からない。じつにつまらない内容であった。主人公であるOL安曇春子に、蒼井優が扮しており、キャバ嬢で同級生と壁画をアートとしてはしゃぎながらスプレーして歩く女に高畑充希が扮しており、彼女は時折奇声を上げてふざけ回る。少しおつむが足りない役柄なのだろう、男友達ともすぐに寝てしまうし、その男が自分がその女に飽きてしまい、友達に紹介してやるという。

普通、そんな男の勝手で、友達をあてがわれたら絶対に寝ないでしょうに、ですがこのパープーキャバ嬢は寝てしまう。呆れて物が言えない。そのユキオと学は、夜になると壁にグラフィティ・アートと称してスプレーをして描くのだが、ただの落書きにしか見えない。こんなの映画でしてもいいと言っているようなもので、スプレーで町の壁に吹き付けて、芸術家気取りでいるバカ者たちは警察が厳しく取り締まらないといけない。

挙句に、交番の横に張り付けてある人探しのチラシを、アートのようにスプレーして喜んでいるなんて。これは迷惑であり、称賛すべきものではありませんから。交番の警察官も何も注意するわけでもなく、黙ってうろうろと立っているだけ。加瀬亮が扮しているのだ。

肝心の安曇春子に扮している蒼井優は、実家に居候をしており、母親は祖母が認知症でその世話に明け暮れて、かなりストレスが溜まっているように見えた。春子の家の向かいに住んでいる同級生の曽我が気に成り、少女暴力団に乱暴されてケガをしているのを治療してやり、そのままセックスまでしてしまう。なんらかの関係が出来るのが、すべて同級生という点からしても、彼らが暮らすのは地方都市である。

だから、タイトルのアズミ・ハルコだが、時制が入り乱れて構成されているため、いつ行方不明になったのかよく分からなくて、それがこの映画の最大のどうでもいい構成なのだろう。
ですが、観ていて地方性が感じられなく、町の景観の問題とかではなく、彼らを取り巻く空気感がそうなのだ。だから、まさしく地方都市の鬱屈とした日常を照らしだすわけで、閉鎖された雰囲気が出ていれば、もっと面白くなったはずなのに残念である。

それでも、少女暴力団とか落書きアートとか、いろいろと工夫はしているようだが、それも、春子を軸にストレートに話を進めるのを回避するためだと見えてしまうのだ。
原作者の山内さんは、「20代の終わりごろに強く感じた、停滞感やいら立ち、言いようのない寂しさを、ひとりの女の子に託して物語にしました」と作品に込めた思いを明かしているのだが、その女の子を蒼井優さんが演じているだけで、この映画が持っているようだ。

2017年劇場鑑賞作品・・・22映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/

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