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マダム・フローレンス! 夢見るふたり★★★

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ニューヨーク社交界の顔にしてソプラノ歌手でもあった実在の女性、フローレンス・フォスター・ジェンキンスをモデルにしたドラマ。絶望的な音痴であるにもかかわらずソプラノ歌手になる夢を追う彼女と、それをかなえようと奮闘する夫の姿を描く。監督は、『クィーン』などのスティーヴン・フリアーズ。アカデミー賞の常連メリル・ストリープと、『アバウト・ア・ボーイ』などのヒュー・グラントが妻と夫を快演する。インパクトのある歌唱シーンや、夢を持つことの尊さを訴えた物語に魅せられる。

あらすじ: ニューヨークの社交界のトップ、マダム・フローレンス(メリル・ストリープ)の尽きない愛と財産は、夫のシンクレア(ヒュー・グラント)と音楽に捧げられていた。ソプラノ歌手になる夢を追い続けるフローレンスだが、自分の歌唱力に致命的な欠陥があることに気づいていない。愛する妻に夢を見続けさせるため、シンクレアはおひとよしなピアニストのコズメという伴奏者を見つけ、マスコミを買収し、信奉者だけを集めた小さなリサイタルを開催するなど献身的に立ち回っていた。しかしある日、フローレンスは世界的権威あるカーネギーホールで歌うと言い出して―。持病を抱えながらも音楽に生きる彼女の命がけの挑戦に、シンクレアも一緒に夢をみることを決める。さあ、笑いと涙で包まれた奇跡の公演の幕があがる!

<感想>この映画は、以前にフランス映画で『偉大なるマグリット』を鑑賞したが、あちらはフィクションだというが、殆ど同じ内容です。たぐいまれなるオンチであるにもかかわらず、あのカーネギー・ホールでリサイタルを開き、会場を満員にしたという大富豪の女性のお話しです。その実話を基にして、「クィーン」のスティーヴン・フリアーズ監督が、名女優メリル・ストリープを主演に描くお笑いと涙のドラマ。共演にはイギリスの貴公子であるヒュー・グラントが、他にピアニストにサイモン・ヘルバーグが、その他レベッカ・ファーガソン、ニナ・アリアンダなど。音楽を「英国王のスピーチ」のアレクサンドル・デスプラが担当している。

1944年のニューヨークが舞台ですが、まだ戦時中ですよね。それでも資産家のフローレンスは、音楽を愛し、音楽家たちを支援するクラブを設立して、様々な公演を催している。長年連れ添う内縁の夫であるシンクレアは、そんな彼女を裏であれこれサポートしていた。
ある日のこと、トスカニーニのコンサートに感動したフローレンスは、歌手になりたかった昔の夢を思い出し、プロの指導を受けたいとシンクレアに打ち明けます。早速手はずを整えるシンクレアは、その時、ピアノ伴奏者も同時に雇い、演奏も性格も穏やかなコズメが採用されます。

レッスン開始の日、コズメはフローレンスが想像を絶するオンチだと知り、唖然とする。しかも、彼女だけその事実を知らないのだ。レッスン中におだてられて自身を付けてしまったフローレンスは、「コンサートをやれるかしら」とさらに夢を膨らませるのであった。
クラブでは、何度もコンサートを開いているが、観客は事実を承知している友人ばかり。今度は、初めて彼女の歌を聞く者もいて、笑いが止まらなくなる者もあったが、なんとか事なきを得るのだった。
一方、フローレンスは重い病を抱え、それは徐々に進行していった。シンクレアに買われた新聞評の好評を知ったフローレンスは、自分のオンチなのも知らずに、大舞台のカーネギー・ホール出演の宿願を果たす決意を固めるのだが、・・・。

1968年生まれのフローレンス、裕福な家庭に生まれピアノの天才児と呼ばれた音楽家を目指したが、父親の猛反対を受けて断念。17歳でカケオチ結婚した年上の医師ジェンキンスに梅毒をうつされ、生涯病と闘うことに。ジェンキンスと離婚後、極貧生活を送っていたころ、父親に発見されて音楽家の道をあきらめて親元に戻る。
1909年、シンクレアと出会い、事実婚生活に入るも彼のことを思い寝室は別にして離れて暮らす。父親の死後、莫大な財産を相続して社交界に参入。芸術界に大きな貢献をする。こうした劇的な人生を送った彼女は、76歳で夢の「カーネギー・ホール」に立ち、その年に死去した。
オスカー女優のメリル・ストリープですもの、オンチ歌姫の役でもそんなに下手くそには歌いませんから。最初にオペラコーチについてきちんとアリアが歌えるほどにして、最後に2週間かけて、それをちょっと崩して歌うようにしたそうです。最後の方では、オンチどころかとても上手に歌ってましたよ。

そして、内縁の夫のヒュー・グラントのダンディなことといったら、渋くて優しい旦那さまを演じていて、フローレンスを本当に愛していたんですね。夫婦生活はないけれど、心から妻のフローレンスのことを思って、何でも叶えて上げようと奮闘する涙ぐましい努力を感じました。お二人のダンスがとても良かった。
そして、ピアノ演奏のサイモン・ヘルバーグが凄かった。フローレンスが音程を外してすまし顔で歌うシーン。彼は、ひたすら堪えてた笑いを、家を出た後のエレベーターの中で、思わずニヤニヤしてしまうのだ。観ている方もつられて笑ってしまう。それに、実際のピアノを弾くシーンでも、フローレンスの歌声に合わせて、素晴らしく素敵に自分で弾いてましたね。
亡くなる最後まで、フローレンスのことを愛して、カーネギー・ホールでのリサイタルを見事にやってのける夫のシンクレアは、別居しながら愛人と住んでも、お金目当てで一緒になっているわけでもなく、本当に妻を愛していたのですね。
2016年劇場鑑賞作品・・・260映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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