ヒットシリーズ『X-MEN』の第6弾にして完結編。数千年の眠りから目覚めて人類に新しい秩序をもたらそうとするミュータントのアポカリプスに、プロフェッサーXらX-MENが立ち向かっていく。監督は、シリーズ第1作、第2作、第5作も手掛けたブライアン・シンガー。『フィルス』などのジェームズ・マカヴォイを筆頭に、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、オスカー・アイザックと実力派スターが結集する。VFXを駆使した壮絶なバトル描写の数々に加えて、X-MEN結成をめぐるエピソードにも注目。
あらすじ:1983年。文明が誕生する前から神として君臨していた、ミュータントの始祖でもあるアポカリプス(オスカー・アイザック)が、突如として長い眠りから覚醒する。数千年ぶりに目にした人間とその文明が、誤った方向に進んでしまったと考えた彼は新しい秩序が必要だと判断。マグニートー(マイケル・ファスベンダー)など、4人のミュータントを率いる。彼の存在と考えを知ったプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)は、ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)らと共にその行動の阻止に挑むが……。
<感想>シリーズ6作目となる本作は、11年に始まった「チームX-MEN」結成までを描く三部作の最終章。物語の舞台は前作の「フューチャー&パスト」(2014)から十年後となる1983年。メインの悪役は史上初のミュータントで最強のパワーを持つアポカリプス(オスカー・アイザック)が、数千年の眠りから目を覚ます。米ソ冷戦中の80年代という設定と絡み、誤った方向に進む文明を浄化するため、アポカリプスは人類を滅ぼし、“神”として新たな世界を築こうとする。そして、パワーの支配をめぐる攻防戦が繰り広げられる。
その野望を食い止められるのは、プロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)を初めとする「X-MEN」だけ。人間社会との融和を目指すミュータント集団「X-MEN」は、“神“との最大の決戦に挑むことになる。
第4作目以降シリーズは「X-MEN」のリーダー、プロフェッサーXや、その親友として宿敵マグニート(マイケル・ファスベンダー)ら、若き日の彼らの奔走を描いてきたが、本作まさにそのクライマックスであります。古代エジプトを支配していた史上初のミュータントアポカリプスが西暦1983年の世界で覚醒。信仰を失い、核戦争を起こしかねない人類の堕落に怒った彼は、マグニートらを支配下に従えて、文明を破壊して新たな世界を築こうとする。
そんな世界の危機へ、X-MENはどう立ち向かうのか?・・・。冷戦や拝金主義といった当時の世相を見つめながら、人間に怒るミュータントと、許すミュータントの壮絶なるバトルが展開する。
アクションのスケール感は過去最大級で、ピラミッドが宙を舞い、数百万のレーザー光線が乱れ飛び、世界中の建造物が木っ端微塵に砕ける。
また、敵に拉致されたプロフェッサーXの苦闘を初め、様々なドラマが絡み合い、エキサイティングかつエモーショナルなフィナーレへと観る者を誘う。
こだわりを持って戦うミュータントたちのそれぞれのドラマは、今回もエモーショナル。ドイツの鉱山で働き家族を持ち、鉱山の事故でミュータントの力を使い人間を助けたことで、妻と娘を殺されてしまう。家族を殺されてミュータントへの差別に絶望するマグニートの胸の内の変化が、ドラマチックに描かれている。
そして、物語がカラフルに輝くのは、やっぱX-MENの初々しいヤング・メンバーが躍動するシーンでしょう。ジーン・グレイ、サイクロップス、ナイトクローラーなど、特殊能力を持つゆえに疎外感を抱き、自分に自信が持てずにいる若いミュータントたちの成長のドラマも見逃せません。
物語を時系列順に並べると、本作の後にシリーズ1~3作目が続くのですが、シリーズの生みの親でもある鬼才ブライアン・シンガーは、その流れを重視して、シリーズへの愛着と共に本作のドラマを創造。
一方で、プロフェッサーXが彼らに拉致され、学園も爆破されてしまう。アポカリプスはプロフェッサーXのテレパシー能力を利用し”神”としての人類支配を世界中に宣言。それに、アポカリプスにさらなる能力を引き出されたマグニートは、強大なる磁力で地球の建造物を、海の底に沈んでいる船なども陸に引き上げ廃墟へと変えていく。
それに、ミスティークたちが軍の施設に監禁されてしまう。助けに行く高速移動能力を持つクイックシルバー(エヴァン・ピーターズ)が、「マグニートーは俺の父さんだ」と告白する衝撃のシーンもあります。
プロフェッサーXは、最後の希望をジーンに託し、自らの所在地を発信して、ジーンは捕らわれた者たちを救い、地球滅亡の危機を食い止められるのか?・・・人類の命運を握るのは若き「X-MEN」たちにかかっている。
そしてなんといっても最後に、ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)に「派手にやったわね!」と問い詰められると、サイクロップス(タイ・シェリダン)とジーン・グレイ(ソフィー・ターナー)が「助っ人もいたんだ」と語り、ある男の拳からウルヴァリンを彷彿させる鋭利な爪が飛び出す瞬間がクローズアップされるのだった。
ストームやサイクロップスの若き日の冒険を見ることができるのは、ファンには嬉しいところ。シリーズの顔というべきヒュー・ジャックマン扮するウルヴァリンの登場は、観てのお楽しみですから。
「X-MEN」に出てくるヒーローたちは、みんなミュータントで、生まれながらに超人的な能力を持っている。人とは違うがゆえに虐げられ、本当の自分を隠しながら生きている。「X-MEN」は、そんな彼らが自分の特殊性を受け入れて、世界のために役立てることを学ぶ「自己発見」の物語であります。キャラの数が多すぎて、最初はとっつきにくいのだけれど、そのツボが分かってくると、これはやぱり楽しい。
