「チャーリーとチョコレート工場」の原作者ロアルド・ダールのロングセラー児童書『オ・ヤサシ巨人BFG』をスティーヴン・スピルバーグ監督が実写映画化したファミリー・ファンタジー・アドベンチャー。孤独な少女と心優しい巨人を主人公に、2人の間に芽生える奇妙な友情と、世界を救うために2人で繰り広げる大冒険の行方を描く。主演は少女ソフィー役に新人ルビー・バーンヒル、巨人のBFG役に「ブリッジ・オブ・スパイ」でオスカーを獲得したマーク・ライランス。
あらすじ:10歳の女の子ソフィー(ルビー・バーンヒル)は、ロンドンの児童養護施設で生活していた。寝付きの悪いソフィーが窓から夜の街を見ていると、身長約7メートルの巨人(マーク・ライランス)が出現し、彼女を巨人の国へ連れていく。巨人の名はBFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント。優しいBFGに、ソフィーは心を許すようになる。そして、子供たちに夢を吹き込む仕事をしているBFGと一緒に、ソフィーは夢の国へと向かう。
<感想>孤児院で暮らす好奇心旺盛な少女ソフィーと、ある真夜中に謎の巨人に捕まり、“巨人の国”へと連れて行かれる。これは、少女と独り暮らしの巨人との友愛を描く物語。主人公の少女ソフィーは自立心に富んでいて、彼女には施設で暮らす哀感は微塵もなく、両親がいない寂しさなど一度も口にしない勝気な少女。友達もいないようだが、孤児院では虐められているわけでもなく、完全に自分の世界を作っている。わが身に降りかかる事態に驚愕しつつも、着々と運命を切り開いていく。そうした少女こそが、スピルバーグ監督が示そうとするストーリーということなんですね。
ソフィーは、消灯後にフトンをかぶり、懐中電灯の光で本を読む。普通だったら、母親が語る物語を聞きながらやがて眠りに落ちる。ですが、孤児院ではそんなこともなく、一人で夜に懐中電灯の灯りで本を読む。ですが、一度だけ、BFGが彼女の小さな本を読み始めると、それを聞いていたソフィーはいつしか眠ってしまう。やはり読み聞かせは眠りへの最良の誘いなのだ。
初めは巨人に怯えるソフィーだったが、見た目とは違う穏やかで優しい彼の内面にふれ心を通わせて行く。普段はのっそりと動く彼も実は驚異的な走力と跳躍を持っているのだ。施設のベッドから毛布ごとつまみ上げられた彼女は、あっという間に遥か遠く“巨人の国”へと。
主人公の少女ソフィー役には新人のルビー・バーンヒルが、めがねっ子でお茶目な素直な感じの女の子を堂々と熱演している。巨人のBFGには、「ブリッジ・オブ・スパイ」の老スパイ役でアカデミー助演男優賞に輝いたマーク・ライランスが熱演していた。
ですが、そこで驚いたのが、BFGが“巨人の国”の外れにある“夢の国”で採取した夢を調合し、人間の子供たちに吹き込むこと。
そのことに興味を持ったソフィーは、自らも夢を捕まえようと心躍らせるのだった。瓶詰にした夢の中には、なんと“ソフィーの夢“という瓶もあったのだ。
そして、最も素敵なシーンでは、子供たちに夢を吹き込むためBFGが瓶に詰めている夢は、まさにこの映画に描かれたようにフワフワと宙に漂うのだ。まるで妖精のように、それはティンカー・ベルにも似たような夢の形でした。ですが、映画の中では実際にはその夢がどんなものかを、映像として一切見せようとはしない。
ところが、巨人の国では世界中に脅威をもたらす悪の巨人たちも住んでいる。何と彼らをやっけたいソフィーとBFGは、英国女王の協力を求めてバッキンガム宮殿へと向かう。BFGが女王の夢に悪の巨人たちが、子供たちをさらい食べている夢を見させて、退治するように頼むわけ。
宮殿の中へ招かれたBFGとソフィーは、朝食をごちそうになり美味しそうに食べるシーンも。そして、軍隊のヘリと兵士を出してくれ、“巨人の国”へと。ヘリに吊り下げられて、誰も知らない孤島へと。
それに、原作者ロアルド・ダールは言葉遊びのギャグが大好きなようだ。ことにBFGはダジャレと地口によって現実を転倒させる箇所だらけだ。巨人の主食の“ニンゲンマメ”はもちろんのこと、人間族でもお国柄によっていろんな味がするし、泡が下に向かって落ちる“泡立ちエキス”を飲むと、口からげっぷが出る代わりに、お尻からオナラが出るのだ。女王陛下がオナラをするこのシーンも痛快だった。
ファンタジー文学が近年ぞくぞく実写化されたのは、現実部分を現実として撮り、さらには不思議な部分も現実として撮り、CGの進歩は別世界を現実の世界とするためのものとなったようですね。この映画は、どちらかというとお子様と一緒に鑑賞するといいようです。
