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スノーデン ★★★

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名匠オリヴァー・ストーン監督が、アメリカ政府による国際的な個人情報監視の事実を暴き世界を震撼(しんかん)させた「スノーデン事件」の全貌に迫る人間ドラマ。CIAおよびNSA(アメリカ国家安全保障局)職員だったエドワード・スノーデン氏がキャリアや恋人との幸せな人生を捨て、重大な告発を決意するまでの過程を描く。スノーデン氏をジョセフ・ゴードン=レヴィット、その恋人をシャイリーン・ウッドリーが演じるほか、オスカー女優メリッサ・レオ、ザカリー・クイント、トム・ウィルキンソンらが脇を固める。
あらすじ:2013年6月、元CIAおよびNSA(アメリカ国家安全保障局)職員エドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)の内部告発により、アメリカ政府がひそかに作り上げた国際的な監視プログラムの存在が明らかになる。そこに至る9年の間、国を愛する平凡な若者はテロリストばかりか民間企業や個人、同盟国までも対象とされ、全世界のメールや携帯電話での通話が監視されている現実に危機感を募らせていた。

<感想>史上最大の内部告発を行った男、エドワード・スノーデンの内面に迫った実話ドラマであり、「プラトーン」、「7月4日に生まれて」で二度のアカデミー監督賞に輝くオリヴァー・ストーン監督が、二冊のスノーデンに関するノンフィクションを、キーラン・フィッツジェラルドと共同で脚色、映画化したもの。

スノーデンを演じたのが、「ザ・ウォーク」のジョセフ・ゴードン=レヴィットであり、その恋人には「きっと、星のせいじゃない。」のシャイリーン・ウッドリーが扮している。その他の共演には、厳格な指導教官コービンにリス・エヴァンズ。

それにオタク風のエンジニアで教官でもあるハンクに、ニコラス・ケージが扮しており、スノーデンと同じように告発しようとするも、窓際に押しやられる役をしていた。
そして、CIAの訓練センターで持ち前のコンピューター知識を存分に発揮し、厳しい指導教官コービンにも一目置かれる存在となる。だが、ジュネーブに派遣されるも、現地での活動を知り疑問を持つようになる。あらゆる情報を収集する検索システムにより、テロとは無関係な情報まで集められていたのだ。CIAを辞職して、民間企業からの契約者としてNSAの任務をこなすスノーデンは次第にある決意を固めていく。

情報のデジタル化によりいつでも何処でも誰とでも自由に繋がる社会が実現しつつある中で、物議を醸したのが2013年のスノーデン騒動であります。テロ防止という名目で米政府が、個人のメールや通話内容など国内外であらゆる個人データーを秘密に収集し、分析していることを暴露したのだ。

この映画では、ローラ・ポイトラス監督の「シチズンフォー・スノーデンの暴露」に登場していた監督をメリッサ・レオが扮しており、記者の再現性が高いのと、ジョセフ・ゴードン=レヴィットがスノーデンの話し方まで、そっくりにコピーしているのにさすがに役者だと思った。ですが、劇中にも登場するホテルでの記者たちとの接触と、彼らからの取材がメインであったようにも取れる。それゆえに彼の経歴、暴露までの経緯にしっかりと触れることもなく、CIAによる監視されている可能性を危惧しながらも、彼のインタビューを撮影するシーンも良かった。

しかし、後半で指導教官コービンとスノーデンが会議室で対峙するシーンに、目を惹く演出があり、祖国に理想を抱いていた青年が、国の在り方に疑問を持ち、失望し苦悩の末に勇気を奮い起こすまでの心の動きを克明に描写しており、スノーデン一代記として描いている。
2013年に内部告発をした後のスノーデンは、最初はアイスランドへ政治的亡命を希望するが、受け入れられず、その後香港からロシアに空路渡り、ロシアに入国していないままに、18国への亡命申請を行うも、後に撤回する。最終的にはロシアに入国した。ロシアへの滞在は当初は1年間の期限付きだったが、2014年に許可が3年間延長され、現在もなおロシアに滞在中である。
ラストでモスクワへと、スノーデンを追っていった恋人のリンゼイの物語が丁寧に付加されており、作品のテーマに厚みを持たせている。
それでも、二本の映画が堂々と制作公開されるアメリカ文化に希望をもちたいですね。

2017年劇場鑑賞作品・・・21映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/

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