CMディレクター、劇作家、映画監督と、各方面で活躍している『ミツコ感覚』の山内ケンジが放つドラマ。友人の父親を本気で愛してしまった女性の純粋な思いが、さまざまな者たちを巻き込んで思わぬ騒動に発展していく。数々の作品に出演してきた吹越満、『金星』などの岸井ゆきの、『メタルカ-METALCA-』などの安藤輪子、『天空の蜂』などの石橋けいらが顔をそろえる。彼らが織り成すストーリー展開や、世代の差を突き破るヒロインの奮闘ぶりも見もの。
あらすじ:ある日、マヤ(安藤輪子)は親友である妙子(岸井ゆきの)に、彼女の父親・恭介(吹越満)が好きだと打ち明ける。それを聞いてあきれ果てる妙子と笑う母親のミドリ(石橋けい)だが、当の本人である恭介は悪い気がしない。だが、それを機にマヤは公然と恭介に対して激しいアプローチをかける。次第に彼女の強い思いと猪突猛進な姿は、恭介とミドリ、彼の愛人を筆頭にさまざまな者たちの関係を変化させていくように。やがて、思いも寄らない恋愛模様が繰り広げられるが……。
<感想>タイトルからして、友だちのパパに恋する暴走娘のみならず、親も子も、どっちの世代もこの時代では、生きてゆくのは何ともはや大変なのだ。なんてのほほんと描かれているこの映画。一見シュールだが、その実妙にリアルな市井の群像劇でもあります。
不倫に愛人の妊娠、妻のびょき、震災と離婚、むすめの同棲に介護問題などなど、・・・。じっくりと考えたら相当ヘヴィな修羅場の数々が描かれているのだ。
抜き差しならない状況を、ギリギリの笑いですり抜ける山内ケンジ監督の技量になるほどと思った。
妙子の父親は、妙子の友人であるマヤの積極的なアプローチに満更でもなく、ということが早々と示される。この設定で、関係性をシュールと感じるのか「変態」という発想は何とも意外に感じてしまった。
妙子自体は、友だちのマヤが、あなたのパパが好きという告白に「気持ち悪い」とハッキリいいつつも、友だちの恋愛感情自体は否定しない妙子。その友だちのマヤは、離婚する父親には不倫相手がいて、その上妊娠していることも知ってもひるまず、交際せんと手段を選ばず突っ走るマヤなのだ。
何度も笑わされたのだが、その可笑しさはオマケであって、そうなのかなぁと、ジワジワと驚かされるような、予想以上にかなり深いことへのヤバイ感がした。
吹越満扮するパパに迫る、街角で待ち伏せする安藤輪子の暴走ぶりもさることながら、周囲の人物像の相関関係が面白く描かれてかなり面白かった。
とりわけ安藤の告白に呆れた岸井ゆきのの家庭。つまり母親と吹越の父親が囲む食卓で、離婚を巡るやりとりや、母親と娘がスーパーで父親の愛人ハズキと出会うくだりなどが、大いに笑えるのだ。
それに、離婚が決まっている夫婦なのに、ずるずると同居を解消せず状況って変ですから。ですが、監督の語る「若い女性と中年男のロミ&ジェリ」の意味が明かされるラストに愕然して、ちょっと戦慄が走った。
新しい映画だと思います。それに独創的で、オリジナルな映画になっている。
2016年劇場鑑賞作品・・・38映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:ある日、マヤ(安藤輪子)は親友である妙子(岸井ゆきの)に、彼女の父親・恭介(吹越満)が好きだと打ち明ける。それを聞いてあきれ果てる妙子と笑う母親のミドリ(石橋けい)だが、当の本人である恭介は悪い気がしない。だが、それを機にマヤは公然と恭介に対して激しいアプローチをかける。次第に彼女の強い思いと猪突猛進な姿は、恭介とミドリ、彼の愛人を筆頭にさまざまな者たちの関係を変化させていくように。やがて、思いも寄らない恋愛模様が繰り広げられるが……。
<感想>タイトルからして、友だちのパパに恋する暴走娘のみならず、親も子も、どっちの世代もこの時代では、生きてゆくのは何ともはや大変なのだ。なんてのほほんと描かれているこの映画。一見シュールだが、その実妙にリアルな市井の群像劇でもあります。
不倫に愛人の妊娠、妻のびょき、震災と離婚、むすめの同棲に介護問題などなど、・・・。じっくりと考えたら相当ヘヴィな修羅場の数々が描かれているのだ。
抜き差しならない状況を、ギリギリの笑いですり抜ける山内ケンジ監督の技量になるほどと思った。
妙子の父親は、妙子の友人であるマヤの積極的なアプローチに満更でもなく、ということが早々と示される。この設定で、関係性をシュールと感じるのか「変態」という発想は何とも意外に感じてしまった。
妙子自体は、友だちのマヤが、あなたのパパが好きという告白に「気持ち悪い」とハッキリいいつつも、友だちの恋愛感情自体は否定しない妙子。その友だちのマヤは、離婚する父親には不倫相手がいて、その上妊娠していることも知ってもひるまず、交際せんと手段を選ばず突っ走るマヤなのだ。
何度も笑わされたのだが、その可笑しさはオマケであって、そうなのかなぁと、ジワジワと驚かされるような、予想以上にかなり深いことへのヤバイ感がした。
吹越満扮するパパに迫る、街角で待ち伏せする安藤輪子の暴走ぶりもさることながら、周囲の人物像の相関関係が面白く描かれてかなり面白かった。
とりわけ安藤の告白に呆れた岸井ゆきのの家庭。つまり母親と吹越の父親が囲む食卓で、離婚を巡るやりとりや、母親と娘がスーパーで父親の愛人ハズキと出会うくだりなどが、大いに笑えるのだ。
それに、離婚が決まっている夫婦なのに、ずるずると同居を解消せず状況って変ですから。ですが、監督の語る「若い女性と中年男のロミ&ジェリ」の意味が明かされるラストに愕然して、ちょっと戦慄が走った。
新しい映画だと思います。それに独創的で、オリジナルな映画になっている。
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