『海街diary』などの広瀬すずを主演に迎え、末次由紀のコミックを実写化した青春ドラマ。競技かるたをテーマに、主人公と仲間たちのひたむきな情熱や夢を描く。『男子高校生の日常』『日々ロック』などの野村周平と、アクションスター千葉真一の息子である真剣佑がヒロインの幼なじみを好演。人気俳優たちの共演による、きらめく青春の日々に胸がときめく。
あらすじ:小学校時代、転校生の綿谷新(真剣佑)から“競技かるた”を教わり、その魅力の虜になった綾瀬千早(広瀬すず)。幼なじみの真島太一(野村周平)を巻き込み、3人は競技かるたを通して強い絆で結ばれていく。しかし小学校卒業とともにバラバラとなってしまい、家の事情で故郷の福井に戻った新とは遠く離ればなれに。かるたを続けていれば新と再会できると信じる千早は、高校に入るとすぐに“競技かるた部”の創設に乗り出し、高校で再会した太一を再び巻き込み、2人で部員集めに奔走する。やがて古典大好き少女・大江奏、経験者の“肉まんくん”こと西田優征、秀才の“机くん”こと駒野勉の勧誘に成功し、ついに千早悲願の競技かるた部が産声を上げるのだったが…。
<感想>最近多い少女マンガの映画化。それが競技かるた選手権というスポ根映画のように、おもむろに百人一首を読みあげて、スローで取るのかなぁと思っていたら、眼をギラつかせてカルタを手の平で叩き取るというハードなもの。1枚でも相手より速くカルタを取るためには、上の句と下の句の初めを暗記しておき、上の句が読み上げられる寸前に下の句を取るというよりも、乱暴な取り方で相手の手を叩き付けるかのように滑らせたりして取るのだ。
そればかりではなく本作は前編であるが、主人公の広瀬すず演じる千早と、男子生徒、太一(野村周平)、新(真剣佑)の恋物語も絡んでくる。どうも競技かるたの百人一首を絡めた幼馴染同士の三角関係がメインのようでもあり、これまでの部活映画とは方向が違う気もする。部員集めの下りや練習に合宿と、競技も形式的演出が目立っていて、途中ではダレてくる。
その千早に競技かるたを教えたのが新(真剣佑)であり、彼は祖父の看病で実家の福井県に帰っている。近くにいる千早を大好きな太一(野村周平)は、志望校を辞めてまで千早と同じ高校へ入学するのだ。
東京大会で優勝して、全国大会で福井にいる新(真剣佑)と出会い、千早が新と勝負したいと思う女心と、その競技かるたと熱い青春の恋物語とが、この作品の見所です。「千早は誰のもんでもない」という台詞がありますが、この映画で描かれているのは、恋というよりも恋に発展する前の感情という感じですかね。千早が競技かるたに熱中して睡眠不足もあり、試合が終わると目ん玉を白目むきだして寝てしまうのには驚いた。
最大のクライマックス、全国大会は後編だとして、こちらはそこへ向かう前段階としてとりあえず文句なしですね。やはり競技かるたのシーンが一番の見所で、実写ならではの見応えがあり、スポーツのような興奮もあるのです。
千早を巡る太一(野村周平)と、新(真剣佑)のバトルは、過去に太一が新のメガネを隠してズルをして、それまでして勝ちたかったのかと。そのトラウマが、太一には以来ここ一番でのツキに見放された男という細部もいい。
それに、千早も東京大会で対戦する相手の男が、サド男でどこかで見た事あると思っていたら「ソロモンの偽証」の不良生徒で、この俳優の存在感が千早をイラつかせて面白い。
東京大会での彼女たちの出で立ちは、普通は気楽なTシャツにジヤージが一番動けるしいいのだが、何故か部員の中に呉服屋の娘がいて、その娘が「舞子はレディ」(14)の上白石萌音ちゃんだとは、ここでは少し芋娘のような感じで出ていた。だから、5人の部員が着物に袴スタイルで着ていて、これはかっこいいし、いかにも競技かるたの服装では、なんて観ていて感じがよかったです。
部活を描いた映画では「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「桐島、部活辞めるってよ」など、良質な娯楽作品がいくつもあり、部活の種目はさまざまでも、初めはヘナチョコ、途中で迷走、最後は本気でぶつかってと、その結果はどうであれ、やることはやったという達成感があると思う。
それに、ハイテンション演技で頑張る広瀬すずが、屈託のない表情で廊下を突進する姿が魅力的に映っている。その中でもかるた取りの画面がやや単調で、広瀬すずの研ぎ澄まされた聴力がクライマックスまで出てこないのも不満です。何故に必殺の超能力でもある聴力の素晴らしさをもっと前面に出して欲しいところ。でも、それが後編で、千早が発揮して活躍する場が観たいですね。
2016年劇場鑑賞作品・・・60映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:小学校時代、転校生の綿谷新(真剣佑)から“競技かるた”を教わり、その魅力の虜になった綾瀬千早(広瀬すず)。幼なじみの真島太一(野村周平)を巻き込み、3人は競技かるたを通して強い絆で結ばれていく。しかし小学校卒業とともにバラバラとなってしまい、家の事情で故郷の福井に戻った新とは遠く離ればなれに。かるたを続けていれば新と再会できると信じる千早は、高校に入るとすぐに“競技かるた部”の創設に乗り出し、高校で再会した太一を再び巻き込み、2人で部員集めに奔走する。やがて古典大好き少女・大江奏、経験者の“肉まんくん”こと西田優征、秀才の“机くん”こと駒野勉の勧誘に成功し、ついに千早悲願の競技かるた部が産声を上げるのだったが…。
<感想>最近多い少女マンガの映画化。それが競技かるた選手権というスポ根映画のように、おもむろに百人一首を読みあげて、スローで取るのかなぁと思っていたら、眼をギラつかせてカルタを手の平で叩き取るというハードなもの。1枚でも相手より速くカルタを取るためには、上の句と下の句の初めを暗記しておき、上の句が読み上げられる寸前に下の句を取るというよりも、乱暴な取り方で相手の手を叩き付けるかのように滑らせたりして取るのだ。
そればかりではなく本作は前編であるが、主人公の広瀬すず演じる千早と、男子生徒、太一(野村周平)、新(真剣佑)の恋物語も絡んでくる。どうも競技かるたの百人一首を絡めた幼馴染同士の三角関係がメインのようでもあり、これまでの部活映画とは方向が違う気もする。部員集めの下りや練習に合宿と、競技も形式的演出が目立っていて、途中ではダレてくる。
その千早に競技かるたを教えたのが新(真剣佑)であり、彼は祖父の看病で実家の福井県に帰っている。近くにいる千早を大好きな太一(野村周平)は、志望校を辞めてまで千早と同じ高校へ入学するのだ。
東京大会で優勝して、全国大会で福井にいる新(真剣佑)と出会い、千早が新と勝負したいと思う女心と、その競技かるたと熱い青春の恋物語とが、この作品の見所です。「千早は誰のもんでもない」という台詞がありますが、この映画で描かれているのは、恋というよりも恋に発展する前の感情という感じですかね。千早が競技かるたに熱中して睡眠不足もあり、試合が終わると目ん玉を白目むきだして寝てしまうのには驚いた。
最大のクライマックス、全国大会は後編だとして、こちらはそこへ向かう前段階としてとりあえず文句なしですね。やはり競技かるたのシーンが一番の見所で、実写ならではの見応えがあり、スポーツのような興奮もあるのです。
千早を巡る太一(野村周平)と、新(真剣佑)のバトルは、過去に太一が新のメガネを隠してズルをして、それまでして勝ちたかったのかと。そのトラウマが、太一には以来ここ一番でのツキに見放された男という細部もいい。
それに、千早も東京大会で対戦する相手の男が、サド男でどこかで見た事あると思っていたら「ソロモンの偽証」の不良生徒で、この俳優の存在感が千早をイラつかせて面白い。
東京大会での彼女たちの出で立ちは、普通は気楽なTシャツにジヤージが一番動けるしいいのだが、何故か部員の中に呉服屋の娘がいて、その娘が「舞子はレディ」(14)の上白石萌音ちゃんだとは、ここでは少し芋娘のような感じで出ていた。だから、5人の部員が着物に袴スタイルで着ていて、これはかっこいいし、いかにも競技かるたの服装では、なんて観ていて感じがよかったです。
部活を描いた映画では「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「桐島、部活辞めるってよ」など、良質な娯楽作品がいくつもあり、部活の種目はさまざまでも、初めはヘナチョコ、途中で迷走、最後は本気でぶつかってと、その結果はどうであれ、やることはやったという達成感があると思う。
それに、ハイテンション演技で頑張る広瀬すずが、屈託のない表情で廊下を突進する姿が魅力的に映っている。その中でもかるた取りの画面がやや単調で、広瀬すずの研ぎ澄まされた聴力がクライマックスまで出てこないのも不満です。何故に必殺の超能力でもある聴力の素晴らしさをもっと前面に出して欲しいところ。でも、それが後編で、千早が発揮して活躍する場が観たいですね。
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