『ビフォア』シリーズなどで俳優としてはもちろん、映画監督としても才能を発揮するイーサン・ホークが監督を務めたドキュメンタリー。人生に迷っていた時期に出会ったピアノ教師のシーモア・バーンスタイン氏にカメラを向け、彼の紆余(うよ)曲折の半生を振り返る。数々のドキュメンタリー作品に携ってきたグレッグ・ルーザーらが製作を担当。優雅なピアノの音色と共に描かれる、元ピアニストの温和な笑顔が背中を押してくれる。
あらすじ: 人生に行き詰まり、悩みを抱えていたイーサン・ホークは、ある夕食会で出会った84歳のピアノ教師シーモア・バーンスタインに魅了され、救われたという。本作は、そんなイーサン・ホークが自らメガフォンを取り、89歳になるシーモア・バーンスタインの人生と、その豊かな人生経験から発せられるあたたかく示唆に富んだ言葉の数々を、彼が奏でる美しいピアノの調べとともにカメラに収めた感動ドキュメンタリー。
<感想>世界的に高名なピアノ教師であるシーモア・バーンスタインの、人物ドキュメンタリー。シーモア氏は、才能ある演奏家で作曲家でもあり、その人生はそれだけでも語られる魅力が十分にあります。ですが、89歳になる彼のドキュメンタリー映画はこれまでにはなかった。
では、どうしてイーサン・ホークが何故にこの映画を作ったのか。彼が個人的に抱いていた生きる意味についての問いと、指導者としてのシーモア氏との出会いが、シンクロしたからなのだ。
演奏テクニックだけでなく、ピアノに向かう姿勢、音楽に対する態度を重視する教育スタンスは、監督のイーサン・ホークが魅せられたように、汲めども尽きぬ含蓄と説得力を持っているからなのだ。
ほぼ最初から最後までずっと、シーモアさんが喋っているのですが、幾らでも聞いていられる。それは、彼の話が興味深いからだけではなく、彼の表情が、物腰が、何ともフォトジェニックだからなのだ。
シーモア・バーンスタインというピアニストをネットで調べても、CDは1枚も表示されない。しかし、本作を見ると彼が優れたピアノ演奏家であり、音楽教師であり、類いまれなる人間的魅力の持ち主であることが判るのだ。
飄々としたユーモラスな語り口、芸術家特有の気難しさは全く感じられないが、深遠な言葉が、彼のピアノのように優しい声色で次々と彼の口から出て来るのだ。ドキュメンタリーというと、映画的完成度よりもテーマが重視されるのだが、撮影、編集、録音も見事で、イーサン・ホークの彼に対する崇拝の念が溢れだしているのが判る。
誰が、何故に、その人物を撮りたかったのか。本作ではそれについてのドキュメンタリーでもある。ラストの演奏カットは、監督の被写体への愛にあふれているのが分かる。
2016年劇場鑑賞作品・・・269<映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/font>
あらすじ: 人生に行き詰まり、悩みを抱えていたイーサン・ホークは、ある夕食会で出会った84歳のピアノ教師シーモア・バーンスタインに魅了され、救われたという。本作は、そんなイーサン・ホークが自らメガフォンを取り、89歳になるシーモア・バーンスタインの人生と、その豊かな人生経験から発せられるあたたかく示唆に富んだ言葉の数々を、彼が奏でる美しいピアノの調べとともにカメラに収めた感動ドキュメンタリー。
<感想>世界的に高名なピアノ教師であるシーモア・バーンスタインの、人物ドキュメンタリー。シーモア氏は、才能ある演奏家で作曲家でもあり、その人生はそれだけでも語られる魅力が十分にあります。ですが、89歳になる彼のドキュメンタリー映画はこれまでにはなかった。
では、どうしてイーサン・ホークが何故にこの映画を作ったのか。彼が個人的に抱いていた生きる意味についての問いと、指導者としてのシーモア氏との出会いが、シンクロしたからなのだ。
演奏テクニックだけでなく、ピアノに向かう姿勢、音楽に対する態度を重視する教育スタンスは、監督のイーサン・ホークが魅せられたように、汲めども尽きぬ含蓄と説得力を持っているからなのだ。
ほぼ最初から最後までずっと、シーモアさんが喋っているのですが、幾らでも聞いていられる。それは、彼の話が興味深いからだけではなく、彼の表情が、物腰が、何ともフォトジェニックだからなのだ。
シーモア・バーンスタインというピアニストをネットで調べても、CDは1枚も表示されない。しかし、本作を見ると彼が優れたピアノ演奏家であり、音楽教師であり、類いまれなる人間的魅力の持ち主であることが判るのだ。
飄々としたユーモラスな語り口、芸術家特有の気難しさは全く感じられないが、深遠な言葉が、彼のピアノのように優しい声色で次々と彼の口から出て来るのだ。ドキュメンタリーというと、映画的完成度よりもテーマが重視されるのだが、撮影、編集、録音も見事で、イーサン・ホークの彼に対する崇拝の念が溢れだしているのが判る。
誰が、何故に、その人物を撮りたかったのか。本作ではそれについてのドキュメンタリーでもある。ラストの演奏カットは、監督の被写体への愛にあふれているのが分かる。
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