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ふきげんな過去 ★★★

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前作「ジ、エクストリーム、スキヤキ」で映画監督デビューを飾った人気劇作家の前田司郎が、映画オリジナル脚本で挑む監督第2作。小泉今日子と二階堂ふみを主演に迎え、退屈な日々を送る女子高生と、突然現われた死んだはずの伯母が織りなす可笑しくも切ないひと夏の物語を描く。共演は高良健吾、山田望叶、板尾創路。
あらすじ:北品川で小さな食堂“蓮月庵”を営む家族と暮らす女子高生・果子。いつも不機嫌な顔をして、死ぬほど退屈な毎日をやり過ごしている。そんなある夏の日、18年前に死んだはずの伯母・未来子が突然帰ってきた。涙の再会を演じる家族の姿を、いとこの小学生カナと冷めた目で見つめる果子。未来子は果子が赤ん坊の頃に爆弾事件を起こした前科持ちで、今は戸籍もないという。それなのに、そのほうが都合がいいと、死んだままにしているらしい。しばらく匿ってほしいという未来子は、けっきょく果子の部屋に居候することに。思いがけない同居人の出現に、ますます苛立ちを募らせる果子だったが…。

<感想>娘が果子(過去)で母親が未来子(未来)で、タイトルどうりにふきげんで、不愛想な顔の二階堂ふみの演技が素晴らしかった。タイトルからしていい感じだし、家出をして死んだと思った母親が爆弾製造犯人という発想が昔懐かしい。
「過去」が騒々しくて「現在」に乱入してくる作劇が面白い。二人の関係がネタバレ厳禁ということだが、どうみてもバレバレになってしまう。劇中で本人がバラシてしまうから。

現代の高校生を演じている果子は、いつも不機嫌でぶっきらぼうで、運河でワニ釣りをしている。友達もいないようで、学校では虐めを受けているようだ。それでも、果子は生きていくために現実逃避をするように、毎日つまらなそうに生きているのだ。

そこへ生みの母親が帰ってきて、自分があなたの母親だと名乗る。とても迷惑な存在の母親だが、ずうずうしいし、警察か何か知らない人間に追いかけられて実家へ帰って来たというわけ。
娘を捨てて家出をしておいて、母親ずらされてもね、子供にとっては甘えてみたいとは思わないでしょう、怒りしか沸かないよ。勝手に出ていって、都合よく帰ってくる母親。どうしようもない。

しかし、夜中に運河に船を出して、昔街だった場所へと漕ぎ出す。そこでは、母親が爆弾作りに必要な硝石を探す手伝いをする。

娘も母親に似て爆弾作りに興味を出し、一緒に作るのだから。試しにと河原で手作り爆弾に引火して、待っているとしょぼい花火みたいでした。ですが、時間が過ぎて大きな音と共に大爆発をする。その犠牲になるのが、いとこの小学生カナであり、火傷を負ってしまう。

女系家族が営む豆料理の食堂なので、昼間はみんなで豆を殻から出す仕事を、井戸端会議よろしくペチャクチャ喋りながらするのだ。そこに働く南米人のコックさんがユニークであり、板尾創路扮する父親は、妻が家出をした後に妹と結婚しているのだ。

最近生まれた赤ん坊がいて、その赤ん坊がまるで人形みたいに動かないし、泣かないし、生きているのが不思議なくらい。それに、爆弾犯人の妻の試作品で手の指が無くなっている父。それにだ、近所の男に、足のない男やら大竹まこと・きたろう・斉木しげるが近所のおっちゃんでちょこっとの出番があります。

そんな中でも目立つのが、爆弾犯の母親未来子の男と思われる高良健吾がかっこいいのだ。若いイケメン男性が一人出ているだけでもスカッとするから。それに、昔あった「よしのりちゃん誘拐事件」の本人だというから驚いたわ。
それと、運河のワニ騒動も本当だったということで、何とそのワニが実の母親と被って見えるのだ。最後に運河で捕獲されるのが映されるのだ。
全般を通してワケあり家族よろしく、何でもない話を立体的に構成する監督の手腕は、際立っていて良かった。
2016年劇場鑑賞作品・・・150映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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