2016年劇場鑑賞作品・・・193映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:10歳の女の子ソフィー(ルビー・バーンヒル)は、ロンドンの児童養護施設で生活していた。寝付きの悪いソフィーが窓から夜の街を見ていると、身長約7メートルの巨人(マーク・ライランス)が出現し、彼女を巨人の国へ連れていく。巨人の名はBFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント。優しいBFGに、ソフィーは心を許すようになる。そして、子供たちに夢を吹き込む仕事をしているBFGと一緒に、ソフィーは夢の国へと向かう。
<感想>孤児院で暮らす好奇心旺盛な少女ソフィーと、ある真夜中に謎の巨人に捕まり、“巨人の国”へと連れて行かれる。これは、少女と独り暮らしの巨人との友愛を描く物語。主人公の少女ソフィーは自立心に富んでいて、彼女には施設で暮らす哀感は微塵もなく、両親がいない寂しさなど一度も口にしない勝気な少女。友達もいないようだが、孤児院では虐められているわけでもなく、完全に自分の世界を作っている。わが身に降りかかる事態に驚愕しつつも、着々と運命を切り開いていく。そうした少女こそが、スピルバーグ監督が示そうとするストーリーということなんですね。
ソフィーは、消灯後にフトンをかぶり、懐中電灯の光で本を読む。普通だったら、母親が語る物語を聞きながらやがて眠りに落ちる。ですが、孤児院ではそんなこともなく、一人で夜に懐中電灯の灯りで本を読む。ですが、一度だけ、BFGが彼女の小さな本を読み始めると、それを聞いていたソフィーはいつしか眠ってしまう。やはり読み聞かせは眠りへの最良の誘いなのだ。
初めは巨人に怯えるソフィーだったが、見た目とは違う穏やかで優しい彼の内面にふれ心を通わせて行く。普段はのっそりと動く彼も実は驚異的な走力と跳躍を持っているのだ。施設のベッドから毛布ごとつまみ上げられた彼女は、あっという間に遥か遠く“巨人の国”へと。
主人公の少女ソフィー役には新人のルビー・バーンヒルが、めがねっ子でお茶目な素直な感じの女の子を堂々と熱演している。巨人のBFGには、「ブリッジ・オブ・スパイ」の老スパイ役でアカデミー助演男優賞に輝いたマーク・ライランスが熱演していた。
ですが、そこで驚いたのが、BFGが“巨人の国”の外れにある“夢の国”で採取した夢を調合し、人間の子供たちに吹き込むこと。
そのことに興味を持ったソフィーは、自らも夢を捕まえようと心躍らせるのだった。瓶詰にした夢の中には、なんと“ソフィーの夢“という瓶もあったのだ。
そして、最も素敵なシーンでは、子供たちに夢を吹き込むためBFGが瓶に詰めている夢は、まさにこの映画に描かれたようにフワフワと宙に漂うのだ。まるで妖精のように、それはティンカー・ベルにも似たような夢の形でした。ですが、映画の中では実際にはその夢がどんなものかを、映像として一切見せようとはしない。
ところが、巨人の国では世界中に脅威をもたらす悪の巨人たちも住んでいる。何と彼らをやっけたいソフィーとBFGは、英国女王の協力を求めてバッキンガム宮殿へと向かう。BFGが女王の夢に悪の巨人たちが、子供たちをさらい食べている夢を見させて、退治するように頼むわけ。
宮殿の中へ招かれたBFGとソフィーは、朝食をごちそうになり美味しそうに食べるシーンも。そして、軍隊のヘリと兵士を出してくれ、“巨人の国”へと。ヘリに吊り下げられて、誰も知らない孤島へと。
それに、原作者ロアルド・ダールは言葉遊びのギャグが大好きなようだ。ことにBFGはダジャレと地口によって現実を転倒させる箇所だらけだ。巨人の主食の“ニンゲンマメ”はもちろんのこと、人間族でもお国柄によっていろんな味がするし、泡が下に向かって落ちる“泡立ちエキス”を飲むと、口からげっぷが出る代わりに、お尻からオナラが出るのだ。女王陛下がオナラをするこのシーンも痛快だった。
ファンタジー文学が近年ぞくぞく実写化されたのは、現実部分を現実として撮り、さらには不思議な部分も現実として撮り、CGの進歩は別世界を現実の世界とするためのものとなったようですね。この映画は、どちらかというとお子様と一緒に鑑賞するといいようです。
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