エンドロールの後、オマケの映像がありますので、お見逃しなく。
2016年劇場鑑賞作品・・・159映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:1983年。文明が誕生する前から神として君臨していた、ミュータントの始祖でもあるアポカリプス(オスカー・アイザック)が、突如として長い眠りから覚醒する。数千年ぶりに目にした人間とその文明が、誤った方向に進んでしまったと考えた彼は新しい秩序が必要だと判断。マグニートー(マイケル・ファスベンダー)など、4人のミュータントを率いる。彼の存在と考えを知ったプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)は、ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)らと共にその行動の阻止に挑むが……。
<感想>シリーズ6作目となる本作は、11年に始まった「チームX-MEN」結成までを描く三部作の最終章。物語の舞台は前作の「フューチャー&パスト」(2014)から十年後となる1983年。メインの悪役は史上初のミュータントで最強のパワーを持つアポカリプス(オスカー・アイザック)が、数千年の眠りから目を覚ます。米ソ冷戦中の80年代という設定と絡み、誤った方向に進む文明を浄化するため、アポカリプスは人類を滅ぼし、“神”として新たな世界を築こうとする。そして、パワーの支配をめぐる攻防戦が繰り広げられる。
その野望を食い止められるのは、プロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)を初めとする「X-MEN」だけ。人間社会との融和を目指すミュータント集団「X-MEN」は、“神“との最大の決戦に挑むことになる。
第4作目以降シリーズは「X-MEN」のリーダー、プロフェッサーXや、その親友として宿敵マグニート(マイケル・ファスベンダー)ら、若き日の彼らの奔走を描いてきたが、本作まさにそのクライマックスであります。古代エジプトを支配していた史上初のミュータントアポカリプスが西暦1983年の世界で覚醒。信仰を失い、核戦争を起こしかねない人類の堕落に怒った彼は、マグニートらを支配下に従えて、文明を破壊して新たな世界を築こうとする。
そんな世界の危機へ、X-MENはどう立ち向かうのか?・・・。冷戦や拝金主義といった当時の世相を見つめながら、人間に怒るミュータントと、許すミュータントの壮絶なるバトルが展開する。
アクションのスケール感は過去最大級で、ピラミッドが宙を舞い、数百万のレーザー光線が乱れ飛び、世界中の建造物が木っ端微塵に砕ける。
また、敵に拉致されたプロフェッサーXの苦闘を初め、様々なドラマが絡み合い、エキサイティングかつエモーショナルなフィナーレへと観る者を誘う。
こだわりを持って戦うミュータントたちのそれぞれのドラマは、今回もエモーショナル。ドイツの鉱山で働き家族を持ち、鉱山の事故でミュータントの力を使い人間を助けたことで、妻と娘を殺されてしまう。家族を殺されてミュータントへの差別に絶望するマグニートの胸の内の変化が、ドラマチックに描かれている。
そして、物語がカラフルに輝くのは、やっぱX-MENの初々しいヤング・メンバーが躍動するシーンでしょう。ジーン・グレイ、サイクロップス、ナイトクローラーなど、特殊能力を持つゆえに疎外感を抱き、自分に自信が持てずにいる若いミュータントたちの成長のドラマも見逃せません。
物語を時系列順に並べると、本作の後にシリーズ1~3作目が続くのですが、シリーズの生みの親でもある鬼才ブライアン・シンガーは、その流れを重視して、シリーズへの愛着と共に本作のドラマを創造。
一方で、プロフェッサーXが彼らに拉致され、学園も爆破されてしまう。アポカリプスはプロフェッサーXのテレパシー能力を利用し”神”としての人類支配を世界中に宣言。それに、アポカリプスにさらなる能力を引き出されたマグニートは、強大なる磁力で地球の建造物を、海の底に沈んでいる船なども陸に引き上げ廃墟へと変えていく。
それに、ミスティークたちが軍の施設に監禁されてしまう。助けに行く高速移動能力を持つクイックシルバー(エヴァン・ピーターズ)が、「マグニートーは俺の父さんだ」と告白する衝撃のシーンもあります。
プロフェッサーXは、最後の希望をジーンに託し、自らの所在地を発信して、ジーンは捕らわれた者たちを救い、地球滅亡の危機を食い止められるのか?・・・人類の命運を握るのは若き「X-MEN」たちにかかっている。
そしてなんといっても最後に、ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)に「派手にやったわね!」と問い詰められると、サイクロップス(タイ・シェリダン)とジーン・グレイ(ソフィー・ターナー)が「助っ人もいたんだ」と語り、ある男の拳からウルヴァリンを彷彿させる鋭利な爪が飛び出す瞬間がクローズアップされるのだった。
ストームやサイクロップスの若き日の冒険を見ることができるのは、ファンには嬉しいところ。シリーズの顔というべきヒュー・ジャックマン扮するウルヴァリンの登場は、観てのお楽しみですから。
「X-MEN」に出てくるヒーローたちは、みんなミュータントで、生まれながらに超人的な能力を持っている。人とは違うがゆえに虐げられ、本当の自分を隠しながら生きている。「X-MEN」は、そんな彼らが自分の特殊性を受け入れて、世界のために役立てることを学ぶ「自己発見」の物語であります。キャラの数が多すぎて、最初はとっつきにくいのだけれど、そのツボが分かってくると、これはやぱり楽しい。
エンドロールの後、オマケの映像がありますので、お見逃しなく。
2016年劇場鑑賞作品・・・159映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング