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ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります ★★★.5

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モーガン・フリーマンとダイアン・キートンというオスカー俳優2人の初共演で贈るハートフル・ドラマ。原作はジル・シメントの全米ベストセラー『眺めのいい部屋売ります』。ニューヨークを舞台に、階段がきつくなってきたために古いアパートの5階にある我が家を手放す決断をした夫婦が、愛着のある住み慣れた我が家の売却と新居探しを巡って織り成す悲喜こもごもの人間模様を綴る。監督は「ウィンブルドン」「ファイヤーウォール」のリチャード・ロンクレイン。
あらすじ:ブルックリンが一望できる眺めのいい部屋に暮らして40年になる仲睦まじい夫婦、アレックスとルース。2人にとってその部屋はまさに理想の我が家だったが、エレベーターがないのが唯一の欠点だった。足腰の弱ってきたアレックスにとって、我が家のある5階まで階段を上るのは容易なことではなくなってきた。そんな夫を心配したルースは彼を説得し、エレベーターのある住居への買い替えを決めたのだった。こうして明日には、いよいよ購入希望者のための内覧会が開かれようとしていたのだったが…。

<感想>モーガン・フリーマンもダイアン・キートンも大好きな役者さんで、オスカー俳優2人の初共演が魅力で観賞しました。連れ添って40年の夫婦の寄り添い方が見事で、周りの人間群像も個性的で、一度は住んでみたい憧れのニューヨークのブルックリン街の古い感じも味があり、都会に住むシニアにはお薦めですよね。

夫婦役のお二人さんの自然な演技がさすがに素晴らしかった。エレベーターのない最上階アパートゆえに住み替えを迫られる2人の疾風怒涛の数日を描いている。ですが、ブルックリン橋の見える部屋は羨ましい限りの絶景であり、部屋の内覧会をすると、希望者が殺到するのが良く分かりますね。

40年も住んでいる内にマンションの値段が高騰して、じゃ部屋を売って住み替えようと。自分たちの終の棲家を探そうと、あたふたする老夫婦に、彼らを取り巻く都会人の人情物語には、東京も何処か似たところがありディテールが具体的で身につまされます。

希望者に入札をさせるブローカーの手腕と訪れる面々が面白く描かれている。中には、ずうずうしくも夫婦の寝室のベッドで横になる女には呆れました。

その主筋には、ブルックリンでのテロ事件のテレビ中継が映し出され、事件が解決しないと売出し中の部屋の値段が下がるということもあり、間に入る不動産屋の姪っ子シンシア・ニクソンの、自分一人の才覚でニューヨークを生きているという鋭敏な言動が素晴らしかった。

それに、年老いた愛犬のヘルニアの手術の経過という、2つのサブストーリーが絡むのが絶妙で良かったです。

始めはお二人さん、これから住む住居を見学に行くのですが、絶対に譲れない条件がいくつもあって、その内にお互いが妥協をしていき、やっぱり現在のアパートが一番であり、住んで見ればまぁまぁここも悪くは無いと落ち着くのよね。

長く住んでいると、隣の芝生が良く見えがちだということもあって、自分の家の価値になかなか気づかないということです。もちろん、不動産屋の他者との競争もあっての決断なのだが。焦って判断を誤ることもあるからして、子供のいない熟年夫婦が絶景の部屋を手放して、格下の家に求めるものが、二人の未来に求めるものと同じように重なって見えてくるのだ。

原作は読んでいませんが、原作ではユダヤ人夫婦から黒人男性&白人女性に設定を変えたらしいが、それが若き日のエピソードで生きていて、やはり結末は途中で読めて来るのですが、それを演出が巧妙にかわして見せているのもいい。最後の決断では本当にそれで良かったと安心しましたね。

2016年劇場鑑賞作品・・・43映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング

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