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神様の思し召し★★★

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天才だが傲慢な医者が、刑務所帰りだが大人気のカリスマ神父との交流を通して人生を見つめ直していく姿を描く、笑って泣けるコメディドラマ。主人公の外科医・トンマーゾを『赤いアモーレ』のマルコ・ジャリーニ、神父のピエトロを『トランスポーター2』『ローマ、恋のビフォーアフター』のアレッサンドロ・ガスマンが演じる。監督は、本作がデビューとなるエドアルド・ファルコーネ。第28回東京国際映画祭2015コンペティション部門で観客賞を受賞している。
あらすじ:今日も完璧なオペで、患者の命を救った心臓外科医のトンマーゾ。医師としては天才だが、傲慢で毒舌で周りからはケムたがられていた。妻との仲は倦怠気味で、お気楽な長女はサエない男と結婚。でも、頭脳明晰な長男が医学の道を継いでくれれば満足だ。ところが、あろうことか医大生の息子が「神父になりたい」と宣言!表向きはモノわかりのいいフリをして調査に乗り出したトンマーゾは、息子がハデなパフォーマンスで人気のピエトロ神父に“洗脳”されているとニラみ、信者として教会に潜入する。目に見えるものだけ信じる医師、見えないものこそ信じる神父。真逆のふたりの対決と、いつの間にか芽生えたまさかの友情の行方は…?

<感想>なるほど、ストーリーといい、演技といい、カメラワークといい、どこをどう観てもコメディ・ドラマでしかない。どこかで、感動するかと思って観ていたが、さほどそういうところもなかった。正直うんざりしてしまった。
まぁ、それでも通俗的であることは悪いわけではない。キリストは、しばしば史上最大のロックスターとも形容されるが、現代の神父にそのカリスマ性をかぶせたキャラ造形は面白いと思った。

ただ、それにしては彼のパフォーマンスも影響力もいかがわしさも生ぬるく、記号に留まっているように感じられてならない。しかし、小物感ゆえに作品全体をコメディーものとして成り立たせているので、このぬるさ加減が本作の求めるユーモアなのだろう。

途中から医師役のマルコ・ジャリーニが、古舘寛治さんに見えて仕方がなかった。古舘さんは、味のある役者さんで、とぼけた演技が上手く、マルコもそんな感じで愉快でした。
外科医としては名医であるトンマーゾと、正体不明だが名説教で人気を博している謎の神父との、奇妙な二人の関係がコミカルに展開されていくのは、観ていて笑える。主演二人を初め、脇役も上手いのでおおいに楽しめた。

医師の妻がアルコール依存症で、それは夫が妻を顧みないからなのだが、離婚するのかと思ったのだが、同じ家の使用人の部屋に逃げ込む妻。かまってもらえないから、寂しいのだ。家庭崩壊の危機なのだが、微塵にもそんな気配を感じないのは、気楽な夫だから。
そうかといえば、夫のトンマーゾは浮気をすることもなく、心臓外科医として立派にこなしているのだが、息子も医者にしようと考えていたらしい。親と言うものは、子供を自分の思い通りにしたいらしいが、子供は自分で将来を決めるのだ。だから、神父になると言った途端、父親は息子の後を付けて、息子がのめり込んでいる教会の神父に会いに行くわけ。

神父も、昔は泥棒や悪いことばかりをして刑務所に入っていたらしい。それでも、そこで神の啓示を受けて神様の道へと進んだ。実際に神父と会って見れば、自分にはない面を持っており、次第に惹かれていき意気投合してしまう。

息子が家に神父を連れてきた時には、自分が失業中だと嘘をついていたので、びっくりしてその場をつくろうのだが。別居中の妻にも頼めないので、病院の看護婦に妻の役回りを頼むのだが、無職の夫をなじる役回りなので、おデブちゃんの彼女に叩かれてしまう。怒るわけにもいかず、イライラするトンマーゾが笑える。

娘婿が、知的障害者に化けていろいろと演技をするのだが、見ていて障害者を侮辱をしているように見えた。もっと他にやりようがあっただろうに。要するに、娘婿は、父親にへつらって何とか金銭面で援助してもらおうと考えているのだろう。
トンマーゾに、暇を持て余しているならと、神父が自分の母親が通っていたオンボロ教会の修復を手伝って欲しいと頼まれ、嫌とは言えないので大事な手術も他の医師に頼んで、壁塗りから掃除まで手伝うトンマーゾは、本当は根はいいやつであり、虚栄心の塊のようだった人柄も、神父のお蔭で目が覚めたように優しい善き人になっていく。妻にも謝り、許しを請い、やり直しをしようと約束する。

最後では、神父になると言っていた息子も、どういう風の吹き回しか止めてやっぱり医者になると言い出すのだ。だが、それもこれも神父がとても出来た人物だったからこそで、そのピエトロ神父が交通事故に遭い重症を負ってしまう。
余韻を断ち切るような終わり方は、監督の狙いなのだろうが、もう少しじっくりと神父を描き込んで笑わせて泣かせて欲しい気もした。神父役のアレッサンドロ・ガスマンも中々いい演技をしていたのだから。
助かるのかどうかは、神のみぞ知るとばかりに、しかし、人間を救うのは神か医者か?・・・両方必要なんじゃないの。こんな終わり方は、意味深で嫌いですが、生きるも死ぬも神のみぞ知るってね。
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